スノーボードも圧底??

 これはシーズン後半にパーマーのPOWER−LINKプレートを買ったときの話しです。

 へんてこりんなタイトルですんまそん。今回はバインディングの下駄についてお話をしようかと思います。つい最近、PARMERのPOWER−LINKなるものを購入しました。以前神田で見かけたときは9000円で”ゲゲェ、高いな!”と思っていたのですが、近所のお店で2割引で売っていたのでつい買ってしまいました。
これをどうするか?というと、F2−ELIMINATER162に装着し、ハードバインディングと組み合わせるのです。たぶんこれを見ている方は????がつくと思いますが、ソフトブーツにつけてもいいなら、ハードブーツにつけても良いはず!!それに、ハードBINの場合は前向きでつけるため、ボードエッジとブーツの先の距離が少しありますよね。POWER−LINKによりその部分も補えるのでは?と言う魂胆もあります。

POWER−LINKの話に入る前に、バインディングを圧底にする(下駄を入れる)とどうなるのか?という話をしたいと思います。まず下駄を入れる理由として二つほどあげることが出来ます。一つはブーツサイズが大きい人が横向きでセッティングしたい場合、下駄を履かせて、板を倒してもブーツがドラグしないように。ちなみに私は19cm幅のボード+26cmブーツで後ろ足の角度が50deg位ですから、28cmの人はそのままであれば55degくらいにしないとドラグしてしまいますよね。こんな時は下駄を履かせると有効です。余談ですが、PARMERのパワーリンクの箱には”WIDE BOARDS SUCKS”(太いボード、ざまぁみろ!)てな文句が書いてあります。おまけに箱を開くとパーマーボード+ソフトブーツで身体スリスリのEUROターンをかましている写真が...

二つ目の理由として、下駄によりエッジから身体を離すことによりテコの原理でより強い力でエッジングしようという理由。簡単にいうとボードから身体の重心の位置が離れていた方がより少ない力でボードのエッジコントロールが出来るということですね。あくまで簡単にいうとですが。

外人連中は下駄を履かせている人が多いですね。凄い人は3cm!!とかまた、REDのユニバーサルカントなんていうのもそれ自体に1−2cmの厚みがありますからそれだけで立派な下駄!!です。私自身はレースボードに下駄は履かせていません。ブーツもバインディングもかなり硬めのものを使っているおかげで、ドカーンと踏ん張れればエグイターンが出来ますのでね。

さて、本題のPOWER−LINK(以下PL)なんですが、構成部品は至って単純です。BINが乗るセンタープレートにボードエッジ側両サイドに対応するWINGです。で、私は現物をみるまで不思議に思っていたのが、どうやってBINをボードに結合するのか?ってことです。通常なら下駄を履かせた分、首下の長いネジを使うと思ってしまうのですが、それでは購入した場合、BINと同じ頭のネジを探して購入しなければいけませんね。そこはさすが外人の設計で結構気が利いていました。

どうなっているか?というと、まず、ボードにPLに付いてくる2段ネジをボードに固定する。
2段ネジとは、ボードに刺さる雄ねじ部+BIN用の雌ネジ部がついたシャフトです。その2段ネジの外側にPL固定用のスリーブを被せ、センタープレートをスリーブに合わせて取り付ける。そしてBINを載せて、いままで使っていたネジで取り付ける。というものです。 しかも、4X4パターンだけでなく3Dパターンにも対応しているという気のききようです。ただ、4x4の板に3Dのバインディングみたいな変換は無理ですが。(ここはユニカンの方が凄い)

センタープレートとボードの間にはウィングと呼ばれるものが挟まれるのですが、PLはこれが肝の部品ですね。BINの角度に合わせてウィングのセンターを合わせる。そして、ボードの幅によってウィングの位置を調節してサイドウォールぎりぎりでセットする。

このPLの効果ですが、一つは下駄効果、一つはエッジぎりぎりへの力の伝達、そしてもう一つはウィングによるバインディング下の剛性アップによるエッジグリップ力アップです。

