最近では、いろいろな分野でレーザーが活躍しています。勿論、医療の世界においても例外ではなく、その用途に応じたレーザーがいろいろな治療に用いられており、歯科でも下記のような用途に使われています。ちなみに、私の診療室にあるのは「CO2レーザー」と呼ばれるものです。

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「いろいろな消炎や鎮痛」

 顎関節の痛みや開口障害、親知らずの腫れ、歯ぐきの腫れ、口内炎やその他の粘膜疾患などに対する治療に効果を発揮します。

A

「硬組織疾患(虫歯)の治療」

 虫歯の治療などの治療への応用なのですが、今の段階では全ての虫歯の治療においてキーンという音やガリガリッという振動と共に歯を削られるというようなことなしに完了・・・というような状況には至っていません。

 ここで詳しい記述はいたしませんが、これにはまだまだいくつかの問題点があるからです。但し、レーザーを使って虫歯に対処できる・・・その範囲が徐々に広がってきていることは、まぎれもない事実です。

B

「軟組織疾患の治療」「歯周病治療」「歯肉整形」

 歯周病や口内炎、その他の粘膜疾患に対する治療における効果は、非常に高いものがあります。従来のメスや高周波電気メスなどによる処置と比べて、治りが早く痛みや腫れが少ないことも特徴のひとつです。また、形態異常やその他に対する手術などにおいても同様で、リスクが少なく簡単な処置には麻酔すら不要です。

 下の3枚の写真は繊維性に腫れた歯茎の症例ですが、それぞれの歯茎の状態、及び歯の長さと形にご注目頂きたいと思います。

初診時

(6前歯の長さ(歯冠長)が、

 歯茎の腫れのために短く見えています)

レーザー照射直後

レーザー照射後 10日目

レーザー照射後 3週間目

 下の2枚の写真のように、歯ぐきの色が黒ずんでいる(メラニン色素の沈着)場合にも効果は絶大で、1〜3回程度の照射で、殆どわからないくらいにまできれいになります。

メラニン色素の沈着により

黒ずんでいる歯ぐき

1週間隔で2回照射後

C

「ホワイトニング」参照:「歯を白くする」

 レーザーを使ってのホワイトニングは診療室内で行う処置ですので、ホワイトニング・キットを使ってご自宅でして頂く「ホーム・ホワイトニング」に対して、「オフィス・ホワイトニング」と呼ばれています。

 効果に関しては、ホームホワイトニングに比べると、短時間でかなり高いもが期待できるでしょう。

D

「根っこの治療」

 根っこの中や先端の病気に対する応用で、これも従来の方法だけで行うのに比べ、よい成績を出すことが出来ます。

E

「知覚過敏症の治療」

 薬とレーザーを併用してイオン導入をすることにより、知覚過敏に対する処置をすることが出来ます。これも従来の方法に比べ、短時間で効果は大です。

F

「外科手術用レーザーメスとして」

 一般の刃のメスと違い、非常に出血量を少なくすることが出来ます。このことは、患者さんのリスクが少ないばかりでなく、私達が手術をしやすい・・・ということにもつながります。また、術後の疼痛が少なく治癒が早いのも、レーザーの特筆すべき点です。

G

初期う蝕(初期の虫歯)の処置

 初期の虫歯に関しては、その進行を止めるような処置が可能です。但し、これはごく初期のものに限ります。

H

その他

 このように、レーザーはいろいろな処置に使われています。ただ、レーザー機器自体が高額であるため、徐々に増えてきているとはいえ、設置している診療室はまだまだ少ないということも事実でしょう。