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button ガーター・ストッキングのすすめ

 
「はじめに」でストッキングのメンタル効果に言及しましたが、パンティ・ストッキングよりも片足ずつのストッキングの方がその効果が高いと思います。特に、ナイロン100%の伸縮の少ないものは、透明感や感触だけでなく、「はく」という一連の動作の意味がパンティ・ストッキングとは異なります。ストッキングの価値はここにありだと思います。
ただ、本音では、ガーター・ストッキング、セパレートという言い方をしたくないのですが、他に「片足ずつ分かれたストッキング」を意味する言葉がないので仕方なく使っています。かつては、シームレスやフル・ファッションと言っていましたが、ここでは単にストッキングとします。

ノン・ストレッチ

アツギがサポート糸を開発する前は、ストッキングはナイロン100%かシルクでした。いずれも今でもあり、ナイロン100%は一部の人からは強い支持があります。
ナイロン・ストッキングには、糸によりをかけたウーリー・タイプとかけていないものがあります。私は後者をノン・ストレッチと呼んでいます。ウーリー・タイプは、サポートが一般化する以前比較的安価な物に見られました。
ノン・ストレッチにもサポートにも、それぞれに利点がありますが、透明感ではノン・ストレッチに適いません。それが支持される最大の理由です。色むらも出にくく、濃い色特に黒の美しさはノン・ストレッチならではです。
はいた感じも異なります。言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、サポートが縮むことによって肌に密着し、サポート感が生み出されるのに対し、ノン・ストレッチは「型にはめる」ことによって脚線を整えてくれます。固さによるサポート感と言っても良いと思います。また、プレーン編みのノン・ストレッチは滑るような肌触りが気持ちよさがあります。相対的に保温性は落ちますが、(体質のせいでよく分からないのですが)蒸れが少なくもなるようです。
イビチ15のようなパンティ・ストッキングもありますが、脚の動きを吸収する部分が少ないので、それを補う効果のあるガーターベルトを使うセパレートが扱いやすいと思います。
画像は、Aristoc Harmony Pointです。

シルクのストッキング

映画の題名にもありましたね。響きだけでも美しいと思います。
肌触りは化学繊維には無い心地よさがあります。ただ、ナイロン・ストッキングのように薄手ではありません。光沢も均一ではありませんがそれも魅力の一つです。
なかなかはくチャンスはありませんが、一度は試してみたいですね。
右の画像は、Gerbe "Bas soie"(絹の靴下)です。


フル・ファッションとシームレス

フル・ファッションの事については別のページで詳しく書いてあります。シームレスはこれの対立概念みたいなもので、後ろのシーム(縫い目)が無いストッキングです。
今では後ろのシームが無いのが普通なのでストッキングの分類に使う人は稀だと思いますが、ストッキングのことをシームレスと呼んでいた時期がありました。滑らかな響きですので私は好んで使っています。


ストッキングのはき方

パンティ・ストッキングでも同じですが、伝線予防と、滑りを良くしてムラ無く伸ばせるように手袋をするといいといいです。手芸用品店で売っている、何も付いていない薄手の物が使いやすいと思います。
ストッキングを手繰って足先から入れ、かかとを少し持ち上げてきっちり合わせ、脚を伸ばして繊維の流れを見ながら均一に伸ばします。
吊り紐(サスペンダー)のホックにウエルトに夾みますが、前側はやや内側にします。後ろ側は真横より少し後ろ側です。
一連の動作はスツールに座って行うのがやりやすいと思いますが、最後にサスペンダーの長さを調節する時は立ち上がった方がやりやすいと思います。サスペンダーにアジャスターがある場合は、若干きつめにつり上げます。ついていない場合は、ウエルトに夾む位置で調整します。
サスペンダーをショーツの下にするか上にするかは、ベルトのデザインにもよりますが、お好みだと思います。自分が快適なつけ方を見つけるのが一番です。

ウエルト

ウエルトとはストッキングをガーターに留めるために補強され二重に折り返されている部分のことです。ストッキングの上の方は、画像のように二段階のグラデーションになっていて、一重の部分をアンダー・ウエルトなどと言います。
折り返しによりモアレも魅力の一つですね

フル・ファッションには処理のため、通常後ろに丸く穴が開いています。これをキー・ホ−ルというそうです。

ウエルトに刺繍が施されているものもあります。ゴージャスですね。昔は多色使いでもっとゴージャスなものがあったようです。現在は専らストレッチ・タイプです。 



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ウエルトに飾りを入れるのも楽しいですね。
これは、アイルランドの「シャムロック」(アイルランドの国花)で、セント・パトリック・デイ用に売られているものです。
単純な柄だったら自分で入れることもできます。小雪さんによると、薄いアイロン接着フェルトを使うと簡単にできるそうです。折り返しがくっつかないようにアイロンは低めですぐに引き剥がすのがコツだそうです。
刺繍も可能ですが高等テクニックを要するようです。








