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紅蓮の標 黄塵の道(PS2) プレイメモ(1)

 うわPSソフトみたいなテキスト&グラフィック…良く言えばシンプルだけど…PS2のスペックがもったいなさ過ぎるわぁ(苦笑)。
 それはそれで。
 いきなり剣で戦わされる主人公・陽子(女子高生)。相手は蒼猿(けどこの時点では名前不明の青っぽい猿のような人)。
 攻撃続けてれば勝てます。でも「道具」開いてみて、MDが武器(ぶつけてダメージを与える)って設定がちょっと笑えた。
 戦闘前後に、奇妙な怪物や日本ではありえない中華ファンタジー風味の景色(…全部アニメの背景そのまんまだ)が次々と映って、そして…。

 部屋で目覚める。「またあの夢…」。
 前より近くなってるような気がする。接触したらどうなっちゃうんでしょうね…。
 学校に行く時、母に「帰りに美容院で髪を染めて来なさい」と言われる。日本人にしちゃ赤過ぎる赤毛で学校から要らぬ疑いをかけられているからだ。
 そして学校へ。
 クラスメイトに「数学の宿題やってる?」と訊かれる。やってると「うつさせて〜」。委員長は勉強好きなんだねーと言われるけど「母が厳しいから」と陽子は答えます。
 舞台は変わって中庭。
 クラスメイトの1人、杉本優香が本を読んでる。
→何を読んでるんだろう
 ファンタジー小説であることが判って「ファンタジー好きなの?」と声をかけてみる。
 素っ気無い杉本に、本ばかり読んでないでたまにはみんなと教室で話さない? などと優等生らしく話しかけるが、話しかけても無視されるだけと杉本。まあつまりいじめられてる。
 そんな自分と話しているのを見られてもいいの? 友達だと思われますよ、と言い残して杉本はその場を立ち去る。
 見ていたクラスメイト、委員長は優しいよねぇって棘のある言い方…。どうも内申点狙いで誰にでも(いじめられっこにも)優しいフリをしていると思われているようで。

 夕方。何故か青猿登場。誰でもないお前自身が獣だ、と語りかける。ただしその名前は陽子ではなく「赤子(せきし)」。
 お前の剣は血まみれだ…敵を切るのが楽しいんだろう? と挑発する。
 必死に否定する陽子。それでも語り続ける青猿。誰もがお前の隙を狙ってる…殺される前に殺せ!
 でまた戦闘になる…。相変わらず攻撃続けてれば勝てるけど。
 …誰かに起こされた。授業中なのに居眠りしてたらしい。教師に夜遊びしていたのかと疑われる。
 その時、金髪の男が現れた。見た目20代半ばって感じの、日本人にしちゃ色白過ぎる。能面みたいな表情。服装は、異様に長い(足首見えない)ダボッとした和服って感じ。
 あなたを探していた、と陽子に言う。何のことだか判らない陽子。
 教師は突然現れた部外者に注意するが、「あなたには関係ない」とさっくり無視される。
 陽子の知り合いなのかと教師に問い詰められても、違うとしか言いようがない訳で。
 その時クラスメイトが「窓の外に何かいる」と…。
 謎の声。「追っ手が」その声によれば金髪青年の名はタイホ、らしい。
 その言葉に答えてタイホは陽子の手をつかむ。
 振り払い拒絶する彼女に向けて、いきなり男は膝をついた。「ごぜんをはなれず、ちゅうせいをちかうとせいやくする」意味不明にしか聞こえないその言葉に『許す』と答えるよう迫られる。
 ここはやっぱり。
→ちゃんと説明して下さい
 説明する気はなさげです。無関係な死を望まないなら言えと。
 んじゃー、
→嫌です
 時間がないと急かされる。うわーん。
 何度も嫌です言い続けてると、諦めてはいただけます。
 ですが、いきなり窓という窓が割れまくり、…ああ。死んでしまったらしい。
 …許さないと進行しないのか。ははは。
 セーブも何も出来ないうちにゲームオーバーですか…。


紅蓮の標 黄塵の道(PS2) プレイメモ(2)

 いよいよ原作に添うつもりルート行くぞ。おー。

 杉本に会った時、
→どうしよう
 選ぶと、声かけないで去ることも出来るんですね。
 教室に戻った時にクラスメイトが杉本の噂をしてました。魔法の本なんか読んでて、自分も魔法で世界を救ったりする気なのかな、でもあんな奴に救われたくないなーみたいな悪口です。
 すると。
 うわ、授業中の居眠りで杉本が出て来ました(原作にはこんなのないけど)。
「自分こそが選ばれし者だ」「本当は友達だなんて思ってないくせに」などと言われつつ戦闘開始。
 …うわぁ。杉本さん、青猿より強いです!(笑)
 ちなみに体力(HP)半分を切ったら、その青猿がひょっこり出て来て「道具を使え」(回復しろ)とアドバイスをくれました。あら。どうもです。
 でも何とか勝てましてございます。
 そして現れた金髪。
 仕方ないので、
→許す
 それでも何か襲って来ました。教室のガラスが粉々に。クラスメイトたちと教師は全員怪我をしています。
 でも陽子たちだけは無傷。血を流した教師は「何故お前たちだけ…」と詰問する。
 パニックを起こした陽子。タイホに促されて教室から逃げ出した。

 着いたのは屋上。
 巨鳥がいます。杉本も。何があったの? と尋ねられても答える言葉がございません。
 タイホがヒョウキと呼ぶと黒っぽい狼のような異形の獣が出現。ファンタジー好きな杉本は「凄い…本物?」とちょっと嬉しげ。
 タイホは「あなたをあちらにお連れする」と言う。やっぱり説明はなし。
 カイコ、とタイホが呼ぶと、剣を持った半人半獣の翼を持つ女性が現れる。
 剣は陽子のものだと言って渡される。でも女子高生としては
→剣なんか使えません
 ヒョウキと呼ばれた獣が鳥と戦っています。タイホはヒョウキに「(1人で)持ちこたえられるか」と訊いて、ヒョウキが「何とか」と答えたのを確認する。
 ハンキョ、との声にまた別の大きな紫っぽい犬のような獣。「この方を」とタイホに言われて、陽子を連れ出そうとしているのだと判ったのですが。
「私も連れてって」杉本が割り込んで来る。
→杉本さんは来ない方がいいと思う
 何となく。ヤバげだし。
 タイホは陽子だけを連れて逃げる。それが「選ばれし者」に見えた杉本は「どうして私じゃないの…」と打ちひしがれております。

 雨の中、「出発してもいいか」って何処へー! 何が起きてるのかと問い詰める陽子。
 男は、自分の名はケイキで、陽子はケイキの主だと言った。
 蠱雕(コチョウ)=襲って来た巨鳥は数が多いので陽子が切らなきゃならないらしい。また剣を渡される。
 拒絶していると、「ジョウユウ」と何かを呼んだ。クラゲの傘の上に顔が乗ってるみたいなゼリー状の半透明の物体が出て来た。それがいきなり陽子に取り憑いて来た。
 いやー取ってー! とか言ってる間に蠱雕3羽と戦闘突入。いや、それ無理でしょう今の陽子では…。
 こういう時は。説明書にもありましたし。
 戦闘でHPがピンチになると「冗祐(ジョウユウ)=取り憑いてるゼリーな物体に任せる」コマンドが使えるので発動しました。一時的にパラメータを上げてくれます。この段階ではほぼ無敵モードとイコールですな。勝ちー。
 これが追っ手の全てではない、あちらに行かないと守れない、と繰り返すケイキ。嫌がる陽子を、無理にでも連れて行くとカイコをまた呼び出す。カイコは陽子を抱えて飛び立ちました。あーれー、さらわれるー。

 カイコに抱かれヒョウキの背に乗せられて飛んでる途中、まだしつこく追って来てる蠱雕がいる模様。カイコはそいつらの足を止めて来ると陽子から離れる。その時、剣を決して離すなと。碧双珠(へきそうじゅ)=鞘についてる青い珠は陽子の身を守る、とも。
 前から牛に似たゴウユという獣が迫って来て、突然体の自由が効かなくなる。冗祐が陽子を勝手に操ってゴウユを撃破するが、その反動で陽子はヒョウキの背から落ちてしまいました。あーれー。

 …自分の手を見る。赤い。異様に長い爪。獣のような。
 青猿登場。「それが本当のお前の姿だ」と嘲笑う。
 …目が覚めました。それもまた夢。
 何処かの海辺のようです。陽子の他には誰もいない。
 ふらふら歩いていると、集落があった。一見、日本の一昔前の農村、といった感じの光景です。大きな台風の後のように何だかずいぶん荒れている。
 人がいた。皆様、これまた何だか江戸時代か何かに迷い込んだみたいな服装だ。
 だが手がかりを得たい陽子は喜んで近づく。海に流されてここに着いたと話し、ここが何処かを訊こうとする。しかし村人は「海に流された」と聞いた途端に好意的とは言いがたい態度になった。
 陽子の剣を「何だそれは」と勝手に奪って鞘から抜こうとするが…抜けない。飾りものだと思われたらしい。
 村人の1人が、海から来たカイキャクは県知事に届けるのが決まりだと言って捕まえようとする。
 危機を感じた冗祐が勝手に体をコントロールして剣を抜く。必死でそれを止めようとする陽子。衛士、と呼ばれる役人らしき人が近づいて来た。どーしましょ。
→人殺しは嫌!
 …大人しく捕まってみました……。

 しばらくして牢から出され、閭胥(ちょうろう)の老婆の所に案内される。
 顔を洗うよう言われて、水に映った自分の姿が日本にいた時とは変わっていることに気付く。髪は日本にいた時よりもさらに赤く、目の色も緑。ちょっと浅黒くもなっている。
 閭胥は地図を出して説明してくれる。この世界と日本の間には虚海という海があり、陽子はその虚海を渡って日本(地図表記は倭)からこちらに来てしまった。ここは巧国(こうこく)配浪(はいろう)という町。そして繰り返される。海から来たカイキャクは県知事に届けるのが決まりで、その後どうなるかは偉い人たちが決める。
 嵐のようなもの…(しょく)に巻き込まれて、時々倭から人が流されて来る。それが海客(カイキャク)。生きて流れ着くのは運がいい方らしい。
 帰る方法を訊いたが、無理だと。人は虚海を越えることが出来ないものらしい。

