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ある昔のこと、よく勘が当たる鹿の秘密を暴いた鹿がいました。
名前は、カーと言うそうで、ドタ勘と観察力は侮れないが、すこし馬鹿な鹿と呼ばれています。でも、仲間を思いやる心は、あるんですよ。すこし、人見知りですが。
だから、その秘密を持ったシーと言う鹿に化けていた宇宙人に、気がついたのでしょう。
カーは、「秘密を暴いた」という事で、ちやほやされていました。
しかし、カーはある時、疑問を持ちました。
「なんで、宇宙人が動物を救ったんだ?」
カーは、「どうせ、いい鹿の振りをして、油断をしているうちにこの村から滅ぼすつもりだったんだ。」
カーは、一人ブツブツしゃべっていると、トントンッ、とノックの音がしました。
カーは、「どなた様?」と聞きますと、こういいました。
「僕だよ、カー君。」
「誰だよ?」
「僕だってば!」
「だ〜か〜ら〜、誰だって聞いてるの!僕君じゃ、あるまいし、名前を名乗れよ!」
「・・・、シーだよ・・・。別に、君をどうこうしようと思って来たんじゃないんだ。ちゃんと、僕の意思を伝えたくて来たんだ!」
でも、カーはこう言い返したのです。
「・・・、入れられないね、宇宙人なんか信じられないよ。いつ、連れ去られてもおかしくないんだから。」
すると、シーは、ボソッ、とつぶやいたのです。
「みんな、宇宙人って聞くと、滅ぼすと言う言葉しか思いつかないんだね。」
カーは、仲間を思いやる心につらさを、感じました。
いくら、宇宙人でも1度は、仲間だったのでカーはつらく感じてしまったのです。まぁ、秘密を暴いたのは本人ですが・・・。
でも、ここで負けてはいけません。
カーは、こういったのです。
「知らないよ、宇宙人は星を滅ぼすことが目的なんだろ!」
「宇宙人みんなが滅ぼすってわけじゃないよ・・・。」
「えっ・・・?」
カーは、意味がわかりませんでした。
「宇宙人にも、いろいろな性格があるんだ。人間や動物みたいにね。」
「では、詳しく聞いてみようじゃないか。目的はなんだったの?」
聞いたカーにとって、びっくり仰天な答えが返ってきました。
何だと思います?それはね・・・。
ただ、単純に動物として暮らしたかった。だそうです。
そして、鹿に化けた理由は鹿コレクターだったから。
カーは、絶対馬鹿にしている!と思ったが、真剣みたいです。
カーは、「そっ、そんな理由で・・・。」
それなりにショックだったのか、カーは、一気に落ち込みました。
カーの周りには、どよよ〜ん。なオーラがにじみ出ています。
カーがショックだったのは、そんな理由で、ってわけではなく、自分が暴いた秘密の理由が単純すぎたから、だそうです。
まだ、理由が村を滅ぼすためだった。とかなら感謝されますが、そんな理由だったなら別に、暴かなくたって良いじゃんか!と思われる、全然、関係なかった。と思っていたのです。
すると、オーラを感じ取ったのか、シーが言いました。
「まぁ、そ、そんなに落ち込まないで、ね?」
がっかりしていたカーが突然!目を光らせこういいました。
「君の勘は、本当なの?」
「はぁ?」
「君は、自分で災害を起こしたわけでもなく、宇宙人の仲間に教えてもらったわけでもないの?」
シーは、「あぁ、そういう意味か。」と言う顔して言ったのです。
「本当の勘だよ。なにせ、仲間はみんな反対していたからね。教えてくれるわけ無いよ。しかも、僕は、災害を起こせるほどの力は無いからね。」
「でも、あの時、宇宙船かユーフォーみたいなのに、乗っていたじゃん。
「それは、最後に両親に「本当に、動物になるか。」と聞かれて、答えていたところだよ。」
「なんて答えたの?」
「なる。って、答えた。」
それに、最後につけたしみたいに言いました。
「それに、僕は生まれた時から勘がよかったからね。みんなのために勘を働かせただけさ。」
それは、カーにとって、最後にとどめの1発を刺されたようでした。
これで、またシーは村に住むようになり、ちやほやされながら、楽しく暮らしていたそうです。
カーのちやほや時代は、たったの3日で終わったとか・・・。
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