アンダー・ウエルト

アンダー・ウエルトには、ブランドのロゴなどの透かし編みなどをいれたものもあります。脚部と色を変えたバイ・カラー、伸縮性を持たせたものもあります。パンティ・ストッキングにも見られることがあります。外に見せることはありません。はいている人だけの楽しみです。













ガーター・ベルトは必需品

ストッキングを留めるガーター(靴下留め)には、リングのガーターとガーター・ベルト(英:サスペンダー・ベルト)があります。昔日本ではリングのガーターが一般的だったようですが、今は装飾用として結婚式などに使われるだけのようです。実用性・便利さから言ったら絶対ガーターベルトです。特にノンストレッチの場合、脚さばきには大きな差が出ます。
ちなみに、ここでは通じやすいようにガーターベルトと書いていますが、私はサスペンダー・ベルトと言っています。


腰に巻き付けるベルトと、ストッキングをはさむボストン、伸縮のある吊り紐(サスペンダーによって構成されます。サスペンダーにはアジャスターが付いていることがあります。ボストンの上にリボンを被せることがあります。

ガーターベルトも下着ですから、かわいらしさだけでも機能性だけでもだめです。どちらもそなえていなければ。それから他の下着をスポイルするようなものでもいけません。

プルオン・タイプもありますが、ウエストにしっかり留まるホックのものが安定感があると思います。でも、サイズが大きすぎるとやはりずり下がってきます。ウエストにジャストフィットするようにつめてください。ガーターベルトに不安を感じる方はまずサイズを見直してください。

丈は、ベルトのタイプと、ハイ・ウエストがあります。後者はボーンが入っているものが多いようです。

ストッキングをつる紐(サスペンダー)は長さが調節できるようになっています。これがないと伸縮性のないストッキングはちゃんとつれません。長すぎるとしっかりつれませんので、丈をつめる必要があります。

ストッキングを留めるホック(ボストン)の凹のほうはプラスチック製だと割れることがあります。金具の方がいいと思いますが肌へのあたりは硬めですからご自分にあった物を。ホックは少し隙間がある方が留めやすいようです。

私はサイズの調整を自分でやっています。裁縫を習ったは高校の家庭科が最後です。ですから、そう難しくないと思います。自分でも作れないことはありません。ボストンは新宿のオカダヤなど、洋裁店においてあることがあります。古くなったガーター・ベルトなどから外して再利用する手もあります。

レースの美しいものも魅力的ですが、シンプルなものもすっきりした美しさがあると思います。何よりも腰回りがすっきりします。用途に応じて使い分けましょう。

ガーターのいろいろ

ガーター・ベルトは、手軽でしかもしっかりとストッキングを吊ってくれますが、より安定感を求めるなら、スリー・イン・ワン(英:バスク、画像二番目)、オール・イン・ワン、コルセットが優れています。腰回りを覆うものは、普段使いには不便です。盛装用と考えた方が良いと思います。タンガ(画像右端)、ワスピー(ウエストニッパー)、ビスチェにサスペンダーが付いている物もあります。

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これらは、いずれもボーンが入っているものがほとんどです。デザインも重要ですが、体に合った物を選んで下さい。体に合っていれば、ボーンは全然窮屈ではありません。

そのほか、サスペンダーが付いたインナーとしては、ゲピエールがあります。ボディ・ブリーファにサスペンダーの付いたもの(画像三番目)もありますが、裾がストッキングに引っ張られる感じがしますので、ソフトなストッキング向きかもしれません。

サスペンダーが着脱可能なものがあります。中には外れやすいものもありますから、軽く糸で金具を留めるなど工夫をした方がいいかもしれません。

私はガードルやボディ・スーツにボストンを縫いつけたりもしています。割と使いやすいと思いますが、見た目はお裁縫の腕次第です。下の画像は上に掲げたボディの裏側です。自分でつける際の参考になります。

ガーターベルトは輸入下着のお店で買うのが一番だと思います。国産品のレベルもあがってきましたが、私は断然ヨーロッパ製をおすすめします。作りの良さやレースの美しさはもちろん、ヨーロッパのランジェリーには、ガーターベルトが入っているシリーズが多いので、他の下着とトータルでそろえられるのも魅力です。私は、フランス、イタリア、イギリス、スイス、オーストリアそしてベルギーのものを着用しています。ヨーロッパに行ったとき買ってきたものもあります。高級なものでもそうお値段ははりません。

構造が単純なので自作も可能です。ガードルやボディ・スーツにサスペンダーを付けるのもお手軽です。

 

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