ACT.6 インターネット講座その2 (1999.06.28)

「博士、作者にまた呼ばれたんですけども」
「うむ。2、3日まともなことを書くだけで不満の声が上がるらしいぞ。おまけに5日前の日記が小説よりも面白いと言われたらしいしのぉ」
「それは複雑ですね。小説サイトとして立ちあげたのでしょ、ここの作者は」
「そんな深い事は考えておらんよ。せいぜい、今晩の夕食は野菜サラダにするかポテトサラダにするかゴボウサラダにするか……」
「サラダばっかりじゃないですか」
「……マカロニサラダにするかカボチャサラダにするかサラダオイルを飲むかぐらいのことじゃよ」
「飲む?!」
「まあ、呼ばれたからには話をせんわけにもいかんしのぉ」
「せっかくですから、またインターネットのことを教えて頂けませんか?」
「おお、それもいいのぉ。ポーランドの赤き妖精と呼ばれた知識をひけらかしてやろうかのぉ」
「知識と妖精の接点が見えないのですが」
「相変わらずのダメダメぶりじゃのう、助手よ。んで、今日は何から話そうかのぉ」
「あの、接点の方は?」
「助手よ、君もしつこい男じゃのう。しつこい男は女にもてんぞ」
「それはまずいですね。失礼しました。お話を続けてください」
「うむ、分かればよい。そうじゃなぁ、今日はインターネットの歴史なんぞを勉強してみようかの」
「歴史でしたら、私も多少はかじっております」
「ほう、そうか。しかし、まさか元々アメリカで軍事用のために開発されたなぞとほざくのではあるまいな」
「え、違うのですか?」
「やはりまだまだじゃのう、助手よ。そういうことじゃから、いつまでたっても博士代理補佐にもなれんのじゃ」
「博士の下に役職があるのですか?」
「なんじゃと、そんなこともしらんとわしの助手をしとるのかね」
「も、申し訳ありません」
「いいか、博士の下に博士代理、その下が博士代理補佐。その下が博士代理補佐代理で、その下が博士代理補佐代理補佐じゃ。その下が博士代理補佐代理補佐代理で、その下が……」
「博士、もう結構です」
「ん、そうか。この後500ぐらい続くんじゃがな」
「5、500って、一番下の役職は何なんですか?もしかして、博士の後に代理と補佐が200ぐらいづつ付くんですか?」
「そんなについたら呼べんではないか。もう少し頭を使わんといかんぞ、助手よ」
「では、なんなんですか?」
「Jリーガーじゃ」
「は?!」
「ちなみにその上が暗算世界一じゃ」
「……」
「話が横道にそれてしもうたの。さて、インターネットの歴史じゃが、起源は紀元前までさかのぼる」
「紀元前?」
「時のローマ帝国の皇帝が始めたと言われておる。しかし、当時はまだ皇帝のページをはじめ数サイトしか存在していなかったようじゃ」
「あ、あの…………」
「しかしインターネットにつきもののエロサイトはこの頃より当然のようにあった。シーザーが偶然エロサイトを満喫しているブルータスを見掛け「ブルータス、お前もか」と笑いあったという話は有名じゃな」
「は、博士……」
「しかしその後目立った発展はなく、一部地域内での活動しかまだなかった。そういう意味ではまだインターネットと呼ばれるものではなかったともいえるじゃろう。そうじゃな、パソコン通信のようなものじゃな」
「パ、パソコン通信?」
「ちなみに歴史上の有名な人物はことごとく皆インターネットにはまってのぉ。中でもナポレオンのエロサイト好きは有名じゃ。彼は睡眠時間を削り毎日新たなエロサイトを見つけておったという。その探索の腕は素晴らしく後に「我が辞書にエロサイトを見つけることが不可能という文字はない」という名言も残しておる」
「そのせいで睡眠時間が3時間だったのですか?!」
「全世界へと広まり、本当の意味でのインターネットが始まったのは大航海時代の頃じゃ。コロンブス、バスコ=ダ=ガマといった男達が未開の地域のエロサイトを求めて旅立ったのじゃ。コロンブスはエロサイトの宝庫、アメリカを発見したことで有名となったが、その素晴らしいエロサイトにはまりすぎ、性病で亡くなっておる。しかしこれは当時からインターネットには危険性もはらんでいる事実を語る重要なエピソードといえるじゃろう」
「はまりすぎって……」
「日本に本格的に伝わったのは江戸時代の頃じゃが、当時の日本はエロをよしとしない幕府の力でなかなかインターネットも普及せんかった。しかし、江戸幕府の倒壊により一気に全国に普及することになる。中でも西日本での普及率は高く、薩摩と長州の間で日本初の薩長同盟なるエロサイトを作るものたちが集まった集団も生まれておる。その後この波は全国へと広がり、俗に明治維新と呼ばれる改革が起こるわけじゃ」
「……」
「過激なサイトを作っておったことで有名な板垣退助はその過激描写をよしとしない反抗勢力の手によって暗殺されてしまったがその時の言葉「板垣死すともエロサイトは死なず」は今現在エロサイトを運営している人々の心の糧となっておるのじゃ」
「なるほど……(目にうっすらと涙が溜まっている)」
「とまあ最近の出来事は割愛したがだいたいのインターネット普及の流れはこんな感じじゃ。エロサイトのことばかりと思うかもしれんが今のインターネットの普及はイコールエロサイトの普及といっても過言ではないからのぉ」
「博士、私はまだまだ勉強不足でした。私が教わった歴史はなんだったのでしょう!」
「助手よ泣くでない。仕方のないことじゃ。今の教科書に載っている歴史はエロをよしとしない国が作っているものじゃ。そういう意味では日本では真のインターネットは始まっていないといえるかもしれん」
「いったいどうすれば真の歴史を皆さんに伝えることができるのでしょうか?」
「そうじゃのぉ、とりあえず政治家どもにインターネットを広げても『いんだーなっと』思ってもらうことじゃろうな」

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