秘境の旅 写真館
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旅ノート 中パ国境越えの旅(1998年7月13日〜7月26日)

◎旅の日程◎
1.成田 〜 北京
2.北京 〜 ウルムチ
3.ウルムチ 〜 カシュガル
4.カシュガル滞在
5.カシュガル 〜 タシュクルガン
6.タシュクルガン 〜 (国境越え) 〜 フンザ
7.フンザ滞在
8.フンザ 〜 ギルギット
9.ギルギット 〜 ベシャム
10.ベシャム 〜 サイドシャリフ
11.サイドシャリフ 〜 ペシャワール
12.ペシャワール滞在
13.ペシャワール 〜 イスラマバード
14.イスラマバード 〜 成田



1日目 (成田 〜 北京)

パキスタン航空
アッラーへの”お祈り”の後にパキスタン航空853便は飛び立ちました。いつもながら狭い座席ですが、北京までなら我慢できました。

2日目 (北京 〜 ウルムチ)

北京の観光
ウルムチに向かう便が夕方だったので、天安門広場や故宮などを観光しました。8年ぶりの北京ですが、今回はまだここはトランジットの気分です。残念だったのは、美術館に行くといって、着くといきなり土産物屋だったり、食事中にレストランの人が土産物売りに変身したりして、あまりにツーリスティックになっていたことです。

3日目 (ウルムチ 〜 カシュガル)

ウルムチの町
新疆ウイグル自治区の区都ウルムチは、シルクロードのイメージとは異なり、ビルの林立する大都会で、小奇麗なデパートもありました。それでもバザールは昔の面影を残していました。ハミ瓜やライチ、乾燥無花果など、いかにもこの地方らしい果物や、ケバブの屋台などが並んでいました。

新疆航空
カシュガルへは夕方6時半頃の便で向かいました。でも昼間のような明るさです。新彊は中国の西の端にあるのに、北京時間を使っているので夜は9時くらいまで明るいのです。この便は天山山脈の上空を横切って飛ぶので、氷河がばっちり間近に見えて大興奮でした。

ウルムチのバザール 天山山脈上空


中国人親子
飛行機で隣の席に中国人の親子が座っていました。機内で食べようと思って持ち込んだらしい、きゅうりや桃を私にも分けてくれたので、こちらもバザールで買ったライチをおすそ分けしたり、その後も筆談などで盛り上がり、現地の人の優しさにふれた楽しいひとときでした。

4日目 (カシュガル滞在)

カシュガルの街歩き
カシュガルのシンボル、エイティガールモスクの左側の通りを入って行くと職人街といわれるバザールです。楽器などの土産物もありますが、生活用品が中心です。道路にはロバ車が行き交い、ハミ瓜や野菜の屋台も出ていてシルクロードらしい雰囲気です。真夏の茹だるような暑さの中、カシュガルの街歩きをするには、屋台で切り売りしているハミ瓜が喉を潤すのに最適です。

カシュガルの街角で(写真館@) カシュガルの路地裏(写真館A)


エイティガール・モスク
中国で最大規模のモスクといわれる割には、装飾も少なく素朴な感じがしました。モスク前の広場で写真を撮ろうとしていたら、現地の人がたくさん集まってきましたが、イスラムの町だけあって男の人ばかりでした。

香妃墓
緑のタイルで飾られたいかにもイスラムらしい建築物なので、ここに来るのを楽しみにしていました。がっ、ビデオ撮影料が100元(約1700円)と聞いてショックを受けました。こんなにのどかな町なのに、そんなにボろうとするなんて...

エイティガール・モスク 香妃墓


5日目 (カシュガル 〜 タシュクルガン)

パミール越え
カシュガルを出発するとまもなく、遥か彼方に雪山が見えてきました。いよいよパミール高原の始まりです。川沿いに山間の道をどんどん登っていきます。途中の山々は、赤褐色の岩山だったり、白っぽい砂山だったり、そして雪山へと表情を変えていき目が離せません。

カラクリ湖
カシュガルを出てから7時間くらいたって、ようやく正面にムスターグアタ山(7546m)が、どっしりとした姿を現します。すると間もなくエメラルド色のカラクリ湖が見えてきました。でも、バスは湖から随分はなれた所に止まったので、よく見えません。最近、入場料を取るようになったので、それをボイコットするためなのだそうです。それにしても、こんな山奥まで商業化されてしまうなんて...

