韓国の絵本・民話(2)

韓国の絵本・民話のレビュー第2弾です。(05/05/29)

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イ オクベ 文/絵
みせ けい 訳
ソリちゃんのチュソク

ソリちゃん家族は、チュソクのため里帰りします。
でも、道路は大渋滞で、なかなか先へ進みません。
やっと到着すると、懐かしいハルモニ(おばあさん)が出迎えてくれました。

チュソクとは、日本でいうお盆です。
韓国の習慣や風習も、日本とよく似ていて興味深いです。
現実的な都会に比べ、時間が止まったような印象を受ける田舎の描写が素晴らしく、読後は郷愁を覚えてしまう方も多いでしょう。

セーラー出版 40ページ かな

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クォン ジョンセン 文
チョン スンガク 絵
ピョン キジャ 訳
こいぬのうんち

飼い犬の子犬が、石垣のすみにうんちをしました。
うんちは、すずめに汚いと言われて、メソメソしていました。
その様子を見ていた、つちくれは、こいぬのうんちに話しかけます。

うんちが登場するものがたりは、「さるかに合戦」など、いろいろありますが、 この絵本の「うんち」は、まさにアカデミー賞級の名演技です。
生理的にダメなかたもいると思いますが、「うんち」でなければ成立しない物語なので、ぜひ読んでみてください。

平凡社 32ページ かな

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ヒョン ドンヨム 文
イ オクベ 絵
おおたけ きよみ 訳
蚊とうし

牛小屋でヒヨコが、かいばおけからエサをつまみ食いしました。
それを見たハエは自分もあやかろうと、牛の血を吸ったところ、しっぽではたき落とされてしまいました。
大怪我したハエは、一部始終を蚊に話すのでした。

読んでいてかゆくなってくる絵本です。
蚊の運命って、つくづく可哀想だと思いました。

アートン 32ページ 漢

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イ サンベ 文
キム ドンソン 絵
かみや にじ 訳
あまのじゃくなかえる

あまがえるの母子がいました。
あまがえるの子供は、あまのじゃくで、言いつけとは逆のことをして、お母さんを困らせていました。

とても可哀想な、親不幸な絵本です。
ダークな緑の色彩が、いっそう哀れさを引きたてます。
まつげのある母さんがえるが、人間じみていて気の毒になります。

おまけとして巻末に、ハングル語版も付いています。

少年写真新聞社 40ページ 漢

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チョン ハソプ 文
ハン ビョンホ 絵
おおたけ きよみ 訳
ヘチとかいぶつ

太陽の神ヘチは、正義のツノでこの世の悪をこらしめていました。
地の国の怪物4兄弟は、いつも悪さをしていましたが、ヘチにやられてばかりいました。
ある日、4兄弟はヘチの力の源である太陽を盗もうとします。

4兄弟も、悪役ながらコミカルで憎めない顔をしています。

アートン 36ページ 漢

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イ ホベク 作
黒田 福美 訳
うさぎのおるすばん

飼い主がお出かけで、うさぎはベランダでおるすばんをしています。
窓ガラスのカギがかかっていません。 どうも飼い主がかけ忘れたようです。
うさぎは家の中に入ってみました。

留守宅で娯楽を満喫するうさぎを見ると、自分も子供の頃、一人で留守番したときに、妙に開放的な気持ちになれて楽しかったことを思い出しました。
それにしても韓国の絵本って、「うんち」が出てくるものが多いです。

平凡社 32ページ かな

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チョ ホサン 文
ユン ミスク 絵
おおたけ きよみ 訳
あずきがゆばあさんとトラ

ある山里のあずき畑で、おばあさんが働いていると、トラが現われ、おばあさんを食べようとしました。
おばあさんは、あずきを収穫して、あずきがゆを食べるまで待ってくれるようにと、トラに懇願しました。

日本の有名な昔話にそっくりです。
ただし、こちらはメンバーがちょっと多く、仕上げに念が入っています。
子供のらくがきのような絵です。

アートン 30ページ 漢

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クォン ジョンセン 文
チョン スンガク 絵
ピョン キジャ 訳
あなぐまさんちのはなばたけ

突然のつむじ風で、あなぐまのおばさんは、はるか遠くの町の市場まで飛ばされてしまいます。
そこから、帰る途中、学校の中にきれいな花が咲さいてるのをみかけ、胸を躍らせます。

つむじ風と花畑の関連性がいまいちわかりませんが、ちょっととぼけた感じが愉快な絵本です。

平凡社 32ページ かな

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パク ウニョン 文/絵
おおたけ きよみ 訳
あかいきしゃ

ハングル語のあいうえおの絵本です。
語句の発音と日本語訳が併記されていて、ハングル語のしくみがちょっと学べます。
絵本としてのストーリーは、汽車の進行にあわせて展開していきます。

アートン 36ページ

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