●『新ゲッターロボ』Vol.5

DVD Vol.5

●第9話『地獄変』

冒頭、裏平安京から帰って来たゲッターチームに要塞化された早乙女研からミサイルが全弾一斉発射。
ゲッターの影がちらと見えたのにも関わらずミチルさんが「全弾斉射。」と言うシーンにせっかく「おお」と思ったのに、なんだ単なる勘違いでしたか。
ソコから話を広げてくれればよかったのに。
ソレ以外は原作『真ゲッター』の竜馬が夢の中(無意識下?)でゲッター聖ドラゴンと出会う回の話のパクリ。
だからパクリって言うな〜(笑)。
ゲッターのアニメなんだから。
それにしてもセル画アニメ(今はもう「セル画」じゃないですが。CG着彩だし。)でスプラッタおぼしきシーンはイマイチドロドロな感じがしないですね。
例えば映画『AKIRA』のラストで鉄男が膨張するシーンとかもそうだったし。
どうも軽々しく見える。
かといって3DCGや特撮でやられても、どんなにリアルに作ったとしても何故かウソっぽく見えてしまうんですが。
やっぱ白黒のマンガだからこそ、尚且つこれでもかと描き込まれた石川賢氏の作画だからこそ、想像を掻き立てる部分がそれを凌駕してくれるんだろうな〜。

●第10話『ひとり狼』

今回は凄いです。何がって背景画が。
舞台が新宿なんですが、そこで敵の巨大鬼があばれまくります。
そこでゲッターが防衛に出ると。
ちなみに今までは早乙女研が僻地にあったのでそこに向かって巨大鬼が攻めてくるため都市戦はありませんでした。
んで、その新宿戦の描き方がイイ。
正確には新宿の破壊のされかたがとてもイイです。
リアルに描き込まれた背景画とそれを壊す演出が合ってます。
さらには通行している人間の頭上で巨大ロボが戦っているコトでの巻き込まれ感が上手いです。
そんなワケで今回の主役はゲッターでも巨大鬼でもなく新宿でした。

●Vol.5総括

裏平安京から帰って来たら3年の時が流れてたってコトの視覚表現のタメ、ショートヘアだったミチルさんが9話からロングヘアになってますが、このアニメのミチルさんはロングの方がイイ感じですね。
声優さん的にもミチルさん役と早乙女博士役の人は『ゲッター』を知らなかったらしいですが、それが良い方に出てるのではないかと。
竜馬の人なんか竜馬にこなれ過ぎてて新鮮味には欠ける気もしますし。
あ、キライではないですよ。合ってるとは思います。

この『新ゲッター』では、ゲッター線は未知の無限のエネルギーってコトなだけで特別な「何か」があるらしいっていう「謎」を鍵に展開して行くという描かれ方なワケですが、ソコんとこがちゃんと投げ出されずに謎解きを済ませて終わって欲しいですね。
かといって「進化を促すエネルギーだったのか!」とかいうオチにされた日には激怒しますケド。
それなら(演出的に)隠す必要無いじゃん!
劇中のキャラ達には知らないコトかも知れないケド、観てるコッチはみんな知ってますから(笑)。
その「進化を促す」って要素は入っててもいいケド(『ゲッター』の基本なんで。)、それに加えた、観てるこっちが「おお!」と思えるセンスオブワンダーを見せつけてもらいたいモノです。
そしたら絶賛してあげてもいいですケドねー。(←原作絶対主義者なので高飛車な物言い(笑)。)
もちろん「進化を兵器として使ったのか!」もダメね(笑)。

原作ファンとして、及第点は十二分にあげられるこの作品をそれ以上の評価、原作とは違いコレはコレで凄くイイ!!
と原作から100%切り離して評価出来ない部分って「それなり」だからなんですよね。
部分部分では「おっ」と思えるトコロはあるのに全編を通して突き抜けて凄い!と思わせるべき部分が結局原作におんぶにだっこな感じが。
少なくても「良い」と思わせてくれているんだから「凄い」と言わせて欲しいです。
あともう少し、次回を心の底からワクワクして待ち望めるようなドライブ感があれば名作! と言ってあげられるのに。
9話の感想に書いた「ミチル(の指揮する早乙女研)対ゲッター」なんて場合によっては予定してた本筋を変えてしまえる程、膨らませられるエピソードだと思うんだけどな〜。
ゲッターを作ったハズの早乙女が何故ゲッターを壊そうとするのか!? とか。
原作に縛られない形で進んで来てるのに、原作を頼る必要はないじゃん。

以上2004年12月19日

3-6-5.新ゲッターロボ(PPV)