ウエブオーナー様へ

 以下は2003年に記したものです。ネット環境、エチケットの考え方は変化があり、既に通用しなくなっている事項もあろうかと思います。当時はこんなだったと解釈いただければ幸いです。(2019.12 記す)

■無許可リンク、ディープリンクは悪か?

2003.8.9 UP

 インターネット上のページでは通常リンクをクリックすることによってどのページへでも飛ぶことができます。紙の本ならば海外にあるものを手元にあるかのように見ることはできませんが、リンクは一瞬にして目的のページを見られるのですから、画期的な機能であることは今さらいうまでもありません。リンクはインターネットの根幹を成す機能と言ってよいと思います。
 しかし、今の日本ではリンクを貼るときは開設者の了解を得た上でトップページに貼るのが礼儀のようになっています。中身のページに直接貼る(以後「ディープリンク」と呼びます。直リンクも同じ意味であると思います。)こともいけないこととする風潮が根強いようです。中には無許可リンクは無断転載に当たり、著作権侵害とまで主張する意見すら見かけられます。(*1)

●リンクはリンクらしく

 最近、「リンクはユーザーのクリックが最小限で済むようにすべきだ。」と言う趣旨のページを複数見ました。ハイパーリンクはユーザーが求める情報(ページ)にダイレクトにたどり着けることが最大のメリットであり、トップページだけにしかリンクを認めないのは不適切だとする意見です。何もそれに影響されたわけではありませんが、碧電では既にそれらの意見を支持する方針を表明しています。

●中身のページへリンクされることの不都合

 ここで、日本ではなぜ無許可リンクやディープリンクがいやがられるのかを考えてみます。それらの不都合とそれに対する私見を書いてみたいと思います。

・日本の風習

人様の家を訪問するときは玄関から入るのが常識。途中ページから入るのは窓や屋根裏から侵入するようなもの。人様の作ったものを勝手に第3者に見せるのはけしからん。許可を取って当然だ。

私はウエブサイトを建物に当てはめるのは無理があると思います。本屋へ行って、興味を持った本を前書きから読むことなどまずありません。全体をぱらぱら見て、買う価値のある本かどうかの判断をします。ウエブページの作者はどこからでも見られる可能性があることを覚悟し、それに応じた作り方をすべきであると思います。
 また、リンクに本来許可はいらないと考えます。相手が知らない人であっても、人に本を紹介するのに著者の許可を得ずに紹介するなと怒る人は普通はいないと思います。リンクは「ほら、ここにこう書いてあるでしょ。」と該当のページを直接開いて見せるようなものです。リンクにはどこのサイトのコンテンツかを明示すれば、「無断転載」にも当たらないと思います。

・リンク切れの発生

トップページ以外は更新時に削除されたりページ構成の変更によってデッドリンク(リンク切れ)となる可能性がある。

トップページ以外のリンクを認めさせないための材料に利用されている気がします。これが積極的な理由になるとは考えられません。

・カウント漏れ

通常トップページにしか設けられていないアクセスカウンターにはカウントされない。

これがいちばんいやだというオーナーさんは多いのではないでしょうか。正直なところ、私もせっかく訪問して下さったのにカウントされないことにはかなり抵抗を感じていました。しかし、そのこだわりをを捨てられずに掲示板でトップページにリンクを貼ったために、訪問された方が迷ったあげくに目的のページを見つけられなかったという弊害が起こりました。

著作物に対するモラル(意識)の低下

著作物が軽々しく扱われる危険性がある。リンクは自由、連絡も不要と書くとここの開設者は寛大だという印象を与えかねない。

 ネット上に公開されているページには必ず作者があり、直接的な手間以外に調査、資料集めに多大な時間を要した労作も少なくありません。しかし、リンクはあまりにも簡単にそのページを見ることができるため、人が苦労して作った著作物であるということを意識せず、軽々しく扱われることを助長する恐れがあるのは否定できません。「途中のプロセスはどうでもよい。結果だけがほしいのだ。」という人は事実多いでしょう。便利さの裏返しとしてのルールは必要だと思います。

