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  しかし、この男の子の散歩は、まわりの動
 物達を目覚めさせてしまった。
  気がつくと色々な動物達が集まっている。
 物音がほとんどしない静かな薄暗がりのなか
 で、動物達の目が深い瞑想に誘うように光っ
 ていた。光が意識で闇が無意識だとしたらこ
 こは広大な無意識の世界だった。月の光は意
 識を目覚めさせるには優し過ぎた。
  次第にまわりにいる動物達の心が、男の子
 の心の中に入り込んできた。植物の精が来て
 隣に座り話しかけてきたけれども、男の子は
 なんだか、けだるくぼんやりした気持ちに捕
 われ、いつしかぐっすりと眠り込んでいた。
 

                  

  

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