 ついに縛られて、県庁に連行されることに。
 衛士によれば、良い海客か悪い海客か判断されるまで閉じ込められる。悪い海客となれば災害を連れて来るので死刑になるそうだ…。
 陽子は蝕を起こしたと思われているらしい。配浪の今年の収穫はそれで全滅。恨まれるのも理由があるわけだ…。
 荷車に乗せられて運ばれてます。ちなみに剣も含めた荷物も届け出ないとならないらしいので、全部積まれてます。
 途中の林で、木の間に金髪の人を見たような。
 ケイキかと思って馬車を止めるよう頼むけど、聞き入れて貰えない。
 ケイキならどうして自分を助けてくれないのかと悲しむ陽子。
 突然赤ん坊の泣き声のような声…。衛士たちは、こんな山の中で赤ん坊に似た声で鳴くのは人を食う妖魔だそうで、馬を急き立てていきなりスピードアップしました。
 異形の野犬風ですが妖魔なんですね。馬車が襲われる。衛士の1人は陽子の縄を解いてくれるが、陽子を囮にして逃げ出す腹だったらしい。
 …うわ戦闘ですかー!?
 3匹の妖魔相手に…まあ、回復アイテムいくつか使って何とか乗り切りました…。

 衛士たちは食われちゃったし、馬車は使い物にならないし、仕方ないので森で焚き火をすることにした陽子。
 剣の鞘は馬車の下敷きになってしまったので、ついてた碧双珠という青い珠だけでも持って来てみた。握ると、何故か傷が癒える。
 帰りたいなあ、と思っている時にまたアイツが出ました…青猿。
 食われてしまえば、痛みなんて一瞬で終わったのになあ、と。
 お前は帰れない。帰る方法なんてない。罠に嵌められたんだ。ケイキに騙されたんだ。
 このまま野垂れ死ぬだけだ。
 そう言って陽子を嘲笑う。陽子はただ耳を塞ぐことしか出来ないでいます。

 さて、どうしましょう。
→街道へ出る
 五曽(ごそ)の街へ移動する。途中猿系の妖魔に会いましたが、道具で回復しつつ何とか正攻法で撃破。
 むむ。特殊技っていつ覚えるものなのか。
 あと、道具が使えるのが戦闘中とセーブポイントだけって不便な気がするんだけどなあ。セーブポイントまでの間が結構長いし。
 五曽着きましたよー。
 村は静かですね。ここの辺の人は農業に出ているみたいなので、家に忍び込んじゃいましょう。中華ファンタジー風のこの世界でセーラー服は目立ち過ぎだから、せめて服をちょっと拝借しに。
→忍び込む
 漁ってたら家主帰って来ました。太目のおばさま。「家には盗むものなんてない」と言う。んで、配浪から逃げた海客の手配書が回っているとも…。
 だが彼女は、海客が災いを運んで来るなんて迷信だと思っているらしい。「辛かったろう」と優しい声をかけてくれた。初めて暖かく接して貰えて思わず泣き出した陽子に、食事と道具と服を与えてくれる。
 あんな人から盗みをしようとしていたなんて、と陽子は恥じ入ってしまうのです。

 女は達姐(たっき)と名乗り、穏やかに陽子の話を聞いてくれる。
 虚海を渡って倭から人を連れて来るなんて、人間の出来ることじゃない(だからケイキは普通の人間じゃない)。
 この世界には神様や仙人もいる(その人たちは虚海を渡れる)。
 カイコや冗祐(ケイキが呼び出した味方)という妖魔は聞いたことがないが、蠱雕(襲って来た敵)は知っている(角のある人を食う鳥)。
 蠱雕が襲って来たことを話すと、「まさか」と驚かれる。普通妖魔は人里に出て来たりはしないものらしい。
 …いずれにせよケイキを探すには時間がかかるんじゃないの? と達姐。確かにそうです。
 達姐は仕事を紹介してくれると言う。彼女の母が河西(かさい)で宿屋をやっているので、事情を話して、そこで働かせてもらいながらケイキ探しをしたらどうかと言うのだ。彼女は、母親なら海客だからって役所に突き出したりはしないと請け負った。

 夜。休もうとしていると刀が光る。
 そこには日本の風景が映っていた。
 陽子の父は、学校に現れた男のことを知り、陽子が変な連中と付き合いがあったのではと疑っているようだ。母親はそんな子じゃないと否定している。父親は、何か事件に巻き込まれていたら陽子は生きてないだろうと…。だからまだ、変な連中と家出していると思う方がマシだ、と。言葉はキツいが、それが彼なりの希望の持ち方なのだろう…。
 陽子はホームシックに泣き出しそうになる…と。
 出たぞ青猿。
 まだ諦めてなかったのか? お前は帰れないよ〜。といつもと同じく脅した後、達姐を信用するな、と警告して来た。
 親切にするフリをして売り飛ばす気だ。だからそうなる前にその剣で…と陽子を挑発する。
 信じない陽子に尚も畳み掛ける。明日の朝には衛士が来るぞ…有り金奪って逃げちまえ、と。
 お前の味方は誰もいない…自分だけが本当のことを教えてやってるんだ。そう言って嘲笑った。

 だが、達姐はちゃんと陽子を河西まで連れて来てくれました。
 緑の柱の宿に案内される。ここが彼女の母の宿らしい。
 食堂で待つが、達姐がなかなか戻って来ないので、不安になって宿の中をウロつく。
 達姐の声がしてふと或る部屋を覗く。母らしき女将に陽子を売り込んで(?)くれている。
 女将は海客だからと渋っているが、達姐は「親兄弟が怒鳴り込んで来ることもない」「これだけの金で譲ってやる」と何だか会話が変。
 そして極めつけは。「下働きか何かと勘違いしているんだとしたら、それはあの娘が悪い」。
 嫌な予感がしつつ食堂に戻ると、客の男に声をかけられる。酌をしろと迫り馴れ馴れしく触って来る。達姐が連れて来た女はイコール「売られて来た女」だと言う。達姐は今までも年若い女性を連れ込んで「売った」ことがあるようだ。
 そういうことをさせる店か、と理解した陽子は、剣を出して男を追い払い、その場を逃げ出す。

 達姐が「足抜けだ!」と叫びながら追いかけて来る。
 無視して逃げている陽子の目に映る金髪…一瞬ケイキかと思って追いかけようとするが、そこに牛みたいな妖魔が現れる。
 馬腹(バフク)と戦闘。またしても正攻法で撃破。うん、噂通り戦闘はヌルくていいなあ(笑)。
 女将に追いつかれて連れ戻されそうになるが…えーと。
→逃げる
 移動マップで拓丘(たっきゅう)へ向かいます。

 その道中に現れる青猿。
 折角忠告してやったのに、とニヤついております。
 そして、ケイキだって陽子を騙したんだよ、と。日本では蠱雕から守ってくれたと陽子は反論するが、守ってくれたのはその時だけだろうと言われてしまう。
 青猿は日本でのことも知っているらしい。俺は何でも知ってる、と言う。
 陽子がケイキを疑い始めていることも知っている、と。
 青猿は言う。陽子を襲っている妖魔を操っているのがケイキだと。金髪が現れた後に必ず襲撃があるので、陽子も考えたくないなりにそれを疑っているのだ…。

 青猿がふと消えた時、そこに1人の老人が現れる。松山。海客と知りつつ陽子を助けると言う。達姐のことがあるので「何故?」と問い詰めると、返って来た答えは…自分も海客だから。
 日本語をもっと聞かせて欲しい、と彼は言った。ただ、騒ぎを起こしたからとにかくこの街は離れた方がいいと。

 船で川を渡りながらも、何処か警戒を解いてない陽子。
 松山もまた、達姐が女を売りに来ることを知っていた。いつも何も知らずに売られて来る娘を見ているだけでも可哀想なのに、今回は陽子が海客と知ってますます放っておけなくなったようだ。
 それと、日本の話が聞きたいと。

 粗末な小屋で日本のことを話して聞かせる陽子。松山は高知の生まれて、流される直前は呉にいた。空襲から逃れたのだそうだ…戦時中か。
 彼はその戦争が第二次世界大戦という名で呼ばれていたことも知らなかった。
 松山は、陽子の髪が赤いのは、戦争に負けてアメリカの属国になったせいだと思ったらしい。負けたけど属国になった訳ではないと説明する。こちらに来たら髪は何故かこうなったのだと。
 戦争はいつ終わったのか訊かれたので、歴史上の事実を答える。それは、松山が海に落ちた日からたった半月あまりのことだった。
 言葉も判らないこんな所に流されるより、空襲で死んだ方がましだった…そう松山は言う。
 陽子は驚いた。彼女はこちらに来てからも言葉に不自由したことがなかったので、みんな日本語を話していると思っていた。
 松山は、この世界に来てから日本語を聞いたのは今日が初めてだと言う…。
 どうして戦争も知らないお前だけがそんないい目を見るのだ、と松山に問い詰められ、陽子はただ、どうしてだか判らないと必死に宥めるより他に何も出来なかった。
 落ち着いた松山に陽子は質問する。松山は海客として追われなかったのか。彼によると、ここ巧国では海客は追われる立場だが、隣の慶国(けいこく)では海客の扱いが変わると言う。彼はそこで戸籍を得ることが出来たのだそうだ。だが、去年、王が倒れ、慶国は荒れてしまったので逃げて来た。
 慶国に行けば追われずに済むのかと思ったが、彼の村は妖魔に襲われて半分が死ぬなど、国の荒れ方は本当にひどい有様なのだそうだ。
 国が乱れると妖魔、日照り、地震など、災害が続く。だから住めなくなって逃げて来た。
 色々思いを馳せた松山は、陽子に当たって済まなかったと謝って来た。

 翌朝、ふと目が覚めると、持っていた荷物がなくなってる。
 外に出ると、宿の男に止められた。もうすぐ衛士(役人)が来る。その男の話で、陽子は同じ海客の松山の手によって役人に「売られた」ことを知った…。
 この選択は…どうしよう。
→松山を追う
 荷物を取り返せました。うう。こんな展開もありですか。

