4.ミンガミンガ
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2002/11/3

 早朝4時(現地時間)、予め頼まれてしまっていたモーニングコールで起きる。「もしもし。はろーさんきゅー」なんともはや、強行軍ではある。

 国立公園内では、水1リットル以上の携帯が義務付けられている。乾燥している為、脱水症状を起こすひとが後を断たないのが理由。朝ゴハンをガイドさんから受け取り、水をリュックに詰めてエアーズロックへ。日の出を拝みつつメシを食おうという寸法。

 海外で水道水を飲むなんて・・・というのが常識だったはずだけど、エアーズロックでは地下水が出るんだそうで、これが水道水になってるという。大昔海の底だったんで浄化・濾過してもすこーししょっぱいんだけど、ミネラル豊富でカラダに良いから是非水道水から水を汲んでください、なんてガイドさん言ってました。のりすけ的に味はわかんなかったけど、腹おかしくならなかったからすごいと思った。

 てゆーか朝はむちゃくちゃ寒い。流石内陸部の乾燥地帯ともなると、昼夜の気温差が20℃以上。ガクガクブルブルで日の出を待つ。テケトーに写真撮って美しいエアーズロックを眺めながらサンドイッチとケーキみたいの。クロワッサンは美味かった。


 そしてエアーズロックの登山口へ移動。エアーズロック登山には、いくつか条件がある。
@その日の最高気温が36℃を越えると予想されたとき。
A雨が降っているとき。
B雨が降ると予想されたとき。
Cレンジャーによる救助活動が行われているとき。
Dアボリジニ(彼ら自身は「アナング」と呼んで欲しいらしい)のひとたちの儀式が行われているとき。以上の条件がひとつでも当てはまるときは、登山道が閉じられてしまう、とのこと。

 エアーズロックは完全に岩ですからね、雨は確かに危険。んで、登り始めの50mは、掴まるものがない。ここを自力で登って、この先もいけるかどうか判断してくれということらしい。無茶して登って実は高所恐怖症でした、なんてなことでレンジャー(監視員?)に助けてもらったりすると登山道閉じちゃって後のひとたち登れなくなっちゃうので、それだけは勘弁してね、ってガイドさんにゆわれた。


 兎に角登らなきゃ始まらねぇべさ、ということで登山開始。始めの50mで挫けそうになったのは準備運動が足らなかっただけです! のりすけ負けない! と思わないとダメでした。いやマヂで。あれホントきっついから。

 鎖を掴めても、最大傾斜45度。時折振り返って見る景色はマヂ最高なんだけど肺がはちきれそう。登山道の麓から見えた分は3分の1、そこまで登ると鎖が終わる。そこがちょっと平らになってるのでひと休み。それからは傾斜が緩やかになったけど、風が猛烈に強くなった。ハミルトンのガイドおねぃさんが言ってた通り、マヂ飛ばされそう。ちょっとでもつまづいたら死ぬ。ものすごい緊張しながらの登山。気軽に誰でも受け入れる割に、とんでもねぇ試練。でも子供からお年寄りまでガンガン登ってた。

 観光客がエアーズロックを一列に登るさまを、アナングは「ミンガ、ミンガ」と呼ぶそうだ。『アリの行列』という意味らしい。確かにそうだ。でもちっとも恥ずかしくないぞ。アレは本気で試練だ。天辺に方位盤があって、そこに辿り着いたら登頂成功。遠くにオルガスが見えた。風も最強だけど景色も最高。360度サバンナ・・・よだれも鼻水もみんな吹っ飛んでったよw

 ヒザ限界だったけど降りないワケにはいかない。ガクガクブルブルも最高潮で、最後の鎖がない50mは滑り台よろしく無事にフィニッシュ。バスの乗客がみんな帰ってくるまでに一服。朝ゴハンの残りのリンゴをかじる。水が最高にうまい。そしてベッカム頭の鳥を追いかける。


 ホテルに帰り着き、一服してから空港へ。この日のうちにシドニーへ向かった。その足はまたしてもオーストラリア国内線御用達のカンタス航空。お馴染みのぱさぱさサンドイッチ。水を大量に飲み、トイレも大盛況。都会の風景が見えてきたところで着陸。フライトの度に肝臓の神様に祈っていたのは内緒である。


 シドニーのホテルは、この旅の中で一番階数が高かったのに、一番狭かった。別に良いけど。見晴らしも決して良くなかったけど。空港から複数の日本人カップルを乗せたバスで市内を走っている最中にラーメン屋を発見。それも2軒が隣り合わせ。ガイドさん曰く、「土日は片方ずつ営業してるんですよ。味はどっこいどっこい」とのこと。この日は日曜だったので、“ラーメンコンドル”だけが営業。もう片方の“豪州ラーメン”はお休み。夕メシ、即決。

 ホテルで次の日の予定を確認してから、早速ラーメン屋へ。メニューには日本語がずらり。当たり前のよーに日本人のおねーちゃんが注文を取りにくる。何気にホッとした。いい加減固いパンと薄いハムと冷たいチーズには飽きていた。のりすけはネギラーメンしょうゆ味、あるっぺセンセは味噌チャーシュー。それに餃子。

 餃子が先に来たので食っちまいましたが、なんか味が濃かった。久しぶりだったからどーでもいい感じだったけどね。程なくしてラーメンが来る。のりすけの方はネギが唐辛子にまみれててすげー辛かった。あるっぺセンセは終始無言。たまには楽しくメシを食えと小一時間問いt(以下略)。

 その後、市内最大にして土産物屋の中でも遅い時間まで営業している免税店を訪れ、インスタントキャメラを購入。シドニーは18時には殆どの店や会社が営業を終了してしまう。その分朝が早いのかもしれないけど、貴様ら娯楽が少ないです。日曜だろうがなんだろうが、19時を過ぎると一部のレストランとホテルくらいしか灯りがついてない。なんとも健康的で不良少年少女が育たなそうな街ではある。

 のりすけがマザァと一緒に旅に出るときは、大概ホテルの外の飲み屋をホテルのねーちゃんに聞くなり探し回るなりして行き当たりばったりで飲んだくれるのを楽しみとするのが定石なんだけど、、、いい加減くたびれて寝たよ。



  
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