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さわっ
春風がふく
僕は歩く 君は舞う
君は ほほえみというしあわせを
みんなに ふりかけていた
人々は 幸福に満ちていた
たった一瞬だったけれど
特別な時間だった
季節は変わる
君は青々とした木のうえで
静かに みんなを 見守っていた
君の 見えない瞳は
僕に
やすらぎを 与えてくれた
僕も 誰かのやすらぎになりたい
風が冷たい
君は寒くないの
君がまとっている 赤色の葉っぱは
おばあちゃんの編む
セーターのように
寒さも 吹き飛ばすくらい
あったかい感じがした
寒さはさらに 厳しくなる
君は 変わり果てていた
君の きれいな葉っぱは
ほとんど 枯れ落ちた
それでも君は
懸命に 待っている
春を
そうだよね
もう少し
もう少し 待っていれば
あの日の君に 会えるから
そして
君は また
生まれ変わった
あの日と 同じに
春風とともに
ほほえみというしあわせを
みんなに ふりかけているよ
サクラ
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