 移動マップで滝の傍を指定してみたら、途中の森でまた刀が光り出しました。
 母の姿の後に出たのはクラスメイトたちの噂。ああいう優等生に限って屈折してたのよねえ、あの髪絶対染めてたよねー、話はしてたけどあんまり好きじゃなかった…宿題をうつさせて貰うために付き合ってたようなものだ…そんな話。
 青猿出た。
 あんな連中の所に帰りたいのか? お前に価値なんてない。母親だって、「子を失った母」としての自分が悲しいだけで陽子を心配してる訳じゃない。
 親も学校も、陽子がいなくてもいつも通りに動いてる。陽子は必要とされてない。
 誰にも迷惑をかけないいい子だった陽子。それはいい子でいるのが楽だっただけ。誰からも嫌われずいい子だと思われているだけ。誰も陽子を待ってる人間はいない。
 そろそろ終わりにしろ。お前が死んでも誰も泣かない。
 陽子は必死で否定する。ただひたすら。

 滝の傍に辿り着きました。
 青猿はしつこく着いて来てます。お前は1人だ、と囁き続ける。
 そこへ現れる妖魔たち。リーダー格らしい白い犬みたいなのと、紫の下っ端(?)の犬みたいなの。
 戦闘ー。それにしても正攻法しかないのかなこのゲームの戦闘って。
 何とか撃破すると、リーダー格らしい白い犬が「タイホ…」と呟いている。
 …生きてますね。どうしましょう。まあここは、
→剣を収める
 にしとこうか。
 すると、現れました。金髪さん。森や町で見かけた人ですがケイキではないです。年齢は似たような感じですが、女性でした。
 彼女は白いヤツに「杵隗(きょかい)」と呼びかけています。何だか泣いているようだ。死を悼んでる…のか?
 突然オウムが現れました。人間の言葉を話す。「殺せ! 海客は殺さねばならない!」と。
 陽子は気付いた。今までの妖魔を差し向けたのは彼女ではないか。
 オウムは陽子を突き飛ばす。そして金髪さんに「留めを刺せ!」。でも金髪さんは「出来ません」と拒む。「剣を奪え」とのオウムの言葉にも「これはあの方のもの」と反発。それならば腕を落とせと更に重ねるオウムの言葉に、金髪の彼女は「お許し下さい」と泣いて陽子に謝りながらも、オウムが運んで来たらしい短剣で陽子の掌を貫いた…。

 倒れている陽子を青猿が見下ろす。やっと終わるんだ、と。
 剣がまた光る。母までもが、陽子はただいい子のフリをしていただけではないかと疑い始めている。
 母親に心配かけたくなかっただけなのに。そう思う陽子を青猿は嘲笑う。あちらもこちらも同じ。戻る家なんかありはしないのだ…。

 ふと気がつくと、何処かの家。
 ここは何処だろうと思っていると、ドアにノックの音がして、入って来たのは…子供の背丈ぐらいはある、灰色のでっかいねずみ。しかも二足歩行してるし。
 手(前足)に湯のみの乗った盆を持っている。気分はいいかい? 何なら食べられる? と人間の言葉で訊いて来る。
 陽子が何も言えずにいると、ねずみは、陽子が3日も眠っていたこと、その間にどうにかする気なら出来たけどしなかったことを話し、だから自分をちょっとだけ信用してくれないかと穏やかに諭して来る。
 陽子が「水が欲しい」と言うと、ねずみは湯冷ましを持って来ると部屋を出て行く。
 ……そして部屋の隅に現れる青猿。
 今までのことを思い出せ。親切そうなヤツでも信じるな。そう警告する。
 陽子は「信用した訳じゃない」と突っぱねる。
 青猿が消えたと共に戻って来るねずみ。水と一緒に桃を持って来た。酒で漬けて砂糖で煮てあるそうだ。うわ甘そう。
 …こんなトコで選択肢なの? えーと。
→食べてみようかな
 いただきまーす。
 ねずみは自己紹介する。楽俊(らくしゅん)。父親はいなくて母親は出かけてるそうだ。名前を訊かれるので、
→助けてもらったから…
 (どうもこの選択肢の具合だと、楽俊信じないわルートがある感じね。いちいち好意を無にする選択肢があるってのは…いつかはやってみるよ。うん。今は原作通り信じるルート。)
 下の名前だけ名乗る。
 人を探して配浪から来たことを告げると、誰を探してるんだと訊かれる。
→このねずみなら何か知ってるかも…
 ケイキの名を出すが、楽俊も知らないらしい。
 配浪と聞いて、蝕のことを思い出した楽俊、逃げた海客の手配書が回っていることを陽子に話す。
→ここは最後まで話を聞いた方がいい
 一瞬怖い顔になってしまった陽子に、昨日も役人が来てた、突き出すならその時にやってると。殺されるのを判っていて突き出したりしないと言う。
 どうも手配書では、陽子を襲う妖魔も陽子が操ったことになってるらしい。だが楽俊はそれも信じてなかった。妖魔は人に従ったりはしないから。
 悪い海客が災いを呼ぶ、そんなものは迷信だと楽俊は言う。
 海客が来るから蝕が起こるんじゃない。蝕が起こるから海客が来る。人だけじゃなく色んなものが流れて来る。雁国(えんこく)では海客も差別されずに普通に暮らしているから、いい海客とか悪い海客とかそんなものはあるはずがない、と。
 雁国は、ここ巧国から見ると、北隣・慶国の更に北にある国。今の王は500年続いている豊かな国だ。
 楽俊はこの世界のことを説明してくれる。
 この世界には十二の国がある。その周りは虚海と呼ばれる世界の果て。そのずっと東に蓬莱(日本)がある、と言われている。
 雁国は王も宰輔(サイホ)=王の補佐も日本生まれなので海客に優しいのだそうだ。ただし、雁国の王・延王は胎果。胎果とは、本当はこちらで生まれるはずだったのが、間違って蓬莱で生まれてしまう現象のことだ。
 海客は東の端である慶国に流れ着くことが多く、巧国では珍しいという話だった。

 その夜。
 青猿。「ねずみを信用するのか」と。
 陽子は何かを悟っている。信じるのではなく利用するのだと言い切る。
 飯に毒が入ってるかも知れない。朝には衛士が来てるかも知れない。そう言って脅す青猿に、陽子は「その時はねずみを切って逃げる」。
 随分と悪党になったな、と笑っている。
 陽子は言う。青猿は陽子の不安を食っているのだ。心を暴いて不安にさせるために現れるのだろう? と。
 青猿は、今までに見せなかった奇妙に複雑そうな顔をして消えて行った。

 翌朝。陽子は内緒で出て行こうとするが、楽俊に捕まる。海客が多く流れ着く慶を目指してみるつもりだと言うと、国が荒れているので妖魔も出るし、やめた方がいいと止められる。
 妖魔なら今までも散々狙われていたと陽子。だが楽俊によれば妖魔は特定の人を狙ったりはしない。あちら(=日本)でも狙われていたと陽子が話すと、それは物凄く大変なことだと楽俊は慌てて陽子を引き止めにかかる。
 そこへ、楽俊の母が帰って来た。とはいえ。…普通の人です。ねずみじゃありません。
 せめてもう一晩いろ、と言う楽俊に、
→そこまで世話になる訳には…
 必死に引き止められて、もう一晩泊まることに。

 楽俊のお母さんも、海客には寛大な方のようです。着替えを出してお湯を使わせてあげようと準備をしてくれる。
 お母さんがねずみじゃなかったことを不思議に思って、楽俊に訊く。楽俊は「母ちゃんがおいらをもいでくれたんだ」。こちらでは赤ん坊は、里木という木になる木の実(卵果)から産まれるものらしい…。
 そして話は戻る。
 蓬莱に元々妖魔なんていないので、蠱雕は多分こちらからわざわざ陽子を襲いに行ったんだろう。理由は判らないけど。
 人は虚海を渡れないと言うけど、ケイキや蠱雕は確かにこっちからあっちに行った訳で。なら帰る方法もまたあるかも知れない。けど楽俊の知る限りでは帰ったって話は聞かない。人は虚海を越えられないから。
 それでも、雁国の延王なら何かを知っているかも知れない。陽子は雁国に行くべきだと楽俊に説得される。蠱雕に狙われた話といい、陽子の話は尋常じゃない所が多過ぎるのだそうだ。
 慶国の向こうだけど、慶国を通らず内海経由で行ける船があるからそれに乗るといいと教えてくれた。その上あろうことか、道案内がてらついて来てくれるそうだ。

 その夜。「人は虚海を越えられない」との言葉を思い出す陽子。虚海を越えてしまった自分は何なのだろう。青猿が現れて「獣だ」と言い切る。
 どっちにいても居場所はない。それでも生きてやると陽子は決意する。
 青猿は楽俊もいつかは裏切ると言う。今のうちに2人を切ってしまえと唆す。
 おかしなそぶりを見せたらその時は。陽子は剣を握りしめていた。

 翌朝。楽俊は母を説得していた。楽俊自身も前から雁国の関弓(かんきゅう)に行きたいと思っていたから、そのついでなんだそうだ。
 出発。
 道すがら、楽俊は半獣という自分の立場について教えてくれる。
 半分獣・半分人の楽俊のような人たちは、巧国では差別の対象で、雇うと余計な税がかかるから働き口もない。だから、こっちで言うパラサイトするしか暮らして行く術がないので、自分がいる方が母には負担になる。だからこれで良かったんだと。
 どうやら彼はただのねずみではなかったらしい。
 巧国の王は海客や半獣や、普通と違う人たちを嫌っているようだ。
 雁国では半獣でも大学に行ける。でも巧国での半獣は、その下の学校である少学にすら入れて貰えない。頭はいいのに。
 だからこそ、楽俊は自分が雁国に行きたかったのだと話す。陽子もまた、陽子を送るためと言われるよりも、楽俊自身のために行きたいと言われる方が気楽でいいと答えた。

