最終更新日: 2005.2/28
書名 | The Annotated Hobbit revised and expanded edition |
著者 | J.R.R Tolkien / Douglas A.Anderson |
出版 | Houghton Mifflin Company |
ISBN | 0-618-13470-0 |
価格(US) | $28 |
エディション | ハードカバー |
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目次 (Contents) |
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(本書の入手日: 2002.9/11)
本書は、ダグラス・アンダーソン(Douglas A.Anderson) による注釈付のホビットの冒険 - The Annotated Hobbit の第2版で、 2002年8月に出版されました。 その資料的価値の高さで定評のあった1988年出版の旧版から、内容の全面的な見直しを経て、 この改訂増補版は、さらに詳細で多くの情報を持ち、資料的価値はより一層大きくなっています。
詳細な注釈と改訂履歴、各国語版の情報や挿絵多数、 「終わらざりし物語」(Unfinished Tales) に収録でガンダルフがビルボを旅に連れ出した経緯の詳細が書かれている興味深い原稿、 「エレボールへの遠征」(The Quest of Erebor)の別バージョン収録など、 貴重で読み応えのある内容です。
ちなみに、旧版のThe Annotated Hobbit は邦訳が山本史郎氏の訳で原書房から出ていますが、 翻訳・編集等に問題が多数、トールキン関連サイトや掲示板などで指摘されていて、 原著の持つ価値を損なう点が見られます(山本史郎氏訳の問題点については、 赤龍館さんの『原書房版『ホビット』について』が詳しいです。 2004/08/02の独言、 2003/02/21の独言で少し僕も指摘しています)。 このことはアンダーソンさんの耳にも届いているようで、 原書房版に対する"poor translation"であるという指摘が、 本書の中で紹介されていました。 もしこの改訂版の邦訳が出ることがあるなら、質の高い仕事をしてくれる、 翻訳者と出版社で読みたいです。