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[TTT1982年12月号掲載] まだまだ続く・・・デス・スターろんそう!! その1 No.31 kzion氏の意見 [1]Vol.23の私の意見の説明ですが、私ひとりで紙面を独占しては悪いのではないかと思ったことと、私が絵が下手だから省略したいという理由で簡易化したため、わかりにくかったようなのでもう一度詳しく解説します。 @まず、フォト・ストーリーのP37の写真(図T)で面Aの部分はつるつるですが、面Bの方はでこぼこしているということです。もし図Uのようになっているのなら、こうはなりません。 A対空砲についてですが、図Uだとすると、すなわち図Vのようについているということです。すなわち、XウィングがDSの表面上を飛びかうと、対空砲の射程は図Wの斜線部分の範囲となり、非常に限定されるわけです。そしてまたXウィングがAからBに飛ぶのをうちおとそうとするなら、AからBまでXウィングが飛ぶのにかかる時間はXウィングの高度にもよりますが対空砲の射程距離から考えて(対空砲といえどもそれほど高くはとばないから)1秒に満たないわけです。それをコンピューターを使っていなかったSWで、すなわち手動でうち落とすことはほとんど不可能なわけです。また、この対空砲がトレンチに入った敵用のものであれば、図W格子状斜線の部分は対空砲の射程からはずれる安全空間となるのでXウィングがこの空間を飛ぶと撃てないので無意味というわけです。 [2]カモノハシ氏その1について SLの人がコンピューター・アニメのシーンを見れば、大トレンチの中に小トレンチがあるのがわかると言ったので、こないだ3回ほど見てきても、やはりわかりませんでしたが、先月号のカモノハシさんの記事を見てなるほどと思いました。まず、私は、この見方に反対します。ぼくが見た限りでは、この拡大されたのは小トレンチではありません。なぜならばたしか、先月号のこの所のT図左から3番目のところで、中央を一本の直線がのびるとあります。もし、この直線が小トレンチならば最初にから画面に直線が描かれていなければなりません。したがって、これは単にこの直線部を拡大したにすぎないと思っていますし、今もそう思っています。しかし、こう考えると大きな矛盾が起こることは確かです。また、この所のU図の一番左側の図ですが、ぼくの記憶によると、矢印の所にかなり小さい対空砲があり、入り込む時にレーザーを射ってきたと思います。もしこれが本当だとすると、これは小トレンチではなく、大トレンチとなり、この意見はあやまりとなります。ぼくは、このカモノハシさんの意見に反対します。上記(後者)の事実により、また矛盾が生まれました。そこでぼくの考えとしては、大トレンチの中に小トレンチがあるという説に反対というのを撤回します。しかし、賛成しません。中立です。現在、まだ研究中です。 |
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[3]カモノハシ氏その2について、これは直接否定はしませんが、普通に考えると右のようになっていて当然という気がします。また、この意見だとまったくおかしいわけではありませんが、極周辺のトルーパーたちがデス・スター内部へ入る時のシステムに一工夫必要となります。 |
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[4]ジン・アンティルス氏先月号の意見について、このように考えてもおかしくありませんが、その帝国の人達が住んでいる所の他にも対空砲の所にトルーパーがいたり、そのキカイを調節、整備するトルーパーもいるわけで、広いDSではその数はぼう大なものとなりその密集地域をも上回ることも考えられませんか? よって、おかしいと思います。 |
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[5]カモノハシ氏その3について これは先月号のぼくの意見によって反対です。また、右図の点線にカモノハシさんは何もかいていませんでしたが、フォト・ストーリーP37の下面の広がりかせみると、全くおかしいと思います。 |
[6]先月号のK・Sさんの意見ですが、まずノベライゼーションも信じられないのに、「Art
of SW」をもちだすのはもっとの他だし思います。また、あなたがもしコンピューター・アニメ(CA)のシーンが表面を表わしているとみるならば、係留口が赤道トレンチにあるなどということは決していえないはずです。 CAが表面を表わしていないとみるなら別ですが。もちろん私は先月号の通り、CAは表面を表わしていないと思います。 [まとめ]結局先月号に載ったいずれの意見にも賛成しかねます。 その2 No.25ユーク・スノーウォーカー氏の意見 今までのみなさんの意見を簡単にまとめてみました。 |
係留口 | トレンチ | 重力 | |
No.31 kzion氏 | 建造物の側面 | 大トレンチとは別 | 中心方向へ |
No.39 カモノハシ氏 | トレンチの底 | 大トレンチの底 | 人口重力により一方向 |
No.23 ジン・アンティルス氏 | 赤道トレンチの底 | 人口重力により一方向 | |