 敦洛(かくらく)という街に着いて、やっと宿だの商店だのに行けるようになりました。蓬莱から持って来たものを売り払ってお金に変えちゃう。宿が一泊50銭って実は原作通りですね。細かいなあ。
 夜、また出たよ青猿。
 ねずみもまた自分のエゴだけでついて来た、親切なんかじゃないと指摘する。陽子は悟っていた。ここは誰もが自分のために生きている。だからチャンスがあれば見逃さず、自分の利益のために利用する。こちらは、そういう世界なのだと。
 青猿は言う。半獣は追われて殺される海客よりはマシだと、あのねずみは陽子を憐れんでいる。そしてまた陽子も、あちらの世界で、誰かを憐れむその影で蔑んでいたんだろう?
 いじめられるクラスメイトや、父の言いなりの母を、憐れみながらも「ああはなりたくない」と蔑んでいなかったか。
 必死で否定する陽子。
 青猿は、楽俊が陽子の正体を…「獣」を知ったらどうなるか…と嘲笑いながら消えて行く。

 翌朝。地震が起きている。通行人の噂で、河西で馬腹が出たことを知った楽俊は、天変地異は巧国の王・塙王が失道する前触れではないかと言っている。
 失道。王が道を誤ると、宰輔が病に倒れる。宰輔が死ぬと王も死ぬ。王がいない国は荒れて、天変地異が起こり妖魔が出没する。
 民に出来るのはただ逃げるか、とどまって死ぬのを待つか。
 そんな時にこちらでは神に祈ったりはしないのかと訊いた陽子に、楽俊は怪訝な顔をする。
 作物は天気が良ければ実る、王がいれば災害や妖魔は出ない(原作では更に「試験は勉強すりゃ受かる、金は稼げば溜まる」)、幸せなんて結局本人次第だし、天帝(=神)もいちいち民の願いを聞き届けているほど暇じゃないだろう? というのが楽俊の言い分だった。
 この世界に、苦しい時の神頼みという言葉は存在しないのだ。
 …午寮の街へ向かいましょう。
 その前に。
 戦闘で得た結晶石ってやつで、剣を成長させることが出来るんだけど忘れてました。やってみたら…特殊技ってこうやって使えるようになるのか(←判ってなかったらしい)。

 午寮の門の前。
 夕方になると門が閉まるので、その前に入ろうとする人でごったがえしております。
 そんな中…出たよ蠱雕が。こんな人里にどうしてと人々は驚き、門に殺到。門番は、街の中にいる人々を守るために門を早めに閉めてしまうつもりでいるようです。
 陽子は剣を持ち、戦いに走る。楽俊はその行動を、門から締め出された人々を助けたがっていると解釈して「そんなの無理だ」と引き止める。だが陽子は呟いている。誰かのために何かをする気でいるんじゃない。ただ自分が生き残るために戦うだけだ。
 …戦闘〜。
 (原作通り)7羽落とすが、1羽のリーダー格っぽい蠱雕は空を旋回したまま降りて来ない。
 降りて来い! と叫ぶ陽子の挑発に答えるように最後の1羽も降りて来た。再び戦闘〜。
 特殊技を使って攻撃してたら、青猿がまた現れて、属性考えて攻撃しろよ〜とアドバイスくれました。ど、どうもです…一応判ってます(蠱雕は風なんで、火属性ばっかり使ってますとも。ええ)。
 無事に戦闘終了。
 …ですけど。
 門の前は見渡す限り倒れている人や荷車だらけ。誰が生きてて誰が死んでるのかすら判らない。
 楽俊は…。
 人の下敷きになって倒れている。血まみれだが、その血は楽俊のなのか、その上に覆い被さるように倒れている人のものなのかは判別つかない。
 午寮の門が再び開く。出て来た衛士(役人)が惨状に驚いた後、生きている陽子を見つけて「大丈夫か!?」と呼びかけて来てくれる。でも衛士に捕まったら、手配書の海客とバレてしまうかも知れないのでそのまま離れるしかない。
 離れながらもふと思う。…楽俊がもし生きていたら、自分を見捨てて逃げ出した陽子を恨んで衛士に話したりしないだろうか…。
 だからってとどめ刺したりしても、ねえ。とりあえず。
→楽俊を見捨てて逃げる

 夕日の街道で、また青猿が現れる。街へ戻って楽俊を探し、生きていたら首をはねろと唆す。放っておいたら楽俊は衛士に話してしまうかも知れない…雁に行く船に乗ろうとしていることがバレたら、その港で捕まってしまう。
 誰もが自分のために生きているんだから。陽子は、自分が衛士に捕まらないためにそうすべきなのだと。
 だが陽子は断る。助けてくれた楽俊をこのまま見捨てられないと思い直す。助けるために戻ろうとする。見捨てて逃げ出しただけでも心がこんなに苦しいのに、止めを刺したりしたら…。
 ねずみだっていつかは裏切る。青猿の言葉に、陽子は答える。
 裏切ったっていい。裏切る人間が卑怯になるだけだ。自分が裏切られたからと言って、それは自分が裏切る理由になんかならない。このまま逃げたら自分は卑怯者のままだ。
 襲って来る青猿との戦闘突入。
 …今までに比べていきなり強いなあ…(汗)。でも何とか勝てましたが。
 草むらに倒れた青猿の所に行くと、そこにあったのは…配浪から連行されている時に、馬車の下敷きになったので置いて来たはずの鞘でした。

 午寮の門の前に戻る。ねずみの半獣を見なかったかと訊き回る。怪我をしているなら役場に、死んでいるなら街の裏にいるだろうということだった。衛士に見つかる危険を冒してまで役場には行けないし…。
 街の男が、陽子に礼が言いたいと寄って来た。蠱雕から助けてくれたと思っているのだ。陽子は身分を尋ねられるのが怖くてまたその場を逃げ出してしまう。
 …あれ? 何ですかこの方は。
 いきなり羅城(らじょう)というキツネの半獣さんが現れた。うわ。何でいきなり殺されそうになってるんだ!? えー!?(原作にいないので多分ゲームのみのキャラでしょう)
 羅城、いきなり陽子を偽王だと決め付けた。悪しき海客のクセに慶国秘蔵の宝重(ホウチョウ)、要するに宝物を持っているから、だそうで。
 陽子には何のことだかさっぱり判らない。
 いきなり戦闘だし…。
 …しかも強いしー!
 回復アイテムフル稼働で何とか撃破すると、衛士が喧嘩を見咎めてやって来た。けど、羅城の方も何か事情があるらしく、衛士を見ると逃げ出してくれたので、まあよし。
 …さてと。向かうべき場所は…北梁しかないな。じゃそちらへ。

 北梁は特にイベントはなし。セーブしたり店行ったり仕事したり。
 仕事ってミニゲームなんですけど、私ゃこういうの苦手でねえ(しみじみ)。ミニゲームクリア出来ないと給金貰えない仕組みなので仕事って感じじゃないですね。うわーん。
 まあいいや。出発しようかなー。
 目指すは雁国行きの船が出る港・阿岸(あがん)

 途中の山道で今夜は野宿。
 また青猿…出るんですか? 切ったのに。まあ前と違って半透明状態ですが。
 人を見捨てるような命を惜しんでどうするんだと嘲笑う。それでも陽子は、雁国へ行くまでは死ぬつもりはない。帰る方法もあるかも知れないから。
 青猿は言う。あちらでは誰も待ってなんかいないのに、何故帰るんだ?
 陽子は、あちらにいた頃の自分は怠惰だったと思い始めている。他人の都合に合わせることが楽だから、誰とも本気で付き合ったことがなかった。やり直せるならもう1度やり直したいのだ…たとえもう遅いのだとしても。

 衛士が森の中を何かを探している…陽子を追っているようだ。
 ただ、いつもは「悪い海客」といっても逃げたら深追いはしないのに、陽子に限っては捕まえるまでしつこく追わされることに疑問を感じているようです。
 その話を聞いていた陽子は、一体どうして自分がそこまで狙われているのかちょっと不思議に思っています…。
 途中鳴楽の街に寄った時に出て来た仕事(ミニゲーム)の害虫退治は何とか私でも出来ました。ちょっと稼いで体力回復アイテムを仕入れる。

 さて、阿岸着いたよー。
 その辺の人に船のことを訊いてみる。雁から来た人のようだ。港の一番大きな船だから行けば判るそうです。
 その人は元は戴の出身で、あちこち巡って今の国の姿を書き記す旅の途中らしい。
 慶国のことを彼から教えて貰えた。今の慶国の王・景王は偽王だと一部の州候が乱を起こしている。王は麒麟が選ぶものなんだから、麒麟が選ぶ王に対して反乱を起こすなんて変だ、と言ってます。
 ちなみに船賃は100銭。足ります。はい。
 でも、港に来てみたら…。
 衛士がウロついてます。やっぱり、海客は雁国に行こうとすると読まれてしまっているらしい。
 剣を持った赤い髪の海客を探している。かと言って剣を捨ててしまうのは…。
 どうしようかと迷っているうちに、船の出港の合図が…あーあ。
 次の船が来るまで数日、また何処かに隠れていなければならないのか…とがっくり来ていたら。
 近くの小さな船の船員が、乗り遅れたなら乗せてやろうと言ってくれた。途中の浮濠(ふごう)という島まで行くが、そこでさっきの船に追いつけると。
 人手が足りないので、船の仕事を手伝うのが条件。
 1も2もなく乗せて貰うことに決定。
 で、ミニゲームで雑巾がけをやらされるのね…ええやりますともさ。
 人使いは荒いけど、いい人たちばかりだとホッとする陽子。
 休憩していると船員が話しかけて来た。何処から来たのかとか、そんな話。陽子は配浪からと答えておく。それ以上詳しいことは答えなかったが、大規模な蝕で荒れた後だから、土地を捨てて逃げ出して来たのだと思って貰えたようだ。
 彼も昔は浮民(土地を捨てた難民)で、盗みもやるようなゴロつきだったらしい。それより前は慶国の兵だったのだが、偽王(ギオウ)の乱のお蔭で追い出されるハメになったのだそうだ。
 みんな色々あるんだねー。