●作ったからには

 例えば掲示板の話題などで「こんなページがあった」と紹介して下さる方に「勝手にリンクを貼った」と目くじらを立てるのは筋違いだと思います。リンクを貼られることは見る価値がある、人に教える価値があるという評価を受けたことになります。許可を取ってからにしろなどと言っていたのでは掲示板の話題も変わってしまいます。さらに、トップページしか認めなければ碧電では迷子必至です。私は許可にこだわるばかりに多くの方々に見ていただく機会をみすみす逃すようなことは望みません。苦労して作ったページを多くの方々に見ていただきたいですから・・・。

 しかし、無連絡リンクの場合、事後の連絡や感想、謝意を伝えて下さった事例はこのページをアップした時点まででは皆無というのが現状です。自由とは書いてありながらも、現在の日本の風潮では無連絡でリンクすることは何かやましいという気持ちが払拭できないのは無理からぬところかも知れません。

●入場者の実体

碧電の基本構造はホームタウン駅で乗車券を受け取って目的の駅まで乗車していただくことになります。しかし、主に検索エンジンから展示室へ直接入るお客様が多く、当然ながら無札ですので、カウントもされません。
 次に示すカウンターは五堂寺駅本屋とそこからしか入れない(原則他からリンクが貼られていない)展示室西日本編のものをリアルタイムで示しています。西日本編の方がアクセスが明らかに多いのは、検索サイトを通じて直接入場される方がいかに多いかを示しています。
五堂寺駅本屋  DE10西日本編展示室  

 この実体を知ったとき、カウント漏れ(=無札乗車)にこだわるのは無意味だと感じました。考えてみれば、検索エンジンからならば途中入場を認めるが、人の手によるリンクはトップページしか認めないのはおかしいのではないでしょうか。

●全ページにサイト名とトップページへのリンクを!

 実にお気軽に目的のページを見ることができるハイパーリンク。苦労して作ったページが掲示板などで紹介された場合、厳しい見方をすれば、おいしいところだけをさらって「はい、さようなら。」という閲覧者がおそらく大半です。しかし、世界中から自由に閲覧できるネット上に公開する限り、それを覚悟しなければなりません。

 ある地方で撮影したイベント列車の動画を地元の方が主催する掲示板で紹介させてもらったことがあります。もちろんそのページへの直リンクです。最終的には100以上のアクセスがありましたが、ページ内にトップページへのリンクを貼っておいたら、5%くらいながらもトップページへのアクセスが確認できました。どんなページだろう、どんな人が作っているのだろうと興味を持った方がいればトップページを訪れ、カウントもできるのです。さらに、気に入っていただいたらリピーター(常連さん)になって下さることも期待できます。

 ここで重要なのはサイト名とトップページへのリンクが記載されていることです。「途中のページから見られることを覚悟せよ。」とはこのことで、サイト名を明記し、表紙や目次のページへのナビゲーションさえあれば他のサイトに無断転載されたと心配しなくてもよいと思います。碧電でも更新の機会に順次トップページへのリンクを整備しているところです。

●リンク元を捜す

 自由にリンクを貼って下さい、連絡は要りませんと書いておくと、本当に連絡は来ません。今の世の中、100円は100円と「額面どおり」にしか受け取ってもらえず、人の気持ちを推し量ってもらうことを期待する方が無理です。しかし、どこかでリンクが貼られていないか=自分のページが話題になっていないかについては作者であれば興味のあるところです。

 リンク元を捜すにはアクセス解析を利用する方法がありますが、もっと簡易な方法として、自分のURLの特徴的な部分を抜き出して検索エンジンを利用する方法があります。碧電ならば「hekkai/rail」が固有の部分ですので、これをキーワードにして検索してみます。

 掲示板ではたまたま検索ロボットがデータを集めに来たときに先頭のページになくてはならないようですが、こまめにチェックしていると、時々「○○の参考になるページがhttp://****/hekkai/rail/***.htmにありました。」みたいにリンクが貼られているのを見つけることができます。