No.30 K・S氏 | 赤道トレンチの底 |
僕の説は基本的にはkzion氏の説と同じです。(もっともデス・スターの大きさについての見解の相違があるのですが)まず、トレンチの問題。これはカモノハシ氏はコンピューター・アニメを証拠としていますが、あのアニメはkzion氏の言うようにあまりあてにしない方がいいでしょう。あれは初期設定で没になったデス・スターのデザインをダン・オバノンが使ってしまったのでしょう、多分。SWではよくあることです。それともあの映像は、デス・スターのシールドなのかもしれません。映像が拡大されて小トレンチになるといってもあれが大トレとは限りません。それだけデス・スターの一区画を拡大しなければトレンチがみえない、とゆーことで巨大さを表わしているんでしょう。それでは、大トレと小トレが別という証拠をあげます。 |
@パンフの最後から3番目のページ、上段まん中の写真をみてください。ルーク達が陽動部隊だった、ということを思い出して下さい。ルーク達が敵の注意を引きつけている間にYウィングが爆撃隊としてトレンチに突入するわけです。ということは、Xウィングが向かっているのはトレンチではない、ということです。 AYウィングやXウィングレッドリーダーが引き起こしをかけて離脱し、トレンチ上空でヴェイダーのTIEファイターに撃たれたシーンがありましたが、その際、しっかりとデス・スターの地平線が見えます。大トレの中だとそうはいかないでしょう。 次に重力の問題ですが、内部に人口重力をつくるなら、デス・スターを球形にする必要はないでしょう。第一、不経済です。また、惑星破壊砲の問題ですが、図Tのように考えれば別におかしくないでしょう。そんなわけで、重力が中心方向に働いている以上、係留口は建造物の側面と考えるのが妥当でしょう。それから、係留口が赤道トレンチの底にないという証拠があります。フォト・ストーリーP37の逆プリント・スチールですが、よくみるとかなり奥行き(図Uのa)が広いのがわかります。しかし、デス・スターのドアップの写真の赤道トレンチを見ると、そんなに深いようには見えませんが・・・。 よーするに、図Uのa:bの比率と図Vのa:bの比率があわない、とゆーことです。これから考えると、係留口は赤道トレンチにあるようには思えません。 P.S.)ノベライゼーションは、メカのデザイン関係はあてにならないけれど、デス・スターなんかの設定なんかは、けっこう参考になると思いますよ。 |
この中心からは確かビームは出なかったと思います |
[TTT1983年2月号掲載] |
次に、証拠Aについて言わせてもらいます。あなたは大トレ=深い溝という固定観念をお持ちでしょう。大トレがとっても浅いものと考えたらどうでしょうか。地平線とまざりあってもわすらないぐらいに浅いと解釈すれば問題は解決すると思います。 次に人口重力に関してですが、今回はコメントを避けます。なぜかというとスノーウォーカーさんが示した図Tの映画の場面を恥ずかしながらしっかり見ていないのです。もし中心からビームが出ていなかったなら、この問題に関して再考してみたいと思います。もうすぐSWNHのビデオが手に入る予定ですのでその時確かめてみたいと思います。 係留口について言いますと、赤道トレンチと係留口の関係は図Tのようになっていると思います。(先々月号のゴチャゴチャ言う・・・というのはこのことですが、この推測を他人に押しつけようなどという考えは毛頭ありません。非常にとっぴな考えですので・・・)この図を見ておわかりと思いますが、スノーウォーカーさんの意見の中の図Uのaがこの図のaにあたります。つまり、係留口は赤道トレンチの底の溝(or 穴)の奥にあるということです。a'がこの溝の深さであって、a≠a'なのです。面αとつながっているように見えるツルツルの面はつながっていなくて全く別もの。つまり、赤道トレンチの側面とみればよいのではないのでしょうか? フォトストーリーの写真から言えば図Uの斜線部分が面αがじゃまになって見えないだけとすればどうでしょうか。 それからフォトストーリーの写真の上部が図Vのようになっていますが、これを図Wのように考えれば面αとツルツル面はつながっていると考えなくてもよいと思います。 スノーウォーカーさんはノヴェライゼーションを根拠に「係留口のあるところ≠赤道トレンチ」をおっしゃっているようですが、映画の中のコンピューターアニメのシーンを信用できないのは、ノヴェルもあやしいんじゃないですか? 「ドックとおぼしき設備・・・」の部分の描写が、映画のシーンの中にあるのなら、喜んで信用します。残念ながらありませんけど・・・。 (もうこうなってくると水掛け論そのものってかんじ) 佐々木さんの意見について 先々月号のkzionさんの意見[2]について言いますと、傍線部分の言及も一理あります。しかし、どうして最初から直線を引いておく必要があるのですか? コンピューターアニメ(一般的なものを含めて)の作画方法にはいろいろなやり方があります。突然画面に図形が、現れるものから、一筆書きのように図形を描いていくものまで様々な方法があるのです。僕たちが紙に線をひっぱるのと同じように画面に直線がのびていっても不思議ではないのですよ。 [5]の意見については、ビデオテープが入り次第この場面をじっくり見てそれから述べたいと思います。それまで待ってくださいね。すいません、ほんとに・・・。 今まで御覧になってきておわかりと思いますが、僕の意見は非常に主観的なものです。「赤道トレンチ=係留口のあるところ」の意見なんて推測で埋め尽くされています。でもこうでも考えないと納得いかないんですよね。僕の意見を認めてもらわなくてもいいのです。僕自身も認めてもらわなくてもいいのです。僕自身も認めてもらおうなんて気などさらさらありません。ただ、参考にでもなれば、という感じです。 |