 浮濠に着いて、停泊していた雁国行きの船に乗せて貰う時、給金代わりと饅頭を餞別にくれた。船乗りさん、いい人でした。
 甲板に出て海を見ていると、猫の半獣が話しかけて来た。独り旅同士の気楽さで声をかけて来たらしい。
 巧国では半獣は学校も行けないし働けない。親も恥じて外に出してすらくれなかった。だから彼は雁国に行くことにしたのだそうだ。
 気安い雰囲気のせいか、陽子は自分が海客だと話してしまう。彼の反応は「凄いですねえ!」と尊敬の眼差し。彼にとって海客(そして中国から来る山客)は、紙や仏教など、新しいものをこの世界にもたらしてくれる凄い人、であるらしい。
 雁国や奏国(そうこく)は、そんな珍しいものをもたらす存在として、海客・山客ともに大切にされているのだそうだ。
 そんな時、甲板に男が出て来た。猫半獣によると、彼は自分は巧の役人だと酒を飲んで威張り散らしていたそうです。なのに今は「あんな国は逃げ出すに限る」とか言ってます。
 (元)役人がこちらに気付きました。半獣のくせに睨むんじゃねえ、ととんでもない言いがかりをつけて来る。
 そんな格好(猫型)でウロつかれるのは迷惑だ、本当は巧で罪を犯して逃げて来たんじゃないのか? などと決めつける。
 …どうするか。
→止める
 ここはもう巧じゃないんだから止めろ、と止めに入る。
 あちゃ。こいつ手配書覚えてたか。捕まる? ひょっとして。
 とはいえ、彼が「誰か捕まえろ」と言っても、周りは誰も無反応。
 猫半獣は続けた。海客が災いだなんてただの迷信。たとえ王の言うことであっても、海客を追い回すのは変だ。現に、巧国があそこまで荒れたのは、王が失道しかけているからだと。
 2人の勢いに、(元)役人は「勝手にしろ」と捨てゼリフを吐いて逃げて行く。

 げ。海上なのにいきなり妖魔の群れが襲って来るんですか(アニメ版展開ですね)。
 戦闘…ですよねえ。
 欽原(キンゲン)、これも鳥系妖魔…全部で7匹。流石に結構辛かったですうわぁん。原作の設定(尾に毒がある)通り、毒&麻痺使って来るので、今度来る時は解除アイテム用意してこないと。
 青猿、こんな時まで出て来て、戦わないで殺されちまえばいいのに、とか笑ってます(…原作ではとっくにいないはずなんだけどなあ。いつまでついてくんのよ、あんたは(苦笑))。

 雁国・烏号(うごう)の港に着いたよー。
 賑やかで人が多い街だ。巧国とは大違い。人々の顔にはみんな張りや生気があって生き生きしている。
 それにしても、うーん、何処に行けばいいんだかねえ。海客は保護を受けられるという話だったけど。
 うろうろしていると。懐かしい声が聞こえて来た。
 楽俊再会〜!
 阿岸で探したけど見つからないので、先に渡ったかと思って来てみたんだそうだ。それでも見つからないので、とりあえず巧国からの船が来るたびに覗いていたと言う。
 銭を全く陽子に渡してなかったので、ここまで大変だったろうと謝って来た。
 楽俊を見捨てて逃げたのに…と陽子が言えば、衛士に捕まってはまずいから、それが正しかったのだと楽俊は答える。
 …ええ人やね。ねずみだけど。
 止めを刺しに戻ろうとすら思ったのに、と陽子は告白する。
 楽俊は答える。
 置いて行かれた時は、さすがに自分を信じて貰えてなかったのかと楽俊はがっくり来てたらしい。でも、それでがっくり来るのは楽俊の勝手。陽子が楽俊を信じるのも信じないのも陽子の自由。そういうもの。今は信じて貰えたんなら、それでいい。
 感激した陽子は楽俊に抱きつきました。楽俊慌ててます(笑)。すぐに離れたけどね。
 陽子はいい顔になっていると楽俊は言ってくれました。でも、もうちょっと慎みを持った方がいいぞ、とも。…何のことだか判らないで「?」な陽子。
 楽俊は先に着いたので色々調べてくれたらしい。まずは役所に海客だと届出をしなきゃね。
 向かう間に慶から逃げて来た浮民(難民)のテントを見かけるけれど、巧に逃げていた浮民のテントとは雰囲気がまるで違う。雁の豊かさはこんな所でも判るものらしい…。

 役所に行くと、住所・電話番号・郵便番号を聞かれる。電話だの郵便だのはこちらにはないけれど、海客を偽って保護を求めようとする人もいるので、それを訊いて本物だと確認する仕組みのようだ。
 デンワって何だ? と楽俊に訊かれて、声を遠くに伝える道具だと説明すると、是非作り方を教えて欲しい、母ちゃんと話がしてみたいと言われてしまった…。海客だからって道具の作り方まで全員知ってる訳じゃないんだけどねえ(苦笑)。
 発行された旌券(せいけん)、こっちで言うとパスポートみたいなものが身分証明書代わり。有効期間3年。その間に仕事を見つけるなりして身の振り方を決めれば、正式な戸籍も貰える。
 雁国の延王は様々な革命をした辣腕家で、稀代の名君と言われている。天は王が名君であればそれだけ長く治世を任せるので、長く続いた王は名君だということになる。ちなみに今の延王は、1人の王が500年治めている。
 陽子はびっくりしてます。500年も生きてるのかと。
 楽俊は更に説明する。王は、選定を受けて王になった瞬間から神になり、不老不死となるのだと。
 …ところでこれからどうしましょう。
 芳陵(ほうりょう)という街に、学校の先生をしている海客がいるのだそうだ。会いに行こうと楽俊に誘われる。既にお伺いの手紙も出してあるそうなので、では行きますか。
 ちなみに、こちらの世界は電話がないので、人と会うアポを取るのは手紙しかない。

 雑魚戦闘しつつ芳陵着。宿に泊まってお手紙の返事を待つ。
 宿の人がお湯を持って来てくれました。お風呂代わりですね。陽子は楽俊も一緒にどう? と誘ってみたんですが、また慎みがないと言われてしまいました…。部屋を出てるそうです。どうしてなのか判っていない陽子。
 翌日、お返事が来て、壁落人(へきらくじん)という海客と会うことが出来ました。
 壁は、自分がいた頃には日本にはそんな髪の人はいなかったと言ってます。陽子は、こちらに来てからここまで真っ赤になってしまったのだと説明する。
 それを聞いて壁は、陽子が胎果(たいか)なのだろうと教えてくれた。蝕に巻き込まれて、赤ん坊が入った木の実、つまり卵果(らんか)があちらに流されて生まれることを胎果という。あちらでは、疑われないように家族の誰かに似た殻を被って生まれるため、胎果の人はこちらに帰って来ると、その殻が外れて本来の姿に戻る。
 向こうで自分の居場所がなかったことを、今更のように納得する。陽子は元々あちらの世界の人間ではなかったのだ。
 壁はただの海客。静岡生まれで東大在学中に、昭和44年の学生運動に参加し、安田講堂のバリケードをくぐったらこちらに着いてしまった。
 最初は慶に着いたが、いろいろあって雁に来たのだという。最初は言葉が通じなくて苦労した…という話になって、陽子は、自分が言葉に苦労しなかったことを壁に話した。
 壁によれば中国語でもないらしい(だから中国から来る山客も言葉に苦労する)。でも陽子だけが違うのは不思議だ。陽子は日本語を話しているのに、楽俊とは普通に会話が出来ていた。言葉が不自然な感じもしなかったと楽俊も言葉を添える。
 壁は、ならば陽子は人間ではないのだろうと結論した。神や神仙は言葉に不自由しないのだそうだ。そうだとすれば、陽子はまだ帰れる可能性がある。「人は虚海を越えられない」が、神や神仙、あるいは妖魔は人じゃないので越えられるかも知れないのだ。
 自分が人ではないと言われて愕然とする陽子。でも、それで今までのことが辻褄は合う気がしている。
 妖魔は人を襲わないという。でも陽子は襲われた。人ではないからだ。
 傷の治りも異様に早い。それも多分人ではないから。
 陽子は、自分が神や仙人だとは思えないので、妖魔なんだと思ったのだ。
 壁は、陽子が襲われたと聞いて、妖魔は特定の人を付け回したりするなんてことはしないと首を傾げる。でも楽俊がそれを証明してくれる。襲われた現場を彼も見ているから。
 ケイキという人も人ではないんだろうな、と陽子は言う。妖魔の仲間だから迎えにも来てくれないのか、と。
 ケイキという人について壁に訊かれて、陽子は思いつくままに話す。彼が陽子をこちらに連れて来たこと。そして、最初タイホと呼ばれていたこと。
 タイホという単語に壁が驚いている。
 虚海を渡れる、タイホと呼ばれるケイキ、と言えば、それは1人しかいない。
 その壁の言葉に、ケイキと知り合いなのかと身を乗り出した陽子。
 ケイキ…景麒は、慶国の麒麟だという。王を選ぶ、最高位の神獣。
 他に覚えていることはと訊かれて、陽子は景麒と出会った時のことを説明した。陽子が主だと言って頭を下げたこと。剣をよこして使うように言われたこと。
 楽俊が言った。景麒が頭を下げて主と呼ぶ、それは、景麒が王を選定したことに他ならない。つまり、陽子は、慶国の新たな主…景王だと。
 陽子は呆気に取られる。ただの高校生が王? その疑問に、壁は答えた。この世界の王はみんな、王になるまではただの人なのだと。
 壁は「延王に会うべきだ」と薦めてくれた。慶の新王なら会って貰えるだろうし、彼からも事情を説明する手紙を書いてくれると言う。
 何だか話が壮大なことになって戸惑いつつも、ひとまずお暇を。
 容昌(ようしょう)で宿を取って、手紙を出し、延王からのお返事を待つことになった。
 容昌へ向かいまーす。

 容昌着。宿に向かいながら、楽俊は「陽子は遠い人だったんだな」と呟いている。
 そして突然敬語になる。陽子はそんな楽俊に言う。友達だと思っていたのに、と。
 もうそういう訳には行かないと楽俊。陽子は半ば怒ったように言った。楽俊は海客だからと陽子を差別しなかったのに、王なら差別するのか? 私は遠ざかってなんかいない。楽俊の気持ちが遠ざかったんだ。私と楽俊の間には、たかだか2歩の距離しかないじゃないか!
 楽俊はしばらく経って言った。陽子の方に歩きながら「おいらにゃ3歩だ」
 陽子は「ありがとう!」と言ってまた抱きつく。そして楽俊がまた叫ぶ。「慎みを持てってばー!!」