カラクリ湖とムスターグ・アタ山(写真館B) ムスターグ・アタ山


石頭城
カラクリ湖の後、スバシ峠(4200m)を越えてタシュクルガン(3100m)まで下ります。タシュクルガンとは「石の城」という意味で、その名の由来になった石頭城が町のはずれに建っています。300年前から廃虚になっているこの城に登ると、一面に緑の湿地帯が見渡せ、ムスターグアタ山も見えます。この独特の美しい景色は、ずっと見ていたい気分になります。

石頭城 タシュクルガンの湿原(写真館C)



6日目 (タシュクルガン 〜 フンザ)

いよいよクンジュラブ峠へ
朝、タシュクルガンで中国の出国手続きをして、いよいよクンジュラブ峠に向かいます。しばらくの間は、タジク族の人が歩いていたり、ラクダがいたりしてパミール高原らしいのどかな景色です。ミーアキャットみたいな動物も見え隠れしていました。高度があがるにつれて、雪山が間近にせまってきます。標高5000メートル近くにあるというので、高山病を覚悟していましたが、意外にあっけなく峠に着きました。石の両側に”中国”、”PAKISTAN”と書いてある石碑をぐるぐるまわって国境を行き来しました。

パミール高原 峠近くの高山植物
峠近くの風景(車窓より) クンジュラブ峠(写真館D)


カラコルムハイウェイ
クンジュラブ峠からパキスタン側はカラコルムハイウェイの始まりです。今にも岩が落ちてきそうな道がつづき、道に山が迫っているので、風景を楽しむよりスリルを味わう道です。パキスタンの入国手続きをしたスストからは、また素晴らしい景色が待っていました。7000m級の山に氷河、雪解け水の川、ごつごつした岩山が日差しを浴びて輝いているのも最高でした。

パスー氷河付近のパノラマ(写真館I) パスー氷河付近のパノラマ(写真館J) パスー氷河付近のパノラマ(写真館K)



7日目 (フンザ滞在)

フンザの朝
フンザのホテルは、ラカポシ、ウルタルなど山々の眺めが良いところでした。明日、丘に登って日の出見物をする予定でしたが、せっかく来たので毎日見なければと思い、早起きしてカメラを持参で庭先に出て夜が明けるのを待ちました。ラカポシの巨大な白い峰が赤く染まる感動的な日の出を、ホテルに居ながらにして見ることが出来ました。

朝日のあたるラカポシ(写真館F) フンザの朝の散歩にて


ホッパー氷河へ
フンザ川の向こうのナガル地区にあるホッパー氷河を見に行きました。氷河自体は黒ずんでいてあまり惹かれるものではなかったけど、そこに行くまでの道がスリル満点でした。斜面に車一台分の平らな部分をつけたような道で、しかも轍が深くて凸凹しています。スピードこそ違うけど、命がかかっている点ではジェットコースターより、はるかにスリルがありました。

左を見るとフンザの山々 右を見るとホッパー氷河


バルチット城
昔フンザの王様が住んでいたというバルチット砦に来ました。高台にあって見晴らしは最高です。砦は装飾も少なく素朴な造りでした。この辺りの建物は、チベット建築の影響を受けているそうです。

バルチット城から見たフンザ(写真館E) バルチットフォートとウルタル


8日目 (フンザ 〜 ギルギット)

フンザの日の出
朝3時に起きて、ホテル前に集合すると、満天の星で天の川や流れ星までも見えました。3時半にまたジープに乗って日の出を見る丘に向かいます。暗闇の中ででこぼこ道の恐怖を味わいながら、1時間くらいで到着、日の出を待ちます。この丘からは約5000〜7800mの雪山が10コくらい見えます。一番先に紅くなったのは、フンザの象徴ともいえるラカポシ峰でした。日が昇るにつれ、次々に紅く染まっていきました。

フンザの日の出 フンザの日の出


ガーネット拾い
ラカポシの周りをぐるりと廻ってギルギットに向かいます。この辺りには、ガーネットの原石が道端に落ちているというので、バスを止めてくれました。ちっちゃい赤い石を必死に拾っていたら、もっと大粒の石を持った子どもが「1ダーラ」と言って売りに来ました。

ラカポシを見ながら移動 氷河から流れる川


ギルギット
シルクロードの時代からギルギットはカシュガルとの交易で栄えた町でした。バザールにはカシュガルから運ばれてきた物が並んでいます。町の中心にはモスクがあって、アザーンが聞こえてきます。夕方、ホテルのバルコニーから夕日のあたるラカポシ峰を見ました。