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この「デススター論争」のコーナーについて、最近もうほとんど水かけ論になってきているので、そろそろピリオドを打つべきでは、という意見が出てきています。正確な資料がないので結論を出すのは非常に難しいと思うのです。しかしはいそれまでよ(?)と今月号でこのコーナーをやめてしまうのも中途半端です。実際私も悩んでいますので、みなさんの意見を聞かせて下さい。よろしくお願いします。 本部 くっち |
ホス・プレス編集部コメント ノベライセーションをどう扱うか ジンさん、KSさんは、ノベライセーションは映画と相違点があるのので、証拠として使用するには、不十分であるという意見は、かなり厳しいですね。できるだけ映画中心に研究を進めることをホスプレス編集部では「映画根本主義」と呼んでいますが、ノベライセーションすら証拠として採用しないというのは、究極的な映画根本主義と言えるでしょう。劇中と矛盾する資料は採用できないとすれば、ルーカス公認の本や資料で、映画と完全に一致するものはほとんど存在しないため、映画以外の資料を完全に否定することになります。ノベライセーションは公認資料の中でも、映画に最も近い存在と言えるでしょう。 もし、ノベライゼーションを否定するとすれば、ルークとビッグスのエピソードは全く存在しないものと考えなくてはいけないし、「映画根本主義」の立場から言えばIG−88というキャラクターは、ESBに登場していないことになってしまいます(IG−88研究参照)。 確かに、ノベライゼーションには、本編と異なる記載が多々あります。それは、映画完成以前の撮影段階ですでに、執筆を開始しているためだと考えられます。そこに記載される表現を慎重に吟味した上で、映画に写し出された情報を支持する方向で、引用する分には問題ないのではないでしょうか。映画のスターウォーズ・ユニバースを補完するという意味で。 少なくとも、映画完成前に執筆が開始されるノベライゼーションは、設定資料と同等程度には扱ってもよいと思います。実際ノベライゼーションの作家は、シナリオ初期稿だけでなく、設定資料、デサイン画などを参考に、ノベライゼーションを書いていると思われます。 ノベライゼーション否定主義は、スターウォーズ・ユニバースを狭めるものです。ホスプレス編集部としては、「映画根本主義」を尊重しながらも、スターウォーズ・ユニバースをより広げる方向で、ノベライゼーションを利用し、スター・ウォーズ研究をしていきたいと考えています。 |
これらの論争は、なぜ生じたか このデススター論争は、なせ起きたのでしょうか。それは、NH製作時は、設定が精緻に行われていなかった、ということになるでしょう。おそらく、NH製作時に、デス・スターの設定について、十分に検討されていなかった可能性が強い。あるいは、いくつかの複数の設定が、整理されないまま、映画製作に入ってしまった。したがって、いくつかの映像的な矛盾が、映画の中に含まれる結果になった。その矛盾が、これほど激しい論争を引き起こしたと言えるでしょう。 実際のデス・スターの構造については、RJ公開前のこの時期(この論争が行われた時期)では、確定的な結論を出すことは困難だったでしょう。しかしながら、手に入りうる全ての情報を駆使して、議論を尽くすという意義は大きかったはずです。 「デス・スター論争」は自説が正しいかどうか、というよりも、どこまで映画のディテールを見ているのか、という観察合戦として側面を持ちます。実際、「デス・スター論争」の論者たちは、この論争を行った時点で数十回はNHを見ていたはずですが、それでも自分があまり注意して見ていなかったディテールが、毎回の様に指摘されることに、スターウォーズ・ユニバースの緻密さと深さを再発見していたのは間違いないでしょう。 最新のデス・スター研究紹介 ここまで、丹念に読み進めてくださった読者の方々は、「実際はどうなんだ」と、事実を知りたくなっていることと思います。RJの公開で、第二デス・スターが登場し、現在のデス・スター研究は、17年前よりは大きく進歩しています。ここに、現在の世界の主要な研究家の研究成果の集大成を紹介します。 スター・ウォーズ・テクニカル・ジャーナル- メカニックの研究で、比較的高い評価を得ているのが同書で、参考文献のページでも紹介している。
第二デススターの取り扱いについて |
編集部の最終見解 (2000年5月5日更新) 以上、延々と続いてきた、デス・スター論争。最終的にどう考えたらよいのでしょうか。 編集部の最終結論は、以下のとおりです。
根拠 以上のように、結論付けてみました。 |