 街の中で木を見つける。帯がたくさん下がった白い木。同じような木は山でも見た。
 楽俊が説明してくれる。街のこの木は里木(りぼく)。山の中のは野木(やぼく)。子供が入った実である卵果がなる木だ。
 里木は街の中にあり、人間の赤ん坊が実る。野木は植物や動物が実る。
 里木になっている実は既に子供が入っている。陽子は、ああしてなっている時に、蝕に巻き込まれて蓬莱へ流されてしまった。
 子供が欲しい夫婦は、おめでたい模様を選んで帯に手ずから刺繍をし、その帯を枝に結ぶ。
 陽子にも、誕生を願って帯を結んでくれた人がこちらにいるんだろう…。
 その時、外で悲鳴が聞こえた。
 通りに出てみると、…また妖魔が出たー!
 戦闘行きまーす。
 牛みたいなの、鳥みたいなの、猿みたいなの、細かいけどたくさんいる…そしてそれを操ってるリーダー格。全部で4戦…(苦笑)。最後のは、白いリーダー格が応援で雑魚を呼んで来るので、経験値目的でない限りは白いのを先に倒した方がいいですねー。

 延王に会うには、返答があるまで何度でも書状を出さないとならないものらしい。役所で景王ですって名乗ったって信じてくれるとは思えないし。そうだよねえ。
 …って、あら? この声は。
 うわ、原作ルートじゃなくなっちゃった、何てことでしょう。現れたのは雁の延台輔(延麒)。見た目12〜3歳のガキです。とりあえず宿に来いとの仰せなので、ついて行きましょう〜。
 宿に到着。
 陽子、延台輔ってもっと大人かと思ってた、と言ってます(まあ会ってる麒麟が景麒だから無理もないけど)。
 延台輔、聞こえてたようです。成獣になると外見の成長は止まるから、景麒よりも延麒の方が早く成人したんだそうです。それに、生きてる年齢だけで言ったら景麒は延麒よりずっと年下。
 王が陽子ほど若いのも珍しいそうです。年齢は13か14かと訊かれてちょっとびっくりの陽子。17と答えると、延麒曰く、自分が蓬莱にいた頃の17よりはずっと若く見えるのだそうで。
 延麒は蓬莱に行けるのかと訊く。麒麟や高位の仙は月の力を使って蓬莱への門…呉剛の門を開くことが出来るのだ。
 延麒が、当時六太という名で日本にいたのは室町時代。戦乱の世だった。話を聞くと応仁の乱の頃のようだ。本人は応仁の乱なんて名前までは知りませんが。
 それはともかく。
 延麒は慶の内情について話してくれる。
 1年前、慶国の女王が崩御した。(おくりな)…亡くなってから送られる名前は予王。本当は舒覚(じょかく)と言う名だった。彼女の妹に舒栄(じょえい)という人がいるが、彼女が突然、自分が景王だと名乗ったのだ。
 王は麒麟が選ぶものだから、自分で名乗ったってなれない。彼女は偽王だと延麒は言う。
 王が玉座につくと、様々な奇跡が国に起こる。それが舒栄については一切なかった。そして妖魔もウロついており、国も荒れている。王がいれば妖魔は出ないはずなのに。
 後の話は王宮でしようと言われた。尚隆(しょうりゅう)が待っているそうで。
 しょうりゅうって誰? と陽子が訊いて返って来たのは、それが延王の名前だそうです。本名は小松尚隆(なおたか)
 楽俊に一緒に来て欲しいと言う陽子。気後れして拒む楽俊。その様子を見て延麒も「こっちは構わないよ」と口添えしてくれた。ついて来てくれることになりました。
 延麒によれば延王は、胎果の王が自分だけなので、仲間(?)が出来ることが嬉しいらしい…。
 玄英宮にレッツゴー。

 物凄く高い山の上にある大きな建物。そこが王宮だった。ちなみに、テラスから見るとそこは海だったりする。
 楽俊が話してくれる。雲海といって、この世界には空の上に海があるのは当たり前らしい。水が落ちないのも陽子には不思議なんだけど、楽俊にとってはやっぱり当たり前なので「どうして!?」とパニックになる陽子の態度こそが不思議らしい。
 両方を知ってる延麒が、不毛だから訊くのはやめとけと仲裁に入って来た。
 景王と呼ばれるのが落ち着かない陽子は止めて欲しいと頼むけど、「そのうち慣れるって」と取り合ってくれません。
 着替えないとならないらしい。楽俊は特に、裸だもんねえ…ほとんど。主上(延王)は気にしないんだけど、周りはそういうのにうるさいそうです。

 お着替え終わりー。
 現れたその人は誰でしょう。…楽俊(人間モード)です。半獣とは、どっちの姿にもなれるものらしい。男の人だったことにびっくりの陽子。そして「だから慎みがないって言ったろう」と言われて、かつて抱きつきまくりだった自分を思い出し、陽子は真っ赤になっちゃってます。…確かに慎みがなさすぎました…。
 いよいよ延王にお目通りでございます。
 …一通り自己紹介が終わったところで、延王は陽子が景王だという証拠は出せるかと訊いて来た。楽俊が陽子から聞いた話を伝えるも、景麒が膝をついた現場を見た訳ではないだろうとあしらわれる。
 妖魔に追われた話をすると、壁さんからの書状もきちんと届いていて、同じことが書いてあったので興味を持っていただけたのだそうです。
 ただまあ。先に舒栄がいるんで、景王ですって名乗ってるのを簡単に信じる訳にも行かないのは確かで。
 延麒が横から、舒栄のことは大体話しといたぞーと気安く口を挟んで来る。延王は「ウチの馬鹿が失礼なことをしなかったか?」と陽子に聞いて来たり。この主従は随分と気兼ねなくぽんぽん言いたいこと言い合ってるように見える。
 ところで、妖魔に追われてどうして生きていられたのかと尋ねられる。
 陽子は景麒に渡された剣を延王に見せた。これで戦って来たのだと。
 鞘から陽子にしか抜けなかった剣が、延王の手であっさり引き抜かれる。驚く陽子は、今までは陽子以外は誰もその剣を鞘から抜けなかったと話す。
 延王は言った。普通なら俺にも抜けない。でも、この鞘は死んでいる。妙な幻を見ただろうと指摘され、陽子はハッとなる。
 延王は言った。その剣は水禺刀。水をして刀となし、(サル)をして鞘となす。
 剣は幻を見せる。うまく操れば時間も空間も超えて主の見たいものを見せることが出来るが、気を抜くとのべつまくなし幻を見せる。だから鞘をもって封じた。
 鞘は禺となり、こちらも気を抜けば人の心の裏を読んで惑わせるため、剣で封じた。
 これは景国の宝重。これが扱えるのは、その正当な主だけだ。正当な主とは、もちろん景王。
 延王には、鞘から抜くことが出来てもこの刀で何も切ることが出来ないと言う。それで妖魔を切ることが出来たんだとしたら、そんなことが出来るのは景王でしかありえないのだ。
 疑いは晴れて、更に話は慶国のことになる。
 舒栄の軍はどんどん増えている。妖魔が出て国が荒れているので、民が助けを求めて舒栄に縋り集まっている。その原因は、景麒。
 舒栄は、横に景麒をはべらせているのだという。角を封じられて言葉が話せない状態で。でも民衆には封じられてることなんか見えないので、横に景麒がいれば彼女は本物だと信じているのだ。
 では陽子を狙った妖魔は、その舒栄が差し向けたのか?
 延王の答えはNo。ただの人間である舒栄に妖魔を操るのは無理だ。妖魔を操り、特定の人間を襲わせるよう仕向けることが出来るのは使令(しれい)のみ。
 使令とは、麒麟が祈伏して自分の配下に置いた妖魔のこと。だから陽子を襲わせている黒幕は麒麟であり、その主たる何処かの王だということになる。角を封じるのも麒麟にしか出来ないことだから、何処かの王がその麒麟にやらせて、そして舒栄の所に送り届けたのだろう。
 天命を受けた正当な王を襲わせるような王はいずれ失道する。
 何処の王だと思う? と延王が延麒に尋ねる。延麒は塙王ではないかと答える。巧は荒れている。そして国では失道の噂も囁かれていた。
 そして一方延王の方も、巧から逃げて来た海客を引き渡して欲しいと塙王が強く言って来ていることを話す。今までも、海客に厳しい巧から逃げて来た人はいくらでもいた。何故か今回に限ってそう言って寄越したことを延王は不審に感じ、密かに調べると、舒栄の所に金を運んでいるのが巧国の人間であることが判ったという。元々普通の人である舒栄に大した軍資金なんてあるはずがないのだから、裏で塙王が支援しているのだろう。
 また、陽子に対して人の刺客を送っているという話もあるという。…半獣の。
 羅城だ…(そういう役割だったのか…あの人)。
 羅城は舒栄を崇拝していたようだ。そして「任務」が成功したら禁軍(王の軍)でそれなりの地位に就けると吹聴していたらしい。元々予王(前景王)の決めた法では、半獣は軍で位には就けないんだけど、舒栄は自分が王になったら法を変えて位をやると羅城を唆したのだろう。
 そして、延王の元には既に知らせがあった。巧国の麒麟、塙麟が失道したと。
 もう巧は終わりなのかとがっくりうなだれ、母を心配する楽俊。
 何とかならないですか? と延王に陽子が詰め寄る。知人として忠告する以上のことは出来ないそうだ。
 早く正当な王が玉座に就くべきだ。延王はそう薦めた。
 陽子は、王になりたくてここに来た訳ではないと言う。日本に帰る方法を探しに来たのだ。
 もちろん、今の陽子は既に王なので、虚海を渡ることは出来る。でも帰った所で陽子が王であることはもう動かせない事実だ。王が国を放り出したら国が荒れて、景麒は失道する。そうなれば、陽子もまた死ぬことになる。
 陽子は、自分は王には相応しくないと言う。人を信じられず、裏切ろうとし、時には妖魔と戦う自分に心酔したこともある。こんな人間が王になんて。
 延王は、陽子は王気を備えていると言った。自らを統治出来る者だからこそ。
 延麒は「無理強いするな」と延王に意見している。王が国をどうするかは王の勝手でもあるから。責任を取る覚悟があるなら好きにしてもいいのだと。でも、だとしてもせめて景麒は助けてやって欲しいと延麒は陽子に頼んで来る。たとえ陽子が王になる気がなくても、国には麒麟が必要だから。
 考えさせて欲しいと言って陽子たちは退出する。

