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 夜明けの世界
  
  
賢者の梟に出会った翌日の朝、鳥が
  目を覚まし慌てたように話し始めた。
  「今日、植物の精が永遠の世界に旅立
  ちます。今すぐ行けば見送ることが出
  来るかも知れません。」
   男の子が夜明けの世界に着いた時、
  植 物の精は水平線の彼方、空と海の間
  に出来た輝きの隙間に向かって飛び立
  って行くところだった。二人は黙って
  その後ろ姿を見送った。植物の精は一
  瞬振り返ったようだったが、輝く光に
  溶けてゆくように見る見る遠のいてい
  った。
 

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