旅ノート トルコ東部の旅(2002年4月28日〜5月7日)
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◎旅の日程◎ |
1.成田 〜 イスタンブール〜ガジアンテップ |
2.ガジアンテップ 〜 キャフタ |
3.キャフタ 〜 ネムルート山 〜 ヴァン |
4.ヴァン滞在 |
5.ヴァン 〜ドゥバヤズィット |
6.ドゥバヤズィット 〜カルス |
7.カルス 〜 エルズルム |
8.エルズルム 〜 スメラ 〜 トラブゾン |
9.トラブゾン〜 イスタンブール |
10.〜成田 |
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1日目 (成田 〜 イスタンブール 〜 ガズィアンテップ) |
トルコ航空
成田からイスタンブールへはトルコ航空の直行便で約12時間。イスタンブールで約2時間半待ってから国内線で2時間弱でガジアンテップに到着。ホテルに着いたのは深夜12時をまわっていました。出発前にひいた風邪が悪化して旅行中マスクをするハメになり、トルコの子供たちに怪しまれることに...(トルコの人って風邪ひいてもマスクはしないそうです)
2日目 (ガズィアンテップ 〜 ウルファ 〜 ハラン 〜 キャフタ) |
ウルファ
ユーフラテス川を渡って、イスラム教徒の聖地・ウルファに向かいました。ここには預言者イブラヒムが生まれたといわれる洞窟があり、伝説の聖なる魚の池などとともに、公園のようになっていてイスラム教徒で賑わっていました。伝説では、神への信仰を説くイブラヒムを領主ネムルートが許さず火あぶりの刑にしたところ、薪が魚に火が水に変わって、この聖なる魚の池ができたといわれています。うじゃうじゃと黒い塊となって餌を奪い合う姿は、とても聖なる魚とは思えなかったけど...
ハラン遺跡
ウルファから南下してシリア国境に近いハラン遺跡を訪ねました。750年頃建てられた広大なモスクの跡や、トンガリ屋根が特徴的な伝統的住居があります。日干しレンガでできたトンガリ屋根の家には今も住んでいる人がいます。3人の奥さんがいるというハリムさんの家を訪問しました。
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ハラン遺跡 |
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ハランの民家にて |
3日目 (キャフタ 〜 ネムルート山 〜 ヴァン) |
ネムルート山の日の出
朝の4時にホテルを出発し、ネムルート山の日の出見物に出かけました。「寒いから毛布を持っていっていいですよ」などと言われていたので、すっごく寒いのかと思ったら、山に登っているうちに汗ばむくらいでした。ネムルート山の頂上の遺跡は、東のテラスと西のテラスに巨大な石像が並んでいて、日の出のときは東側の石像が朝日に赤く染まります。4月だったので、山にはまだ雪が残っていて、西側の石像は雪の中から顔を出していました。
シルヴァン
昼食は観光客がほとんど訪れないシルヴァンという町でとることになりました。ここは保守的な町で、歩いているのは男性ばかり。カメラの前に集まった子どもたちの中には、ピカチュウの絵がかかれた服を着ている子がいました。そういえば、2年前に来たときはテレビで「ポケモン」をやっていたなぁ。今回面白かった番組は、クイズ・ミリオネもどきでした。クイズの形式も音楽も、みのもんたのような含み笑いをする司会者も、何もかもそっくりで笑えました。
旧シルクロード
今日は東に向かってひたすら移動です。でも、この道は旧シルクロードだったところで、車窓からの景色も見逃せません。キャラヴァンサライ(隊商宿)跡に、偶然ひつじの群れが通りがかり、さらに空には虹まで現れて、古の幻想の世界を見ているようでした。
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シルヴァンにて |
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キャラヴァン・サライと虹 |
4日目 (ヴァン 〜 ヴァン湖・アクダマル島 〜 ヴァン) |
ヴァン湖
トルコ最大の湖で世界でも6番目に大きい湖です。ボートに乗ってアルメニア教会のあるアクダマル島に向かいました。10世紀にガギク一世によって造られたアルメニア教会は、「聖なる十字架の教会」といい、1916年まで使われていました。外壁には旧約聖書をモチーフにした細かいレリーフが、内部にフレスコ画が残っています。
ヴァン城跡
午後からヴァン市内に戻ってヴァン城跡に登りました。ヴァン城は紀元前855年、ウラルトゥ王国のサルドゥル一世によって造られたもので、城内にはアッシリア語の楔形文字の碑文も残っていました。頂上からの眺めは絶景で、モスクだけが残り他は緑の草原のようになっている町の跡やヴァン湖、雪を被った山々などが一望できます。
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ヴァン城跡 |
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ヴァン城跡からのパノラマ |
ドウバヤズィットへ
ヴァンから北上してドウバヤズィットへ向かう道は、東トルコの豊かな自然を感じます。小さいけど迫力のあるムラーディエの滝、標高2,644mのティンドレキ峠は、溶岩がごろごろ顔を出している雪景色でした。峠を越えるとアララット山のパノラマが見えるはずだったのに、雲におおわれてうっすらと見えただけでした。
アララット山
目の前にアララット山を望めるホテルで昼食をとっていると、だんだんアララット山にかかっていた雲が切れはじめ、その勇姿を現わしました。ごはんもそこそこにホテルの前に出て行くと、ちょうど羊の群れが放牧されていました。アララット山は5,165mですが、ドウバヤズィットの標高が高いので、ちょうど富士山のように見えます。右の方には小アララット山がありますが、こちらは3,925m、富士山よりも高いのに小さく見えます。
イサク・パシャ宮殿
1789年、クルド系ナルドロール王朝時に完成した、イサク・パシャ(将軍)の居城です。当時はキャラバン隊の中継地で、絹織物・手工芸品・陶磁器などの交易で繁栄しました。広さは7,600平方メートル、部屋数は336で、そのうちハーレムは24、5人の女性が居たそうです。
ノアの箱船?
