ACT.19 タイムマシンに乗って (1999.07.22)

 祝!TM NETWORK復活!
 今日は新生TM NETWORK(以下TM)の新曲の発売日である。
 突然の活動終了から5年。
 今日という日が来ることをどれだけ待ち望んだことか……

 私とTMの出会いは中学時代にまで遡る。
 当時の私はどちらかといえばあまり音楽を聴かない方の人間であった。
 好きなアーティストは一応いたが、それが安全地帯とチューブという実に訳の分からない組み合わせであり、かなり変わった好みの持ち主であることはいうまでもないであろう。ということで、打ち込み系のサウンドとはまだ出会っていなかったわけである。ちなみに当時の私はYMOの存在もよく知らなかった。
 衝撃の出会いはテレビアニメ「シティーハンター」である。
 主題歌がTMの「Get Wild」であった。ちなみにこの曲はTMを一躍メジャーにさせたシングル曲である。
 初めて聞いた時に衝撃が走った。
 翌日には貸しレコード屋へと走っている私の姿があった。ちなみに当時はMDはおろかCDなどという物もなく、レコード全盛の時代である。
 しかしあまりにも衝撃的な出会いであった為、アーティスト名どころか曲名すらもチェックしておらず、私は狭い店内でおろおろするばかり。ちなみに当時の私は大変気が小さく対人恐怖症であった。今の私を知る者は誰1人として信じてくれないが事実なのだからしょうがない。そんな私が店員に曲の所在を聞いたのであるからどれほどその曲を欲していたのかが分かるであろう。
 店員も最初は首を傾げていたが、しばらく本などで調べた結果、無事見つけることができた。私がTM Networkという名前を知った瞬間である。
 その後、他に曲はないのかとレコードを探し続けていると、既にアルバムを3枚リリースしていることが分かった。私はなけなしのお金でシングルと3枚のアルバムをレンタルすると、家で早速ダビング作業へと取り掛かった。

 なぜ私は今までこんな素晴らしいアーティストの存在を知らなかったのだろう。当時の率直な感想である。今まで聞いたことのないメロディに宇都宮隆のシンプルながら曲にピッタリはまるボーカルのハーモニー。それから毎日私はTMのテープを猿の如く聞き続けていた。実際に動く彼らを見たのは当時TBSでやっていた「ザ・ベストテン」が最初である。確か、11位かそこらにランクされた時にもうすぐベストテンと題して登場したのだったと思う。今でこそコンピューターを楽器と共に使用することは珍しくないが、しきりに司会の黒柳徹子がセットに持ちこまれた巨大な機材の山に驚いていたのが印象的であった。5、6台のキーボードとコンピューターを接続させた大掛かりな機材は確かにインパクト十分であり、それがパソコン好きである私の心を更に熱くさせたのである。
 その後TMは確実にメジャーへの階段を上り、TMNへプロジェクト名変更を経て、活動終了へと向かうのである。

 TMの活動終了を知った時のショックはとても言葉では言い表せない。
 その日、新聞の1面に掲載された終了宣言を私は知らなかった。なぜならうちでは新聞をとっていなかったから。いつものように仕事場のカウンターで接客をしている時、アルバイトが1枚のFAX用紙を持って走ってきた。そこで初めて知ったのだ。はっきり言ってその日は仕事にならなかった。事務所で事務作業をするとバイトに告げ、机の上の白紙の事務用紙をただ見つめていたような気がする。ちなみに、その数日後に発売されたラストシングル「Nights of the Knife」をレンタル担当者の職権乱用で大量に仕入れたのは言うまでもない。

 TRF、安室奈美恵、globe、鈴木あみ……数々のヒットを作ってきた天才メロディーメーカー小室哲哉。
 T.UTU、BOYO-BOZOの流れを経てボーカルに厚みを出した宇都宮隆。
 そして、いつも変わらぬ暖かさをたたえる木根尚登。
 3人の伝説はまだ終わらない。

 探し続けた The way to mind Electric Prophet 教えてくれた
 I am twenty-second century boy 時を超えて Hello,Again!
        「Electric Prophet(電気仕掛けの予言者)」より

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