〜*〜寄生虫フォトアルバム(その3)〜*〜

   


Notocotylus magniovatusのセルカリア
(扁形動物門吸虫綱二生亜綱プラギオルキス目・無染色生体)
カワニナとチリメンカワニナの2種類のみを宿主とし、イボカワニナなど琵琶湖水系固有のカワニナには全く寄生しません。保育 嚢に寄生します。写真は、レジ アの中にたくさんのセルカリアがひしめいているところです。
この属は第二中間宿主を持たず、草の葉などの表面で半球型のメタセルカリアを作ります。これはとても堅く、水槽のガラスなど に作られてしまうと、たわしで こすっても落ちないので厄介です。終宿主はマガモなどの水禽類です。
写真でわかるように眼点が3つあるので、 こいつの愛称は「三ツ目ちゃん」です。
Notocotylus attenatusのセルカリア
(扁形動物門吸虫綱二生亜綱プラギオルキス目・無染色生体)
上のN. magniovatusと同属でよく似た生活環を持っていますが、第一中間宿主はマメタニシです。 眼点は2つだけです。
この写真は体部のクローズアップで、色素が薄く消化管が透けて見えます。これほど体がフリスビーのように真ん丸いセルカリア はちょっと他にありません。
Neoplagioporus elongatusのメタセルカリア
(扁形動物門吸虫綱二生亜綱プラギオルキス目・生体)
この科のセルカリアは、尾が短く、遊泳する代わりにシャクトリムシのように水底を這います。始めはやみくもに探索歩行をして いますが、たまたま頭がユスリ カ幼虫に触れるとしっかりと取り付き、体腔に侵入して丸いメタセルカリアになります。感染実験を繰り返してはじめてこのメタ セルカリアがとれたときは、思 わず「初めまして!」と挨拶してしまいました。その記念すべき映像です。その後、本種のおもな第二中間宿主はイトミミズやヒ ルなどの環形動物で、水生昆虫はまれな宿主であることがわかりました(Yano & Urabe, 2017). 終宿主はコウライニゴイ、カワヒガイなどのコイ科の淡水魚です。