時間経過とともに空の色を見てきますと、4月下旬か〜5月上旬では日没後約40分〜50分頃の撮影が夜景らしく、夕日の残光も美しく撮影できることがわかります。さらに夕日の残光を美しく撮影したいのであれば、雨上がりの晴天の日、空気中の塵や埃が雨で落とされた後、西の空に雲がない時をねらって撮影すると良いでしょう。下の写真のように西の空が赤々と染まって写ります。
港の夜景なら船の軌跡を長時間露光で光の線として写すことで、夜景の写真にアクセントをつけることができます。
陸上での夜景なら車のヘッドライトやテールランプを写すことで、下の写真ように光の道路を表現できます。
そのほか、クロスフィルターを使うと、夜景を派手に演出することが出来ます。下の写真は1989年7月、函館にて、スノークロスフィルターを使用して撮影した例です。このような街の夜景を撮影する場合は、道路を走る車も多く、家庭の明かりも多い時間、午後8時前後に撮影すると良いでしょう。
撮影条件は空の明るさにより変えた方がよいので、一概に絞りはいくつで、露出時間は何秒がよいとは言えません。筆者は、夜景の撮影ではカメラの露出計を参考にしながら、絞りF8、露光時間30秒程度を基準に、露光時間を変えながら3カット程度撮影するようにしています。また、上記の夕日の残光が鮮やかな時間帯や空の色、明るさに関しては、季節・緯度・地形により異なります。夏至に近い時期ほど、緯度が高いほど夕日の残光は遅くの時間まで残ります。皆さんがお住まいの地域、撮影する場所の違いを考慮し、時間に余裕を持って撮影に臨みましょう。
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