●『新ゲッターロボ』Vol.6

DVD Vol.6

●第11話『かくて神風は吹く』

前回から引いた冒頭の竜馬がバイクに乗ってるシーンは、前回も思ったケド、バイクに乗る竜馬のポーズがなんかちょっとしょぼく見える。
乗ってるバイクが小さく見えるんだよな〜。それともパクったバイクは50ccだったとか?(笑)
阿部晴明の最後の最後はちょっと良かったです。
今回のアニメシリーズではハヤト並にキツイ性格のミチルさんですが、それでもなんだかハヤトと仲良くね?
この2人がくっ付いたら凄いカップルになりそうですね。
一緒の食卓にはつきたくないって感じ(笑)。
ゲッターのパワーのあまりの強大さにゲッターの破壊を決意する武蔵坊とタイマンを張る竜馬ですが、空中蹴りはもうちょっとリアル格闘的にちゃんと描いて欲しかった。とか言い出すのは細か過ぎですかね?
逆に武蔵坊の大雪山おろしは奥義でも何でもなく単に力まかせに投げただけだった。ってのは好き。
一度はゲッターを降りた竜馬が再びゲッターに乗る理由を「『ゲッター』に勝つために!」としたのはちょっとイイかも。
ゲッター線を含めた「ゲッター」という存在そのものに勝つ竜馬。ってのは見てみたいです。

●第12話『天と地と』

前回では原作『真ゲッター』でのゴールとブライの役所が達人ですかー。と思ったら、ラスボスは『虚無戦記』からの四聖天ですか〜。
そこら辺が石川賢作品からネタ持って来まくりという、このアニメ自体の底の浅さを感じさせてしまうコトになるのにな〜。という点以外は良かったです。
四聖天もいざ動き始めると全然イヤさは感じませんでした。
話数の関係上仕方無いかも知れませんが、ココいらラスト前で絶望するくらいの敵の大群の襲来って絵も欲しかったですね。
四聖天、弱くはないんだケド視覚的にそこまで絶望的に強いか? って感じがちょっとダケしました。
あと、このアニメのミチルさんはとてもイイですね。
かなり好きです。

●第13話『竜馬がいく』

最終回はやっぱ流石にイイです。
二転三転する戦闘の優勢の推移のテンポの良さといい、画力といい、文句無しです。
と、エンドロール見てたら作画スタッフに『キカイダー』の紺野直幸の名前や山下将仁の名前があった。
山下将仁って懐かしい〜。
敵が強いケド弱いケド強いトコがイイ。いやほらゲッタ−もソレ以上に強くなってるワケだし。
広目天(『虚無戦記』では猿羅神)がイイです。
成長物語こそ少年マンガの花。とは言いますが、そーゆー意味ではちゃんとゲッターチームの友情の成長も描けてますしね。
「アバヨ、ダチ公!!」のセリフが効いてます。
原作『ゲッター』にはイカシたセリフってのが多々あって、上記の「アバヨ、ダチ公!!」もそうですが、『スパロボ』でのせいで有名になりすぎた「きさまにも味合わせてやる……ゲッターの恐ろしさをな〜〜!!」とか色々。
使う側(アニメとか作る側)にしてみれば、ぜひとも使いたい。と思うのは当然ですが、使い方を間違えばそのセリフだけみょーに浮いちゃうもの。
が、この『新ゲッター』ではそこら辺ちゃんと上手く、状況に合わせて言い回しを微妙に変えてたりして不自然無くハメ込まれてました。
最終的に「ゲッター線とは何か。」に明確な答えが出ないままでしたが、コレはコレでいいんじゃないかと。
下手に「進化をうながすエネルギー」とか「進化を兵器として使う」とか言われても興醒めだしね。
「傀儡(くぐつ)に魂を入れてはならぬ。」で充分だと。
なんてったって、石川賢氏だってまだ「ゲッター線とは何なのか?」って言ってるくらいなワケだし(笑)。
やっぱ一番ゲッター線に取り込まれているのは竜馬や早乙女博士ではなく、賢先生ご自身なのでは?(笑)

●全話総括

さて、全話を観終わっての総評。

石川賢マンガのプロモーションには現時点で最高の作品。
以上です。
単純に面白かったですね。

絵もキレイだし、動きも派手だし、各石川作品のテイストをふんだんに取り込んでいるし、そしてソレを引っかかるコトなくさらりとまとめているので。
印象としてはプロ仕事。って感じ。
及第点以上のモノは十二分にあります。
ただ、一点において残念なのは何度も言ってるケド、ポイントになる部分があまりにも石川作品からの引用が多いのでアニメ『新ゲッター』の独自の何か。って部分がちょっと弱い気が。
音楽で言えば既存の音楽のメロディからサンプリングしまくって作るハウス系やヒップホップ系みたいなモノか?
ソレはソレで別にイイんだケド、単純にそーゆーモノが好みでは無いんですよ。オレは。
なので諸手を挙げて好評価し切れない部分がソコ。
逆に言えば、その引用したモノ達の組み込み方ってのはとても上手い作りになってます。
プロ仕事って言うのはそういう意味ね。
なのでもしかしたらこのアニメを純粋に評価出来るのは、石川賢作品をあまり知らない人なのかも知れません。
オレみたいなのだと、元ネタがわかっちゃい過ぎるのでソコで萎えてしまう部分が出て来てしまうので。

最終回が投げっぱなしだとか言われているみたいですが、いや? オレにはちゃんと終わってるように見えましたよ。
まぁ、『新ゲッターロボ「2」』に続いてもいいような感じではありましたが。
むしろぜひとも作って欲しいですね。
そしたら石川原作に引きずられない、アニメオリジナルな展開になってくれるような気がするし。
……いや? そしたら結局『ゲッターロボ アーク』からネタ持って来ちゃうのか?(笑)

まとめとしては「武蔵坊弁慶」がちゃんと竜馬や隼人に負けないキャラとして立っていたとか、評価出きる点も多々ありますし、必要以上に凶悪な竜馬や、お前ちょっと人としてヤバくない?って隼人が見たい人には文句無くオススメです。
てかコレ観てぜひ石川ワールドに足を踏み入れてください。って感じですね。

それにしても、こーゆーアニメを子供が観れる時間帯、なお且つ地上波でやってくれないモノかね〜。
子供にはこーゆー骨っぽいロボットアニメを見せて育てなきゃダメですよ。
美少女系ロボットアニメばっかの昨今じゃヘタレな子供しか育ちませんて。

以上2005年1月9日

3-6-6.新ゲッターロボ(PPV)