ドウバヤズィットの郊外の山の中腹に、舟のような形に隆起した土地があり、ノアの箱船の跡ではないかといわれている場所があります。いろいろ研究されているようですが、まだ科学的な根拠は認められていません。大きさは164×41m。
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ノアの箱船? |
アニの遺跡
アニの遺跡はアルメニアとの国境にあり、アルパチャイ川を挟んですぐ向こうはアルメニアです。以前は写真撮影可だったのですが、アルメニアの方にカメラを向ける人が多いので禁止されてしまったそうです。でも、国境の川岸に建っている教会や橋の遺跡は、趣があって誰でも写真を撮りたくなっちゃう気持ちはとても分かります。
アニの遺跡は、9〜11世紀アルメニア民族王朝時代のもので、アルメニア教会の建物が幾つか残っていますが、セルジューク期に造られたトルコ人が建てた最古のモスクもあります。アルメニア教会の中には、ヴァン湖のアクダマル島の教会を造ったガギク一世が完成させた大聖堂もあり、フレスコ画やレリーフも残っています。
エルズルムの町
特徴的なイスラム神学校があり、中央アジア的なイスラムの強い町ですが、町の中心部は人通りも多く都会的な感じでした。この日の宿泊は町を見渡す山の上の高級スキーリゾート。あったかいハマムもあるし、スキーでも来たい!と思ったいたら翌朝ほんとに雪が降ってまさにスキー場そのものに...
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エルズルムの裏通りにて |
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エルズルムの裏通りにて |
ウチュ・キュンベット
13世紀に造られたセルジューク時代の3人の王の墓です。運悪く鍵がかかっていて入れなかったので、柵の外から見ただけでした。トルコのカイセリや西イランでも同じような墓を見たのを思い出します。
チフテ・ミナール神学校
2本のミナレットという意味の神学校で、1253年、セルジューク時代に造られたものです。ミナレットには細かいブルーのタイルがあしらわれていて、正門のファザードも細かくて見事なレリーフが施されています。
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ウチュ・キュンベット |
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チフテ・ミナール神学校 |
ヤクティエ・神学校
1310年に建てられた神学校で、青タイルの幾何学模様のミナレットが印象的です。入口にはセルジュークトルコのシンボル、双頭の鷲のレリーフがあります。レンガと青タイルの組み合わせのイスラム模様は、トルコの西の方よりも西イランや中央アジアの建物によく見られます。
8日目 (エルズルム 〜 スメラ僧院 〜 トラブゾン) |
スメラ僧院
朝出発してから峠をいくつも越え、黒海沿岸地方に入ると針葉樹が増え緑の多い景色に変わりました。スメラ僧院は、そのような緑深い山の中腹の断崖にへばりつくように建っています。紀元380年に2人のギリシャ修道士によって建てられてから、メフメット二世の時代も保護され、20世紀まで僧院であり続けました。内部にはたくさんのフレスコ画がありましたが、ちょっと傷みが気になりました。
トラブゾン
今朝、雪が降っていたエルズルムに居たとは思えないほど、トラブゾンの町は温暖な気候でした。到着後、黒海が見えるところにあるアヤソフィアを見学しました。イスタンブールのものと同様に、ビザンツ教会だった建物をモスクとして使っていたものですが、モスクの時代フレスコ画は破壊されず塗りつぶされていたので、スメラ僧院よりも奇麗にフレスコ画がを見る事ができました。
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アヤソフィア |
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アヤソフィアのフレスコ画 |
9・10日目 (トラブゾン 〜 イスタンブール 〜 成田) |
イスタンブールは空港で
トラブゾンを朝の便で出発し、イスタンブールには午前中に着きました。成田への便は夕方5:30なので、他のみんなは日程には無かったイスタンブールの観光に繰り出していきました。いつもならこんなときは真っ先に歩き回るのに、咳で喋れないほど風邪が悪化してしまったので、泣く泣く空港で待つ身となりました。
●参考にさせていただいたもの●
旅の記録(ユーラシア旅行社 添乗員さん)
地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地(ダイヤモンド社)
JTBのポケットガイド・トルコ(JTB)
コンマゲネ ネムート(現地で購入)
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