ギルギット川にかかる橋 カールガー磨崖仏


9日目 (ギルギット 〜 ベシャム)

ナンガーパルバット山
ギルギットを出発して、ギルギット川とインダス川の合流地点からしばらく走ると、前方にその姿を現します。8125m,世界で8番目に高い山です。カラコルムハイウェイからも、そのどっしりとした姿を見ることができました。

ギルギット川インダス川合流点 ナンガーパルバット山(写真館G)


線刻画
この辺りから雪山の風景とはお別れして、ガンダーラの世界に入りました。道端の大きな岩に仏様や仏塔の絵などが描かれています。これは仏教時代に僧侶たちが旅の安全を祈願したり、道標として描いたものだそうです。

インダス川のV字谷
線刻画を見た後、ベシャムまではインダス川は深いV字谷の下を流れて行きます。道路はというと、Vの字の中間にあって、バスから川ははるか下の方に見えます。本当に崖っぷちを走っていく感じがするので、高所恐怖症の人は目をまわしちゃうかも。

線刻画 V字谷のインダス川


10日目 (ベシャム 〜 サイドシャリフ)

恐怖の道
今日はカラコルムハイウェイから離れ、スワット地方の中心地、サイドシャリフに向かいます。昨日同様崖づたいの道がつづき、しかもぬかるんでいたりします。カーブでは、ハンドルを何度も切り返さないと通れません。崖の上のカーブで”ガクン”となって傾いた時は、もうダメかと思いました。

ブトカラ遺跡
サイドシャリフのホテルから歩いて2,30分で着きました。大きな丸いストゥーパ(仏塔)とその周りにたくさんの小さなストゥーパのある仏教遺跡です。遺跡にいた”近所のにいちゃん”がちょっと説明してくれましたが、その他の話が長すぎて、あまりよく見学できずに退散しました。

ブトカラ遺跡 ブトカラ遺跡


11日目 (サイドシャリフ 〜 ペシャワール)

タクティ・バイ遺跡
小高い丘の上にあるので、約200段、150mの石段を登らなければなりません。夏には来るものではないとガイドブックに書いてありましたが、本当にそう思いました。でも上に登ると僧院はかなりきれいに残っているので、苦労して登ったかいはありました。

タクティ・バイ遺跡全景(写真館H) タクティ・バイ遺跡


ペシャワール
国境の町、ペシャワールに来ました。ここから17kmのカイバル峠がアフガニスタンとの国境になっています。カイバル峠は、アーリア人やアレキサンダー大王など、歴代の征服者の通った道としても有名です。’98年7月現在は行くことができましたが、外国人の立ち入りが禁止されることがあるので、行くときには注意が必要です。また、立ち入りが許されているときも許可申請が必要です。

ペシャワール以降の写真はパキスタンの旅ノートにあります

12日目 (ペシャワール滞在)

ペシャワール博物館
ここに来たのは2度目ですが、相変わらず薄暗くてよく見えません。でも展示してあるものは、なかなかのものです。ギリシャ彫刻のような顔立ちのガンダーラ仏がたくさん並んでいます。

13日目 (ペシャワール 〜 イスラマバード)

タキシラ遺跡
タキシラはガンダーラ最大の遺跡で、世界文化遺産にも指定されています。まず、博物館でガンダーラ仏などの出土品を見て、都市遺跡のシルカップ、丘の上のジョリアンの僧院を見学しました。ジョリアンのストゥーパには仏教説話の細かいレリーフが施されていたのが印象的です。

14日目 (イスラマバード 〜 成田)

遊覧飛行
パキスタン航空852便は、カラコルム・ヒマラヤ山脈の上空が飛行ルートになっているので、運が良ければ、それはそれは素晴らしいパノラマを見ることができます。今回は雲が多かったものの、雲の上に頭を出したナンガパルバット山や、雲の切れ間から雪山の山並みを見ることができました。7、8000メートル級の山なので、すぐ近くに見えます。さらに進むと天山山脈も現れます。こちらは雲一つなく氷河のうねりもはっきり見えて、まさに遊覧飛行でした。



●参考にさせていただいたもの●
地球の歩き方・西安とシルクロード(ダイヤモンド社)
地球の歩き方・パキスタン(ダイヤモンド社)
旅のメモ(ユーラシア旅行社 添乗員さん)


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