REALMS OF TOLKIEN Images of Middle-earth

最終更新日: 2003.3/26

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書名 REALMS OF TOLKIEN Images of Middle-earth
画家
  • Alan Lee (7)
  • Alessandra Cimatoribus (1)
  • Capucine Mazille (3)
  • Carol Emery Phenix (3)
  • Cor Blok (4)
  • Eta Musciad (1)
  • Fletcher (2)
  • Gerd Renshof and Ron Ploeg (2)
  • Inger Edelfeldt (2)
  • John Howe (8)
  • Lode Claes (3)
  • Luca Michelucci (1)
  • Maura Boldi (1)
  • Michael Kaluta (3)
  • Nicholas Bayrachny (3)
  • Stephen Hickman (2)
  • Ted Nasmith (7)
  • Timothy Ide (3)
  • Tony Galuidi (2)
()内の数字は収録作品数
出版HarperPrism
ISBN0-061-05532-8
価格(US)$30.00
エディションハードカバー
書影 REALMS OF TOLKIEN
関連リンク

(本書の入手日: 2002.4/27)

この本は、「"TOLKIEN'S WORLD Paintings of Middle-earth(邦訳 トールキンズワールド―中つ国を描く)」の続編です。TOLKIEN'S WORLDと同様に、 「中つ国」を舞台にした複数の作品 〜 ホビットの冒険 ( The Hobbit )、 指輪物語 ( The Lord of the Rings ... 以下 LotRと略記 )、 Unfinished Tales ( 以下 UTと略記 )、 The History of Middle-earth ( 以下 HoMe と略記 ) 〜 から選ばれたシーンを題材にして、 「中つ国」を愛する海外の画家達が描いた58枚の絵(表紙の絵も入れると59枚)を収録した画集です。 絵の(見開きで)隣のページには、その場面の原文からの引用が添えられており、 トールキンの「中つ国」作品の名文、名場面とともに、 各画家が文章からイマジネーションを膨らませてビジュアル化した力作の数々を楽しめる趣向になっています。 また、巻末には、"ABOUT THE ARTIST"として、各画家が、自分自身のこと、 トールキン作品との関わりや思い入れ、作品を描く際の気構えや苦労話などについて書いた、 興味深い内容のコメントが1ページずつあります。

前作、TOLKIEN'S WORLDは、購入して非常に楽しむことができたので、続編の本書も購入することにしました。 本書ハードカバー版の他に、『関連リンク』でも挙げたペーパーバック版も出ていたようですが、 こちらは、現在入手が難しいこともあり (HarperCollins のページで検索しても引っかからないので、 もしかしたら絶版なのかもしれません)、 入手しやすいハードカバー版を購入(ちなみに、出版のHarperPrismは、HarperCollins 社のアメリカでの出版ブランド名みたいです)。 カバー表絵はTed Nasmithの描く『じゅう(oliphaunt)』の絵で、 中には収録されていないのですが一見の価値がある絵です。

本書では、前作 TOLKIEN'S WORLD より、作品が収録されている画家の人数が増えたことにより、 前作から引き続き収録されている画家達の、本書での作品数は減っていますが、 その分、より多彩な画家達の絵を味わえるようになっています。 また、前作では、掲載作品は、引用されているトールキン作品と文章の発表順、 作品内での登場順に並んでいましたが、本書ではランダムに掲載されています。 この掲載順の違いにより、前作では、同じ画家の絵が近い頁に偏りやすい傾向があったのですが、 本書ではその傾向は無くなっています。

ひとつ残念なのは、前作でお気に入りだったRoger Garland の絵が収録されていなかったことなのですが、 その替り、本書ではじめて見た画家達の絵が何枚も入っていて、新たな発見がありましたから、 前作同様に本書も非常に楽しむことができました。

原文だけでなく、引用に該当する邦訳も随時照らし合わせながら本書を読んだのですが、 引用部分と、邦訳書における該当部分のある頁との対応表を作ってみました (僕の持っている版の範囲でですが)。 同じように、本書を読まれる方が、必要であれば、参考にしてみてください。 参考までに、手持ちの原書での該当ページと、 備考欄に、タイトルの一部に対応する、瀬田貞二さん、田中明子さんによる訳語を書いておきました。

引用部分出典の邦訳・原書対応表へ

実は、原書房という出版社から、『トールキンの世界―ファンタジー画集』という、 本書『REALMS OF TOLKIEN』の邦訳が出ています(翻訳は、山本史郎氏)。 しかし、『トールキンの世界―ファンタジー画集』は本のサイズが画集としては小さい為、 大判サイズで大きく絵を見ることの出来る本書『REALMS OF TOLKIEN』に比べて、 絵を楽しむという点から劣りますし、 翻訳も既存邦訳読者への配慮に欠ける姿勢(固有名詞はおろか題名すら合わせようとしない) など問題があるようです。 僕は、山本史郎氏の翻訳には別の本で非常に悪い印象を持っていたこともあって、 邦訳の存在を知っていましたが全く迷わずに、 原書である本書『REALMS OF TOLKIEN』を購入しました。


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