セッティングを考える

 以前道具のページでセッティングについて書いていますが、最近大胆なセットチェンジをして私なりにこれで当分は変えないで済むなというものを見つけました。横乗り軍団を訪問してくれる皆さんに直接参考になるかどうかは判りませんが、こんな考え方もありますよという事例として読んでいただければうれしいです。

 スノーボードのスタンスセッティングは変更出来る項目がたくさんあるので本当に無限の数のセッティングになります。まさに十人十色状態ですね。今のセッティングが本当に自分にあっているのかというと???が付く人も多いはず。私もその一人です。私は最近になってある身体の不調からセッティングを変えようと思い立ちました。ある身体の不調とは、滑り終わった後どうも後ろ脚の外スネが痛いというモノです。去年くらいからどうも変だな?とは思っていましたが、旭川で5日連続で滑ったときにスネが腫れてしまうくらいになりまじめに考えました。(結構痛くて朝起きてブーツ履くのに痛いんだよね。滑ると忘れちゃうんですが...)ついでにブーツのアッパーシェルも真ん中で固定しているにも関わらず、滑り終わったあと確認すると外側に倒れていることが多々ありました。

 まず何故後ろ脚の外スネが痛くなるのだろうか?と考えました。後ろ脚に4度の内サイドカントが入っているのですが、どうやらこのカントと私の後ろ脚の荷重方向がケンカをしているのが判りました。どういうことかというと、フロントサイドで後ろ脚を踏みつける際、エッジ方向に加重するのはいいのですが、サイドカントがあるため素直に踏むと少し前方向になりますが、どうも膝を少し開くように踏んでいます。それとバインディングをINTECにしているのも原因の一つで前はブーツとバインディングの間に“遊び”があったのですが、INTECでは遊びがほとんどない状態です。よってよりスネに負荷がかかる状態を作り出していたということになります。
ではどうすればいいかな?と考えたのですが、そういう滑りをしなければいいのですが、下手くそなのですぐ治るわけはない。最近このページに登場している“ヒロミ郷さん”にアドバイスをもらったターン後半の後ろ脚による踏みつけを実践しようとするとセッティングを変えた方がより自分にあわせることができるかな?ということでセッティングを変えました。
従来 変更後
スタンス幅 50−52cm
スタンス角度(前、後ろ) 55deg、50deg
カント(前、後ろ) 4deg(内)、4deg(内) 4deg(内)、なし
リフト(前トゥアップ、後ろヒールアップ) 5mm、10mm 5mm、15mm
その他 後ろ足のみ底上げ5mm
9/23補足:その後ザウスでいろいろ試した結果、フロントサイドでの後ろ足踏みこみ難さが判明し、ヒールアップを5mmに減らしました。
かなりエグイセッティングになりました。後ろ脚のサイドカントを外してフロントサイドで踏みやすくするということを重点に変更しました。
 まず、サイドカントのみを外した状態にして部屋の中でブーツを履き、ボードを装着していろいろと動いてみました。(かなり怪しい光景だ!)動くことに関しては特に不都合はありませんでしたが、腰を目一杯落としたときに腰がかなり後ろになるなぁという印象で、これでは後ろに乗るのは簡単だけど、切り替え時に真ん中に戻すのが厳しそうで手近にあったアルミプレートをバインディングにはさみ5mmの底上げを後ろ脚だけ追加しました。たかが5mmの底上げですが、腰を落としたときのポジションがかなり変わります。もう少しあげてもいいかな?とは思いましたが、アルミの板の手持ちもないのでこれでいってみようと決めました。

ゲレンデでのテストライド
15度から20度程度の約1kmの斜面でテストしました。というか私の場合、ゲレンデではよほどあわない限り、慣れるまで乗ってしまうのでテストという感じではありませんが...新セットで乗った印象ですが以下の通り
  1. フロントサイドで素直に踏めている感じがする。
  2. 後ろ足サイドカントがないので、バックサイドのエッジホールドが良くなった。
  3. ターン後半後ろ脚加重が非常にやりやすい。ただ少し後ろに行き過ぎの感もあり、ターン切り替え時真ん中に戻すのにパワーがいる(もう少し底上げ量を増やすか、腹筋背筋を鍛えるか)
  4. 後ろ脚が痛くなることがなくなった....etc
その後も数回滑っていますがセッティングはいじっていません。ザウスに行っている今も同じです。2番でサイドカントがないから...と書いていますが理由は“Snowboard Nippon”のスノーボードの科学を見て下さい。わかりやすく解説されています(私が書いても同じことしか書けません)

 今回のセッティングに関しては翠川プロのセッティングを参考にさせてもらいました。彼のHPにセッティングとその理由について書いてあり、私なりに分析した結果、自分に取り入れられると思ったところは取り入れました。上手くいったと思います。後ろ足サイドカントを外したのですが、ちょっと勇気が要りました。というのも雑誌やバインディングの取説で呪文のようにサイドカントを入れた方がと書いてあります。周りの人も入っているということで“なきゃいかん”的に受け止めている部分もあったと思います。今回いじくってみて判ったのは“やっぱりセッティングは何でもありで自分がよければそれでいい”でした。

こんなネタをBBSで書いたら前出のヒロミ郷さんからある指摘をもらいました。
郷さん曰く
人間の環境適応能力は凄いから少しくらいのスタンス変化はすぐに慣れてしまうよ。あまりスタンスで悩んでいると楽しく滑る時間がなくなるし、悩んで左脳ばかり使うと右脳が退化するよ!と。
いろいろと考えるのは楽しいし、セッティングを変えてみるのも楽しい。けど程々が肝心ですね。私は郷さんの意見には大賛成で部屋にいるときはセッティングはあーだこーだやってますが、ゲレンデに出たらまずいじりません。ゲレンデでセッティング変えるのは面倒で時間が勿体ないしね。よっぽど身体にあわない限り、乗り続けてしまいます。身体の調子が悪くなったり、どうもしっくりこないなと思ったらその時にまたゆっくり考えてみればいいと思ってます。皆さんもセッティングを変えたら違和感があってもすぐ変えないでしばらく乗ることをお薦めします。そうでないと善し悪しの判断ができません。じゃぁセッティングなんて変えなくてもいいじゃないかとも思うのですが、上手くセッティング出来たときは違和感をほとんど感じずに乗れるはずだと私は思います。

 今回の変更でこれでしばらくは変えなくてもいいなとは思っているのですが、いっそのこと両足ともフルフラットにしてしまい悪あがきをやめちゃおうかななんてことも考えてます。

KEEP FUN RIDE!!

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