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小さなつどい(ブルクミュラー25の練習曲より)
 
スウェーデンの大通りのある広場で婦人会がおこなわれました。
町にすんでいる、ほとんどの婦人たちが出席しました。
みんな一番上等な服をきて、かかとの高いきれいな靴をはいていました。
その日の課題は「町の清掃活動」についてでした。

その町の婦人たちはみんな、とてもおしとやかなので
はじめはみんな、「あら、そうですわね。」とか
「すばらしいご意見だこと!」としかいいませんでした。

が、時間がたつにつれ、だんだんもりあがってきました。
「町をきれいにするには月に一度そうじをしましょう。」
一人のご婦人がいいました。

「月に一回じゃたりません。毎週やらなくては!」
もう一人のご婦人もいいました。
「では、月に一度掃除をするのがいいと思うかたは手をあげてください。」
婦人長がさけびました。

「はーい!」数人のご婦人が手をあげました。
「毎週やるのがいいと思うかたーっ!」
また、何人かが手をあげました。「どうしましょ?」
「はーい、月に一回でいいと思います。町はじゅうぶんきれいになりますわ。」
「いいえ、だめだめ。週に一回はやらないと町はきれいになりません!」

それからしばらくのあいだ、会はめちゃくちゃになりました。
みんな、自分の意見がいちばんいいのだといってゆずりません。
とうとう婦人長はいいました。
「はーい、みなさんおしずかに!」
みんなは静かになりました。

「それであなたは?」
「わたくしはこうだと思いますの。」
しばらくは平和でした。けれどまた・・・・・・

「だからわたくしの意見はこうですの!」
「ぜったい、月に一回ですわ!」
またまたうるさくなってしまいました。
「はーい、おしずかに!」

話はいつ終わるのでしょうね?