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button  色・透明感・艶

基本は肌色

脚は約三分の一の面積を占めます。ここをどう演出するかは、顔やドレスと同じくらい重要だと思います。
私は肌色ストッキングを選ぶ際、ファンデーションと同じように、自分の肌(脚)色の傾向、特にピンク系かオークル系かを自覚することが大切だと思っています。ストッキングの場合、化粧品ほど細かな選択肢はありませんが、肌色ストッキングを選ぶ際も私はこの点を考えて選びます。
私はストッキングは素足には無いニュアンスを付加するものだと思っていますから、基本は肌色です。
一口に肌色といっても微妙な差があります。基本は上に書いたとおりですが、透明度や光沢などによっても印象は異なります。そんな繊細な違いを楽しんで装いに生かしていきたいものですね。種類が多くて迷うかも知れませんが、それもまた楽しみだと思います。
肌の色は個人や民族によって異なりますから、肌色という言い方はふさわしくないかもしれません。あくまでも私個人を基準にしてということにいたします。
また、時代によっても変わります。画像は昭和40年代のシームレス・ストッキングです。今よりもだいぶオレンジに傾いています。

カラー・ストッキング

肌色以外をカラー・ストッキングと言うことがあります。正装には肌色が基本で、それ以外は用途が限定されるか、「おしゃれ用」です。
代表的なカラー・ストッキングは黒です。私はその他にグレーやネイビーも好きですが、ネイビーは再現が難しいので残念ながら画像はありません。

グレーのバリエーション

グレーは、黒よりも謙虚な感じがしますが、あまりぱっとしないのも事実です。
透明で濃いめのグレーがきれいです。ル・ブルジェVoilanceやビドリオのグレーはとてもあか抜けていてすてきです。つやがかなりあるのでお好み次第です。ピエール・マントゥーにすてきなのがありましたが残念ながら廃番になってしまいました。
左はLANVINのグレー系のバリエーションです。








黒ストッキングの魅力

私がトッキングに興味を持ち始めたのは高校生の時でした。制服の黒ストッキングの脚が人によって全く表情が違うことに気づきました。健康的な小麦色の人は茶色っぽく、ストッキングの黒と肌の色が溶け合うように見えました。一方、色白の人は地肌の白さが、薄ければ薄いほど
スマートに見える黒は肌色につぐ定番カラーですが、印象がシャープなので、スーツに合わせる時「偉そう」「威張ってる」と見えることもあるようです。また、超薄手はセクシーすぎることもあります。スーツやドレスとのバランスだけでなくシチュエーションなどにも気を配りたいですね。
黒に限りませんが、指のあとなどの色むらには注意が必要です。はくときに指を立てないで均一に伸ばすのは肌色でも同じですが、黒はむらが目立ちます。黒でストッキングのキャリアが出ます。

黒ストッキングの場合、私はほとんどノン・ストレッチのシームレスです。サイドにシャドーができて脚が立体的に見えること、色が均一で、特に足首が濃くならないのが理由です。黒と言っても黒くするのではなく、地肌に様々なニュアンスをつけることが黒タイツには無い効果です。
右の画像は"La Perla"です。大分前に製造が終わっていますが、私がはいたシークレスの中で最も美しい一足でした。



capri

黒ストッキングの表情を決めるもの

黒のストッキングは透き通り具合がよく分かります。糸の細さ、透明度、編み方などによって、色の濃淡やコントラストが決まります。デニールが低くても必ずしも透明度が高くなるわけではありません。左の画像はCapri15です。ナイロン100%のプレーン編みは15デニールでもこんなに透き通っています。サポート・タイプにくらべて、クリアで、ガラスのような透明感が脚に輝きを加えます。右の画像はKUNERTのfly&careです。こちらは40デニールです。脚のシルエットが強調されますますが、タイツにくらべると立体感があります。極端な比較ですが、薄さによる効果が歴然としています。もちろんどんな装いでも薄ければそれでいいというものではありません。その時のバランスによって選択すべきものです。ストッキングの各色の中で黒はその存在感、つまりストッキングをはいていることを最もアピールします。スマートに見せるということだけでなく、脚の表情が全体に与える効果を考えて選びたいですね。

 

fly&care
CERVIN Capri15
 
KUNERT Fly&Care

透明感

私がストッキング選びの細大のポイントとしているのは透明感です。
デニール数が低ければ透明感が高いというわけではありません。夏用のデニールの低いストッキングが各社から出ていますが、必ずしも透明ではありません。むしろさらっとした肌触りや通気性を重視して、しかも同時にサポート感を維持しようとしていますから、以外に透明感は低いと思います。一口に透明感といっても、編み方によって印象は異なります。たとえば、ゾッキ・タイプは、どちらかというとおとなしめです。ゾッキは透明感に劣ると思っていましたが、イビチのヴェールスなど最近出たハイゲージのゾッキは、なかなかのものです。

ストッキングの命は「透明さ」にあると思っています。デニールが低ければ透明というわけではありません。サポートよりも、ノン・ストレッチのほうが透明なのは糸にあります。サポートでもDCYよりもSCY、ゾッキよりも交編というように編み方にもあります。ただこれはあくまでも一般論で、ゾッキでも透明なのもあります。
透明度とは物理的、透明感とは心理的なものだと思いますが、あまり区別して使っていません。

光沢・艶

これは偏に糸の性質です。
光沢の強い糸を入れて濡れたような艶を出すのを「艶系」と言いますが、これはインポートの独擅場だと思います。Le Bourget 'Voilance' 、filodoro 'AURORA''Etra'、CdR 'Sevlla''Vidrio'が代表格で長く支持されています。
国産品でも光沢のあるものもありますが控えめでかえって効果を十分に発揮していないと思います。脚が太く見えるのを気にして、光の帯が作る脚線美を見失うのは残念なことです。



Le Bourget 'Voilance'













 

                  Le Bourget 'Voilance' 編み目





国産肌色ストッキングの実力 〜ストッキングの幸う国〜

欧米以外のストッキング大国はなんと言っても我が日本国です。細部の仕上げの丁寧さ、はきごこちと肌触りの良さは世界一といってもよいでしょう。インポートとともに大いに楽しみたいですね。一時期プレーンなストッキングが顧みられなかった時期もありましたが、企業の努力と日本人の繊細な美意識がストッキング文化を復興させました。今では、どんな脚を演出したいかで様々なタイプのストッキングが出されています。コスト・パフォーマンスにも優れている点も国産ストッキングの特長です。
インポート、国産をはきこなしてこそ、「あっぱれ大和撫子」です。

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