◎8月5日(水)(5日目)
デナリ国立公園
●幻のマッキンリー山
いよいよマッキンリー山を見るためのツアーに参加。ツアーのスタートは10時。生憎、天気は曇りときどき雨。マッキンリー山を拝める確率は非常に低い。
10時にバスはビジターセンターを出発。目的地のアイルソン・ビジターセンターを往復すると8時間もかかる。バスはスクールバスを改造したもので、あまり乗り心地はよくない。しかし、一般の車両の公園内乗り入れは禁じられているため、他に方法はない。
最初の数10キロの舗装路を経て、残りはすべて未舗装。全行程66マイルを往復。走り始めて30分程度で、乗客が「ムース」と叫んだ。バスが止まり、ふと見ると、ムースの親子が仲良く水を飲んでいる。バスからは、わずか20メートルの近さである。
またしばらく走ると、今度は「ベアー」の叫び声。期待していたグリズリーベアが2頭はるか100メートル先にみえる。その後、雷鳥、カリブー、ドールシープ、白頭ワシ、北極地リスと、ガイドブックにでてくるすべての動物に出会うことができた。

約4時間のバス旅行の末、折り返し地点のアイルソン・ビジターセンターに到着。天気がよければ、かの植村直巳氏を飲み込んだマッキンリー山が正面にのぞめるはずであったが、残念ながら、雲に阻まれて、その勇姿を拝むことができなかった。8月にマッキンリー山がまともに見られるのは、わずか4〜5日とのことであり、仕方なしと諦めざるを得ない。
帰りのバスでも、グリズリーやカリブーに出会うことが出来、特に子供たちにとっては大変収穫のあった1日であった。また、いつか来る機会があれば、バックカントリーキャンピングをして、マッキンリーが拝めるまで待っていたい。

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