 どうしようかな。
→部屋で考える
 部屋で水禺刀を見つめる陽子。塙王が何故こんな愚かなことをしたのかが知りたかった。うまく操れば、時間も空間も超えて主の見たいものを見せると言った延王の言葉を思い出したのだ。
 水禺刀はその想いに答えてくれた。剣の表面に何かが映る。
 塙麟と老人が映っている。塙麟が主上と呼んでいるので彼が塙王なんだろう。
 塙麟は、使令だけでなく巧の民もたくさん死んでいる、こんなことはもう辞めて欲しいと主を説得しようとしていた。雁にまで追いかけて騒ぎを起こし、延の民までも傷つけては延王が黙ってはいないとも。
 あくまで、それも全て海客の災いだと言う塙王。だが塙麟は陽子が正当な景王であることを知っている(…話しかけて来た時、敬語だったしね…)。このままでは天の報いを受けてしまう。
 塙王は、自分の破滅を予期していた。ならば景王も道連れにすると言う。塙王は胎果も嫌いなようです。女の腹から生まれるなんて汚らわしいと。
 巧の周りに胎果の国は要らない。そう塙王は言った。
 慶は今まで、巧よりもずっと貧しい国だった。
 だが、蓬莱は豊かだ。そしてそこから来た胎果の王の国…雁もまた豊かだ。
 胎果は豊かにする秘密を持っているのではないか。ひょっとしたら慶もまた、雁のように豊かな国になってしまうのではないか。周りだけがどんどん豊かになり、巧だけが置いて行かれる。それが、塙王には辛かったのだ。
 陽子は、塙王のしたことを愚かだとは思いつつも、自分も王になったら、そんな風に一時の感情で国を傾けてしまうのではないか、と不安になった。
 陽子は悩みながら眠りについた。

 翌朝。延王に問われる。王になる気になったか?
→まだ決めてません
 延麒は、もし玉座を捨てるなら、せめて宰輔(=麒麟/景麒)だけでも助け出して国に残してやって欲しいと頼んで来た。それについては陽子にも異論はない。
 麒麟は意図的に蝕を起こせるから、どうしても帰りたいと言えば、景麒に頼めば帰れる。理論上は。でも景麒が嫌がるようなら、延麒に送らせようと延王は約束してくれた。
 ただ延麒本人は嫌がってます。蝕は災害だ。まして、王がその蝕に入るとなったら、それだけで物凄い大災害になる。こちらも、あちらも。だから、陽子が帰りたいという意志を尊重するなら延王が自分で景麒を説得しやがれ、だそうです(笑)。
 延王は念を押した。たとえ向こうに戻っても、安全になる訳ではない。塙王が諦めない限り、蓬莱でも陽子は妖魔に襲われ続けることになるだろうから。
 塙王を討ってしまう訳には行かないのか? と陽子が訊くと、それは出来ないと言う。王は、決して犯してはならない3つの罪があり、そのうちの1つが、例え内乱を収めるためであっても他国に侵入してはいけないというもの。
 でも、景麒を取り戻しに行くのは、あくまで慶の王が延に助力を申し出たのだから問題はないのだそうだ。それは慶の正当な王の意志だから、他国の王がその国の意向を無視して侵入したとは見なされない。
 さて、どうしましょうか。
→部屋で考える

 身の回りの世話をしてくれている朱衡と話をする。延王も延麒も、こちらに来たばかりの頃は日本に帰りたがっていたのでは?
 朱衡は2人が出会った頃の話をしてくれました。
 ……時は室町、応仁の乱の頃。
 六太(=延麒)の親は、戦乱で食べるものにも困ったため、仕方なく六太を山に捨てた。飢え死にしそうになっていた時、女怪(麒麟の乳母をする生き物)によって救い出され、こちらの世界へ戻って来た。
 その頃の雁もひどく荒れていた。前の王が民を虐げて、国土を破壊し尽くしていた。
 延麒はその雁を見て、蓬莱での戦火を思い出してした。偉い人間なんてものは、王なんてものは、結局自分の我がままで戦を起こし、民を虐げる存在なのだと、そう思い込んでしまった。
 だから、王を選ぶなんて嫌だと延麒はずっと思っていた。雁から「自分が延王ではないか」と麒麟に会いに来る人は多かったし、民は王がいれば災害がなくなると信じて延麒に選定を迫る。板挟みになった延麒は辛くなって、こちらの世界からあちらの世界へと逃げ出してしまった。
 当時、瀬戸内海の小松家という一族がいて、尚隆はその主だった。そこへ延麒は辿り着いた。そこはまた戦乱の中にあり、血に弱い麒麟は具合が悪くなってしまった。倒れたところを尚隆に拾われ、一目見て、彼が自分が選ぶべき王であることを理解した。
 敗色濃厚となった小松家の軍議で、尚隆はその夜、自分が囮になるから民を全て逃がすようにと部下たちに命ずる。部下たちは、逆に尚隆だけでも落ち延びていつか小松家を再興して欲しいと説得する。尚隆は首を縦に振らなかった。
 戦は尚隆の作戦通り、彼が囮となって敵に突っ込んで行った。しかし、逃げろと言われたはずの民は、尚隆を見捨てることなんか出来ないと、不慣れな武器を持って戦場に戻って来てしまったのだ。
 こうして小松の民は全滅。延麒は、使令に命じて辛うじて尚隆だけは救い出した。
 気付いた尚隆は、民のいない殿様なんて意味がないと言った。若と呼ばれるたびに託されて来たものを、返してやる相手がいなくなってしまったと。
 延麒は「国が欲しいか」と訊いた。あるものならば欲しいと尚隆は答えた。
 何もないやせ細った国。もしそこに行ったらもう戻っては来られない世界。それでもいいなら、俺が国をやる。延麒はそう話して、承知した尚隆をこちらに連れて戻って来たのだ。

 翌朝。陽子はついに決意する。自分が王になることを。
 延王は王師に命じて戦の準備をさせる。延麒は舒栄に従っている州候たちを説得するために慶へ(血に弱いから戦場には行けないので)。
 最初陽子はここで待ってろと言われたのですが、陽子は行かせて欲しいと頼んだ。景麒に会ったら言いたいことがあるからと。
 その夜。
 楽俊が人型になって陽子を訪ねて来る。まだ王としてやって行ける自信のない陽子に、陽子なら出来ると励ましの言葉をかける。資質があっても生かすのは難しい。だからこそ失道はある。でも陽子ならきっと出来るから、と。
 陽子は時々醜いとか浅ましいとか自分を卑下するけど、麒麟が選んだ以上、それはそんな醜さ・浅ましさも含めて陽子が必要とされているということなんだから。
 血に弱く争いの嫌いな麒麟は慈悲の塊だ。でも、麒麟が王にならないのは、慈悲や正義だけでは国が立ち行かないから。だからこそ、人間が王になるのだ。浅ましさもまた、必要だから。
 陽子は、今の自分は愚かだから、王なんて役目を負うのはもう少しマシな人間になってからの方がいいのではないかと思っている。でも楽俊は、5年後に王の器になれるなら、今から王でいてもいい、これからマシな王になればいいじゃないかと言う。
 それに、王の責任は重い。事は陽子1人のことじゃない。そんな重圧で締め上げられたら、それこそ早くマシな人間になれるんじゃないか、とも。
 まだ蓬莱に帰りたいのか。そう楽俊に訊かれる。
 前ほど向こうはいい場所とも思えない。ここも前ほど嫌じゃない。でも。
 別れの言葉も言って来なかった。たくさんの心残りがある。帰ったら人間関係をちゃんと作り直そうと思っていたたくさんの人がいる。
 こちらを選ぶことで、陽子はあちらを放り出してしまったのだ。
 楽俊は、どっちも放り出すよりはマシだと言い、陽子がやるべきことを選んだのだと言った。陽子が作る国を見てみたい、とも。

 いよいよ王師(軍隊)と共に舒栄の元へ。
→出撃する
 行くぜ。おー。
 こちら120騎。舒栄軍5000。勝てるんですかそんなんで!? でも、こっちの120は全員空飛べるし、向こうは違う。それに何より景王がいる。麒麟が陽子に従うのを見れば、向こうの戦意はあっさり喪失するはずだ。
 延王は、自分が一番偉いんだって顔をしてろ、と陽子にアドバイスする。「文句があれば麒麟に言え」と思っておけばいいそうだ(笑)。
 道中、羅城に再会しました。ううーん。こちらが向かってるってことバレたかしら。
 あくまで舒栄を信じる羅城と再度の戦闘〜。
 しっつこーい(涙)。何とか勝ちましたけどもね…。
 とどめを刺そうとする延王を止める陽子。慈悲だけでは国は立ち行かないと諭す延王。さーどーする。
→羅城を逃がす
 原作にはないエピソードだけど、原作の陽子で行くなら、多分こうでしょ。
 羅城は最後まで陽子を偽王と罵ったまま逃げて行く。いつか判ってくれるといいんですけど…ね。

 荒れた慶の上空を飛ぶ。家も人も見当たらなくなった焦土。雁もまた、こんな焦土から今の繁栄を築いたと聞き、陽子は延王が名君だという楽俊の言葉を今更ながら納得している。
→このまま進む
 降りられるみたいですけど、今は原作通り。
 麦州候(唯一舒栄に抵抗している州候)に援軍頼んでみるかって? うーん。それもいいけど…い、今は原作通り。
→このまま進む