 リンクを貼ってくれる人も、それに応答するする人もまさか作者がそれを読むとは思っていないため、率直な感想を書いてくれることが多いので興味深く読ませてもらっています。
 中には「やめて欲しい」とお願いしている画像ファイルへの直リンクも見かけますが、ほとんどの場合はそれが気に入って人に教える価値があると思ってリンクを貼ってくれていることがわかります。「腕木信号」にもなかなか書いてもらえないような感想を書いてもらったりすると正直なところ悪い気はしません。
 ただし、だからと言って、画像直リンクはやはり歓迎できません。画像直リンクはどこのページに掲載されているものかの表示がないので、無断転載に当たると思います。ページも写真もそれなりに苦労して作ったものですので、そこらへんに転がっている石ころを拾って人に見せるような扱いをされたくないというのが作者としての希望です。

●郷に入っては郷に従う

 リンクには本来許可などいらない。「このページはいいよ」と言ってくれる人になぜ文句を言うのかという意見を述べさせていただきましたが、日本ではリンクしたら連絡をして下さいと書かれたサイトの方が圧倒的に多いのが実情です。許可不要が正当だからと、人がいやだと言うことを無視するようなことはやはりできません。

 私としては、ディープリンクもオーナーさんの了解を得るようにし、サイト名とトップページへのリンクを併記することによって他サイトのコンテンツへのリンクであることを明示し、人様が苦労して制作されたことへ敬意を表したいと思います。また、一切の連絡は無用とも思いません。参考にさせてもらったことを連絡し、謝意を伝えることが交流を拡げるきっかけになることは自ら経験しているところです。

●最後に碧電へのリンクに対するポリシーを

碧電はトップページに限らず、画像直を除く各ページへのリンクは自由です。許可を求めるのを躊躇するくらいならご自分の意志で自由に貼って下さい。それが何かのお役に立つならば光栄です。


(*1)無断リンクは著作権の侵害となるか

リンクが著作権侵害になるか否かについて(社)著作権情報センターのサイトに参考となるQ&Aがあります。

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碧海電子鉄道 © 2003 鈴木雄司 (トップページへ)


2001.2.4 UP

■ユーザーが捜しやすいページ作りを

ホームページの制作を始めて半年少々の私が偉そうなことを言えた立場ではありませんが、ちょっとした配慮が質を向上させることをお伝えしたいとの思いでこのコーナーを作りました。余計なお世話の部分も多々ありますが、今後のページ制作上お考えいただくことが作る側、見る側双方にとってプラスになるのではないかと思っています。

●ロボットも気持ちよくお迎えしましょう

この前の章でロボット形検索エンジンの検索力について述べたわけですが、ただロボットが情報を集めてくれるのを待つだけでなく、サイトを作る側からもロボットが検索しやすくする工夫をすることでより多くの方が求める情報にたどり着けるようになることでしょう。検索ロボットも大切なお客様。気持ちよくお迎えしたいものです。

●いくら優秀なロボットだって探せない

ロボットはHTML文書(ページ)に書かれた文章やタグによって指定されたキーワードや説明文を読み取ってデータベースを作成します。しかし、訪問したページが写真だけで説明の文章が全くないような文書(ページ)だったら何の写真なのかを認識することができません。文字は文字でもリンクバーナーの文字は画像であるため、やはりロボットには解釈できません。OCRのように形や線のつながりなどで文字として認識することのできるソフトが組み込まれていればその可能性はあり得ますが、影付き文字など意匠化された文字全盛の今ではそれも難しいことでしょう。つまり、テキストによる解説がなければいくら掘り出し物の写真であってもロボットは何の画像かがわからないため、データベースにも登録されません。したがって、ユーザーもキーワードによる検索ではその写真を見つけることができないことになります。