一つ目の下駄効果は前述の通りです。

二つ目のウィングによる効果
これはボードの幅と自分のセッティングでの足の位置が上手く合わないのをうまく補ってくれるようですね。特に私の場合、ハードブーツなのでボードの幅に対して前向きにセットしますので、エッジから足まで少し間が開いてしまいます。その分をウィングで補うことになります。

何故補えるか??PL装着時の力の伝達を解説すれば判ると思いますので書きます。
PLがない場合、自分の足とエッジが離れてしまうとエッジへ直接力を掛けられなくなりグリップが悪くなりますよね。よく初心者のセッティングは多少離してエッジコントロール性を甘くした方がいいなんていいますよね。それと同じことです。

一方PLを装着すると、足とエッジが離れたセッティングと仮定します。つま先でもかかとでもいいんですが、踏み込んだ時の力の伝達は

1.ブーツからBINに伝わる−BINからPLのセンタープレート−センタプレートからウィング−ウィングから板のエッジ付近
2.ブーツからBIN−BINからウィング−ウィングから板のエッジ付近というように2系統あるんですが、いずれも板のエッジぎりぎりに荷重をかけることが出来ますね。 もっと簡単にいえば、ベースプレートがバカでかくなったということです。(簡単なら最初からそういえばいいって?すみません)

3つ目の足下の剛性が上がる

滑った感じでは2番目の効果と相まってエッジの食いつきが非常に良くなりました。
で、一日滑ったあとソールを見てみると、PLのウィング部のところだけ異常に焼けが酷いです。普通はBINの間からテールにかけて出ますよね。テールにかけても出るんですが、足下だけ凄いんです。これはそこだけ剛性が高いからに他なりません。
試しに汚れている机に紙を乗せ、その上に手を置いてズルズルーっと拭いて下さい。手をおいたしただけが汚れて、他のところは結構綺麗なままでしょ??ちょっと強引な例えですがそれと同じことがボードでも起きていると言えますね。

最後にもう一つ。私はバインディングにINTECを使っています。INTECの場合、ブーツ横方向の剛性が大きくガタもありません。ブットイ板に横向きの角度で取り付けると膝をボードのボードの前後方向に動かすのが非常につらいのですが、PLを装着すると、ボードとセンターディスクの間にゴムが入るため、ゴムの弾性変形により、少し動く量が増えます。滑った実感として柔らかくなったということはあまり感じませんが、動きやすくなったことは確かですね。予想外の効果もありました。

結構いかしている部品だと思いますよ。私はハードブーツでしか試してませんが、ソフトでつけている人に聞いても効果は絶大だといっていました。で、レースボードにもつけてみたい衝動に駆られていますが、いかんせん幅が広いので無理ですねぇ。F2のFAT−CARVEみたいに22cm幅くらいのFREE−CARVEボードだとつけられると思いますが...
着けてないときと着けたときでは、ボードが変わってしまったのでわ?という印象を受けるくらい違いますよ。ELIMINATERに関して言えば、もともとグリップは良かったのですが、グリップの仕方がより速く、より強くに変わりました。

そういえば3年くらい前までのNIDECKERのEX−GSという板はアルミのプレートが足下のエッジ付近に付いてましたよね。下駄効果は無いにしろ、エッジへの荷重伝達という意味ではPLと同じ考え方だと思います。F2からは今期SPEEDSTAR用にCONSHOXプレートというかなりでかい下駄が発売になりましたね。これも下駄効果と剛性アップ効果がかなりあると思います。(F2のモノはBIN間全てになるのでボードのフレックスも硬めになりますね) ん?今のレースボードは内部構造でこんな風になっているのか???? なんて考えを巡らせつつ今回は終わりにしたいと思います。

うーむ、ボードの進化はまだまだとどまるところを知らないな。

KEEP FUN RIDE!!

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