 いよいよ維竜〜。舒栄のいる州城です。
 …うわ。何か陽子を戦力に入れてますか延王様。
 ええー戦闘入るんですかー!? うわぁ。
 兵士3人なぎ倒していよいよ城へ。
 延王さま…御自ら囮になって下さったので、陽子は中に入って景麒を探す。
 でも、何だかやたらに広い。と思ったら、同じ場所をぐるぐる回っているっぽい。呪がかけてあるようだ。
 徽芒(キボウ)、と延王が呼ぶと、イタチみたいな妖魔が現れる。延麒の使令の1つを借りて来たそうで(…アニメ版では見覚えがあるけど、名前は初めて知った…原作にはいたっけ?)。妖魔にはこの類の呪が効かないので、探って来るようにと命じた。
 徽芒は探るどころか呪を解いて戻って来た。おお優秀。他の使令に比べて力は弱そうだけど頭はいいんだね。ただ見張りがいるそうですけど。ああもしかしてまた戦闘なのかしら…。
 戦闘でした…。兵士4人。何とか撃破ですー。
 更に奥に進む。いましたよ景麒。獣形だけど(余談ですが、ゲーム中で麒麟が獣形と人型と両方なれるって話は誰も説明してくれてなかったような…)。そしてそばにいたのは…舒栄。
 舒栄、本来王に選ばれるべきは姉ではなく自分だったのだと言い張っている。景麒は間違っていたのだと。その証拠に、6年で予王は死んだ。そして一族は貶められることになった。
 陽子は自分こそが正当な王だと名乗るが、舒栄は当然信じない。
 舒栄は景麒に刃を向けた。ならばこれで証明してやると。今ここで景麒を殺せば、本物の王はすぐ死ぬだろう。死んだ方こそが、本物だと。
 陽子がどうすればいいか焦っていると、そこに羅城が飛び込んで来た。舒栄を守るために来たのだと言って。しかし、舒栄が景麒に刃を向けているのを見て驚くが、これはニセモノへの証立てだと言う舒栄の言葉を羅城は信じた。
 ……またですか? ひょっとして。羅城と3度目の戦闘。あーもう。
 何とか戦闘終了しました。前回と強さ変わってないですね。
 戦闘後、突然水禺刀が光り出す。そこに映ったのは…舒栄。陽子が王であることを彼女は知っていた。そして、本当は半獣を禁軍に入れる気などないのに、羅城にその約束をしたのだということも、そこには映っていた。
 羅城の心が揺れた。何を信じていいのか判らなくなった羅城は、陽子に、自分に留めを刺すよう頼んで来た。
 …あくまでこのスタンスで。
→羅城を許す
 …もう戦わないで欲しいよー。頼むから…。
 陽子は羅城を憎めないと言った。彼は同胞のために必死だっただけだから。
 そして。舒栄を信じたように自分を信じてはくれないか、と。
 禁軍将軍なんて地位を約束は出来ないけど、半獣に対する規制の撤廃はきちんとするつもりでいる。
 元々、禁軍に入ろうとしたのも、被差別者である半獣の立場を改善したかったためではないのか? との言葉は図星だったようです。
 少しずつ差別のない国を作り上げて行くつもりだから、だから自分を信じて欲しい。陽子は彼を説得する。
 羅城は少しだけ陽子の言葉に耳を傾けてくれた。まだ陽子が何者かははっきりしていないけど。でも、もしそうなら…陽子が景王なら、民の望まない政をした時は必ず誅殺しに来る、と彼は言った。
 和解ですね、一応。
 ……でさ。景麒なんだけど。
 舒栄は水禺刀を寄越せと言って来た。陽子は言われるがままに水禺刀を手放して離れる。
 舒栄が水禺刀を拾う。それで陽子を切ろうとするが…無理です。剣が陽子の体を刺しても傷1つつけられない。延王の言った通り、陽子以外の人間が使っても何も切れないのが水禺刀。
 焦れた舒栄は。
 …うわ戦うのか、舒栄と!
 分裂しやがるー! で1人残るとまた分裂するー! キリないー! 今までの戦闘ヌルかったのにいきなり強いし。さすがラスボス(だよなきっと)。

 な、何とか勝ちました(ぜぇぜぇ。Lv.38だとツライです。とほほ)。
 延王も乗り込んで来ました。2人で景麒を引き渡すよう迫るのですが、舒栄は応じない。
 陽子は景麒の角を調べます。文字が刻み込まれている。どんな傷も癒える碧双珠をその文字に当ててみると、みるみる文字が消えて行く。
 それまで喋らなかった景麒が喋りました。延王が力を貸してくれたことを話すと、彼からもお礼を言っています。
 さすがの延の王師も苦戦していると聞いて、自分の使令である驃騎(ヒョウキ)重朔(ジュウサク)を呼び出し、延の王師に協力するよう命令する。言葉と共に使令も封じられていたらしい。
 再び陽子に頭を下げる景麒。「天命をもって主上にお迎えする」と。
 だが陽子は、予王が間違って選ばれたせいで6年で失道したと言う舒栄の言葉を思い出し、素直にそれを受け容れられない。
 麒麟は選び間違うことはないのか? と景麒に訊くと、そんなことはありえないと答える。そしてまた延王も、麒麟は自分の主以外には頭を「下げない」のではなく「下げられない」のだと解説してくれる。
 3度目の「天命をもって主上にお迎えする」。
 陽子はやっと「許す」と答える。自分の意志で。
 舒栄は泣き崩れる。自分を担ぎ出した者も同罪だと喚き散らしている。
 王を騙るのは大罪。斬首は磔と言う延王。だが陽子は「何とかならないでしょうか」。
 ここで彼女を許すようなことをしては民の人心を惑わせるだけだと延王。景麒は慈悲の生き物故に、積極的に処刑を支持したくない様子。
 陽子の決断は「幽閉」でした。表向きは処刑されたことにする。でもやはり殺したくはないと。
 延王は、そんなことばかりしていたら国が立ち行かないぞ、とチクリと釘を刺しつつも、そんな国も見てみたい、と呟いておいででした。

 麦州候・浩瀚(こうかん)の協力のもと、慶の王宮である金波宮(きんぱきゅう)に回っていた偽王軍は排除された模様。
 陽子は、自分のせいでたくさんの人が死んだことに心を痛めている。
 延麒もまた、説得がもっと功を奏していれば本格的な衝突は避けられたのに…と謝罪してくれた。
 金波宮は戦場となってしまったので、血に弱い景麒はとてもじゃないけど帰れる状態ではないので、まだ暫く玄英宮に滞在しなきゃならないようです。
 で、陽子はと言えば。
 …今更日本に帰りたいとか言い出しますかこの子は。
 こちらに来る覚悟もなく連れて来られて、残して来た心残りがあまりに多過ぎる。景麒を取り戻さなければと思っていたからこそ、玉座に就く覚悟もしていたけれど、でもこうして落ち着いてしまうと…また帰りたいという気持ちが頭をもたげて来た。
 じっくり考えろ、と延王に言われて部屋に戻る。
 (どんどん原作から離れてくなあ。何処行くんだろう、これ。)

 雲海の見えるテラスで楽俊(ねずみモード)と再会。
 楽俊に、日本に帰ろうかと迷っていることを話す。慶の国は確かに荒れてはいるけど、でもその国土が「王がいるから」どうにかなるものだという実感が陽子には持てない。
 楽俊は、国が荒れるのも辛いし、陽子に会えなくなるのも辛い、と言う。
 陽子は考え直してみることを約束する。
 それから、楽俊の方は少学に入れて貰えるの? と尋ねると、楽俊は言葉を濁す。てっきりダメだったのかと思いきや…。つい口が滑って「大学に入りたい」って言ってしまったそうです(笑)。延王は、景王を関弓に送って来た褒美として大学入学を許可してくれたそうだ。
 良かったねえ。
 最後にもう1度、楽俊は「こちらに残って欲しいと思っている」と念を押して去って行きました。
 (何か微妙に恋愛モード入ってるなあ…。原作では2人は全くこんな関係じゃないんだけど…。)

 うお。羅城が来た。ってか陽子を「主上」って呼んでる!?
 謝罪しに来たんですね。律儀なヤツ。しばらく旅に出るつもりのようです。自分はもっと広い世界を知るべきなのだと思っている、と。
 わだかまりは解けてくれたようですね。陽子が半獣差別を撤廃したいと言った言葉を覚えていてくれて、慶から逃げ出した同志たちにその言葉を伝えて回りたいと言っています。な、なんか一変して物凄い期待をかけられているような…(苦笑)。
 彼が去った後、陽子は考える。羅城だけじゃなく、慶の民がみんな、景王に対して何かしらの「期待」を抱いている。自分の手には余るのではないか。そんな思いがどうしても抜けない。

 金波宮にようやく戻って来ました。
 自分を王にするために、たくさんの犠牲が払われたことを忘れないようにしなければ、と思っている。その犠牲こそが王への期待であり重圧で、そこから逃れることはもう出来ないのだから。
 陽子は王宮内部に舒栄の墓を作らせた。彼女は仙籍に入っているので(…そうなの?? 原作では触れてなかったと思うけど…)、死ぬことはない。そして陽子が倒れたら、また彼女が台頭しないとも限らない。彼女を覚えておくことで自らの戒めとするためだという。
 …お客様だとそうです。って延主従ですか?
 しょっちゅう来てるけど、いつ政治をしているんだろう、と陽子は不思議に思ってます(笑)。
 景麒曰く、延の官僚は優秀らしいので。で、陽子が前に聞いた所によれば、王はなめられてるぐらいがちょうどいいものらしい。「適当に」と彼は言うけど、それが一番難しい…。確かに。
 延王に会いに向かう所でゲームは終了する。静かなエンディングだなあ…。

 慶史赤書(慶の歴史書)がスクロールする。
 …途中までは原作通りなんですけど、どうやら陽子は「政に遠く」、「民の人心惑う」状態であるようです。おや。(このゲーム的には)あまりいい王にはなれなかったらしい。むむ。
 まだ日本に帰りたいと泣き言言いまくってんのかなあ。「重圧から逃げる訳には行かないから」と消極的な言葉と一緒に金波宮に来ちゃったし。
 ちなみに、戦闘能力系とは別に「王気」というパラメータがこのゲームにはあるんですが(冷徹・勇気・慈悲の三角形)、それは「慈悲」だけが突出している状態でしたね…。
 最後の慶史赤書で「立派な王じゃんイエー」と言われるには(…そんな書き方しません…)どうすりゃいいんだろう。原作の陽子ならそうすると思って、慈悲深き王様続けてみたんだけど、それじゃダメなんすか? ううーん。
 …今思ったけど、慈悲だけでは国は回らない、というのを、ゲーム中の延王様がしっつこくお話になるのって、原作の世界観もだけどゲーム的なヒントでもあったのか、ひょっとして。このまま慈悲パラメータだけ上がってるといい王にはなれないという…。
 んー。いつかは色々と冷徹になってみることにしよう。うん。

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