●代替表示を入れましょう

私のところのような説明文が長いページがあれば説明文を入れない方針と思われるページもたくさんあります。そのようなページでも代替テキストを入れることによって説明文を表示させることなくロボットに情報を拾わせることができます。また、代替テキストにはそれ以上に重要な役割があります。
 ブラウザで画像の上にマウスを持っていくと黄色の枠内にその画像の情報が表示されますが、この文字のことを「代替テキスト」と呼びます。代替テキストは画像を表示させない設定の場合や表示する機能のないブラウザで画像の代わりに表示される文字であり、マウスのカーソルを重ねることによって説明を表示させるのは本来の目的ではないようです。レイアウトなど直接的な表示に影響がないためか省略されていることの方が多いようです。

 ブラウザの補助ソフトとして広告を自動的にカットする機能を有するものがありますが、これが有効になっているとリンクバーナーは広告と判断されて読み込みが中断されます。もし代替テキストが指定されていないと画像の枠と赤い×印だけが表示され、ユーザーにはリンク先のサイト名がわかりません。解説文も代替テキストもないページに目の不自由な方がアクセスされた場合は何らのナビゲーションもなくなってしまいます。しかし、代替テキストだけでも指定されていれば、目の不自由な方のためのブラウザは音声に変換し、情報を伝えることができるのです。

ホームページ作成ソフトであれば画像の挿入のところにおそらく代替テキストを入れる機能があることでしょう。また、一般のエディターでタグを編集される方は「img」エレメントの「alt」属性を下記の例のように入れます。

<img src="ef585_nano81s.jpg" alt="長野のスロ81系お座敷列車を牽くEF585号機。" width="213" height="160">

ちなみに上記の「width」「height」は画像の幅、高さをピクセル数で指定する属性です。

それから、HTMLファイルの単位で形成される各ページにはページの内容にふさわしいタイトルを付けていただくのがよいと思います。タイトルがなかったり、章を表す数字だけだったりすると、検索エンジンでヒットしてもユーザーはここを見てみようとは思いにくいでしょう。
 タイトルを入れるといっても勘違いをなさらないでいただきたいのは、本文中にタイトルを書くのではなく、<title>と</title>のタグに夾んで入れないと一般的には検索エンジンはタイトルとして表示してくれません。(逆にこれを入れても本文には表示されません。)

●ヒットしやすい説明文

キーワード検索をするとき、皆さんはどんな用語を使われるでしょうか。例えば「6000系」という情報を入手したい場合、「6000系」は数多くの鉄道会社にあるため、会社名や線区名による絞り込み(またはアンド検索)をされるのではないでしょうか。もしあるページに社名や線区名の情報が全くない場合、検索エンジンにヒットしなかったり、ヒットしても順位が大幅に下位になる可能性があります。また、より具体的な車両番号「モ6202」だけだったら、6000系というキーワードではヒットしないことになります。ページのどこかにキーワードになりそうな一般的な言葉、このケースであれば「名鉄」、「6000系」といった言葉をちりばめておくのがヒット率を高める1方法かもしれません。

●あなたのHTML文書は何点?

インターネットエクスプローラーなどのブラウザはかなり寛大で、HTML文法に多少の誤りがあってもそれなりに表示してくれます。しかし、表示には問題のないエラーであっても検索ロボットにとっては致命的なことがあるそうです。たとえばエンコードを宣言したのとは違うものを用いれば全く解釈ができないこともあるというのです。自分のページが「goo」になかなか登録されないので、ひょっとして致命的なエラーがあるのではと心配していたところ、HTML文書の採点をしてくれるサイトを見つけました。以来私は新作のページはアップ後に採点してもらっています。最初は解説が難しくてわかりにくかったのですが、最近は不具合箇所の発見に役立っています。ページによっては大幅な減点を喰らって0点を割ってマイナスになってしまったものもありましたが、修正によって「よくできました。」がもらえるようになりました。興味のある方はぜひお試し下さい。表示に直接関係のない部分はなかなか気が付かないものですが、WWWは「ワールドワイドウエブ」というくらいですから、こんなことを考えておいた方がよいという勉強にはきっと役立つことと思います。ちなみに代替テキストは最新の文法上必須のため、入れていないと減点されます。

Another HTML-lint

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