ぶっといボードで頑張ってみる

この前のクリスマス寒波は凄かったですねぇ。26日に湯沢にいましたが、朝のゲレンデで膝上のPOWDERでした。その時に使っていたボードが、幅24.5cmのボードです。こんなボードでゲレンデをかっとばすのもおもしろいんじゃぁないかと思って書きました。なお、このネタを書いたのが11月の終わりなもので、ちょっとおかしなところもありますが、ご容赦くださいね。

私はスノーボードを始めた頃、ソフトブーツにディレクショナルのフリースタイルボードに乗っていました。現在のモデルでいうとBURTONのスーパーモデルとかロシのレヴィテーションのようなモデルですね。下手くそだったのとEUROの硬いバーンを体験したことで、ハードブーツ+レースボードに乗り換えました。今もその組み合わせで滑っています。最近ひょんなことからスノーボードクロス用として作られたボードを入手しました。F2のエリミネーター162なんですが、ウェストが24.6cmとフリースタイルボードと同じくらいあります。(愛用のGSボードは19.2cm)
それにハードブーツつけて乗ってみました。(もちろん今はザウスですが)


いやぁ、レースボードとは全く違う世界が見えました、というか、自分の悪い癖が全部出てしまうことになってしまいました。ボード幅が大きいのでそれに合わせたセッティング(スタンス幅50cm、39deg、33deg)にしました。普段乗っているボードは55deg、52degですから、かなり横を向いた状態になります。
どんな影響が出たかというと、私はフロントサイドで内倒する癖があるんですけど、ブットイ板で横向きで滑ると、内倒している場合、板立ててGを貰った瞬間に腰が折れてしまい、益々内倒が激しくなって超不安定になってしまいます。レースボードだと腰が前を向いていますので、内倒気味で入ってGを貰っても腰の曲がる方向が進行方向なのでそんなに問題になるとは思っていませんでした。(というか折れても進行方向なので大丈夫だった)腰が横向きの場合、Gの方向と腰が折れる方向が同じなので、レースボードで問題ないとしても、敏感になってしまうのでしょう。(言ってる意味が判るかな??)言い方を変えると、前向きの場合は腰、頭のボードに対する左右位置が近いのでつぶれない。横向きの場合内倒してると、腰、頭の左右位置が離れているためにつぶれてしまう。

じゃぁ、どうしたらいいかな?と考えると、二つのことが頭に浮かびます。
一つ目は、腰をもっと前向きにするため、スタンス角度を大きく(前向き)にする。但し、後ろ足も前向きにするとエッジから離れてしまうので、前足の方を大きめにする。(前後の角度差を自分で許容できる最大まで持っていく。これで腰の向きがボードの進行方向を向くため、Gを貰ったときの力の方向と腰の折れる方向がずれて、折れにくくなる。俗にいうアンギュレーションが取りやすくなるっていうことですね。

二つ目は、ターン時の体軸をもっと意識する。古い人で恐縮ですが、クレイグ・ケリーというライダーが特徴的で、どんなに板が立っていても、身体の軸が素直にデッキの垂線上にあるというもの。MAC遠藤氏の表現ではバインディングの存在を感じさせない滑りっていうもの。

ターンをするときの重心移動を考えてみましょう。太い板と細い板(前向きと横向きでも構いません)どちらが左右のバランスマージンが大きいでしょうか??答えは簡単、太い板ですよね。ということはターンするとき細い板(前向き)は左右の重心移動は少なくて済みます。(ナローボードの切り替えが速い理由の一つ)じゃぁ、太い板の場合は当然細い板に比べて大きく重心を移動しないといけませんね。試しに畳の上で、あ、絨毯の上でももちろん良いですよ(笑)裸足で前向きスタンスと横向きスタンスで身体(腰)をボードのエッジ方向に移動してみて下さい。前向きスタンスの方は少しの移動でふらつくでしょ??横向きはかなり動けるはずです。

というわけで、ブットイ板の場合はきっちりとした重心移動とアンギュレーションをとらないと、上手く曲がれないですね。なんだか難しい板みたいな事を書いていますが、逆に考えれば、ブットイ板でしっかりとした重心移動とアンギュレーションがとれるようになれば、レースボードの場合は今までよりも楽に乗れるはずですよね。(実際、私はそうでした。)

