ACT.22 ゲームと共に (1999.07.25)

 ゲームが好きだ。
 みんなにいい年にもなってなどと言われるがそんなのは関係ない。
   好きなものは好きなのだ。

 ゲームの中でもやはりコンピューターゲームが好きだ。
 僕とコンピューターゲームとの出会いは小学生のころだ。
 あのインベーダーゲームが最初ではなかったかと思う。
 当時はまだ小学校の低学年だったと記憶しているが、かなりあやしいところではある。確か近所の駄菓子やさんに何台か置いてあって、中学生に交じって友人3人ぐらいで遊んでいたのをかすかに覚えている。といっても、インベーダーが登場した年ではないので間違いのないように。
 小学校高学年になると本格的にゲームセンターに通っていた。ありとあらゆるゲームをそれこそ夜遅くなるまでやり続けていた。当時はまだ風営法もなかったから、家に帰るのが10時を回るなんてこともざらだった。当時はゲームセンターは不良の溜り場みたいなイメージがあったが少なくとも僕が通ったゲームセンターに不良はほとんどいなかったと思う。絡まれたこともカツアゲをされたこともなかったし。

 中学に入ってコンシューマーゲームが広まり始めると、ゲームをする場はもっぱら家の中へと変わった。自分はパソコンも持っていないのにパソコンゲームだけはやたら持っていた。それを遊ばせてもらうために友人宅なりパソコンショップへとよく通っていた。思えば僕は高校入試の前日までゲームをしていた。確かドラゴンクエスト2だったと思う。そして、入試を終えるとその足ですぐさま続きをしていた。高校へ進学する以前に僕は目の前のゲームの方が重要だった。今思えば、恥ずかしい以外の何者でもない思い出だ。

 当時のゲームはどれもシンプルなもので、今のようにゴテゴテとした飾りもなかった。今思えば対した内容じゃなかったのだが、それでもサルのようにプレーしていた。そういえば、プレステが出た頃からリバイバルブームなのかどうかは分からないが昔のゲームがこぞって移植されて発売された。しかし、そういうものに食指は全く動かない。懐かしさこそあれ、昔のようにのめり込んでゲームをすることは多分出来ない。あの時のように、新鮮な気持ちでプレーは出来ないのだから。

 ゲームが好きなのは今も昔も変わらない。
 でも昔の様に何もかも投げ棄ててゲームに没頭することがなくなってしまった。
 ゲームを一歩ひいて見ている自分の姿があるのだ。
 そして、それを残念に感じる自分と冷めた目で見つめる自分がいるのだ。

 子供だった日々を取り返そうというのではない、ただもう少し子供の時の自分と見つめあいたい。そして、今日も私はゲームのコントローラーを握る。夢と虚像の狭間に自分の姿を映す為に。

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