ブーツとバインディングに関しても、少し注意が必要だと感じています。私の使用機材はブーツがBLAXのインゲマー(今でいうとSTRATOS−PRO)、バインディングはINTECステップイン(今のモデルだとプロファイルかな)です。当初、PROFLEXのチタンベースのモノをつけてみましたが、横方向が硬すぎて、膝が動かないという状態に陥りました。ブットイ板の場合、角度が横向きなので、横方向が硬すぎると膝が動きません。で、樹脂ベースの柔らかいものに変えて遊びを作ってあります。あとはブーツのスネの部分のバックルを少しゆるめるといいかも知れませんね。
あとは、カントリフトを見直すとか。私は以下の通りです。
スタンス幅:50cm
前足:42deg、後ろ足:33deg
前足カント:内側に3deg、リフトなし
後ろ足カント:なし、リフト5mm
後ろ足にカントを入れないのは、私の踏み込む方向がどちらかというと、エッジに垂直方向だからで、カントつけるとスネが痛くなる。
また、がに股気味で踏ん張りたいという好みの問題もあります。
一般的には横向いている分、後ろ足のリフトを減らすといいと思います。サイドカントの量は増やした方がいいって言いますね。
リフト減らした分をそのままカント増やすと、踏ん張りにくくなりますので、ほどほどに。
バインディングの硬さを和らげる方法として他にも、ベースと板の間にゴムを入れるという方法があります。BURTONとかBLAXはゴムが付いていたり、売っていたりしますよね。私自身は、なんかバインディングの性能をスポイルさせているようでやりたくない方ですが。

ブーツの前後方向の堅さについては、最近のブーツはバネで調整できるので、どうにでもなりますね。私の場合はBLAXのバネを2/3位締め付けた堅さになっています。ただし、バネは自分で交換してしまっているので、初期堅さは大きいですが、バネ定数は小さめを選んでいるので、そんなに硬い感じはしない(2年前に比べれば、かなり柔らかめのセッティング)
前後に柔らかくした背景には、滑り方の変化というのがあげられます。内倒癖が酷かったので、スネでシェルをグイグイ押すような滑り方でした。少し進歩して、板を立ててソール方向に踏みつけられるようになってきたので、前傾方向は柔らかくてもあまり問題無くなってきました。最近では前傾ロックするのを忘れてしまっても、バックサイドがなんか変くらいの感じでしばらくは滑ってしまってますね。

セッティングについては皆さんの好みもあるでしょうから、この辺にしておきましょう。ブットイ板であと何が面白いかなぁ?なんて考えてみました。ちょっと前にこのコラムで書いたPOWDERなんていうのは、足廻りが硬い以外はフリースタイルボードと同様なので、アルペンボードでは味わえなかった、浮遊感を味わって高速ライディングできると思います。
アルペンボードの時は勝手にノーズが上がりまくってウィリーなんて夢のような世界でしたから。(自分でウィリーするぞって意識してやってました)
POWDERに関しては当たらないと感想も何もないので、当たったらレポ書きます。

12月26日分補足です。
この日は前日から降り続いている吹雪でした。リフトに乗っているだけで身体が真っ白になるほどです。朝一番のゲレンデへ行くとそこは膝上極上POWDERの世界で、エリミネーターのようなボードなら大得意のバーンとなっていました。本当は横向き乗りの練習をなんて思っていたのですが、一本目滑り始めた瞬間、そんなことは頭から見事に消え去り、ベーターエンドルフィンでまくりのライディングになってしまいました。
レースボードで膝上以上のPOWDERの場合、かなり自分で意識してスピードを維持し後ろ足踏みつけをしないと撃沈するのですが、ぶっとい板の場合はなんも考えなくて両足で踏ん張っていられます。(あ、もちろん後ろ足の方が荷重は大きいですよ!)それと勝手に板がウィリーするし....スピードが落ちてしまっても十分持ちこたえることが可能です。またPOWDERも時間がたつと食われて荒れてきますが、そんなところも難なく踏みつぶせるし、ちょっとオーりーかまして飛んでも安定性抜群です。
雪が柔らかい場合、ちょっと荒れている場合は威力絶大ではないかな??



ハードブーツ+ブットイ板の場合、ソフトブーツに対してはスピードに強くなりますよね。(とはいうモノの最近のソフトブーツの剛性の大きさは凄いですけど)ハードブーツならではのエッジホールドの良さとブットイ板ならではの走破性の良さを組み合わせていろんな滑り方ができると思います。(ん?確かロシの松浦プロが同じことを言っていたような気が...)典型的な例として最近大ブレイク中のSBXをみてみると、結構ハードブーツにブットイ板の組み合わせで滑っているライダーがいますよね。彼らは前述の通り、スピードは最大限欲しいけど、エアーやら、GAPやらもそつなくこなさなければ勝てないので、こんな選択なのでしょう。エアーに関してはブットイ板でルーズなセッティングであれば、着地時の挙動はかなり安定しますよ。(レースボードでガチガチだとちょっとエッジがかかった瞬間曲がって言っちゃいますね。)さらにSBXのライダー達はエッジのチューンをして、敏感さを減少させているようですね。ギンギンに立てるのは両足の間だけとかね。

どこでもハイスピードで切り刻めればとっても楽しく滑れると思います。脳内麻薬でまくりってやつですかね。そのうちハイスピードトリックなんていうのも出来るようになるかな?(私の場合はたぶん身体が付いていかない気もするが....)
この辺のスタイルに関しては、ポテンシャルというか可能性は大きいと思っているので、SBXの盛り上がりとともに、メーカーさんの対応を期待したいところですね。

かなり適当なシメなんですが、この辺で勘弁してくださいね。また、エリミネーターで面白いことが発見できたらアップしていきたいと思います。

KEEP FUN RIDE!!

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