ネパール訪問記(15 - 26, Nov., 2005)
2 - 7日目 カトマンズ
11月16日 晴れ
12:30カトマンズ着。
タイとの時差は-1時間15分(犬猿の仲のインドと同じ時刻にしたくないからだとか。。。)。
Cattle Egret(アマサギ)が空港内に。
飛行機からの降り口はタラップ。
入国審査は時間がかかる。
空港を出たところで SITA の Mountain ホテル行きシャトル・バンの案内がすぐに見つかる。
しかし同じホテルへ行く人がなかなか現れず、空港前でだいぶ待たされる。
気温は高く、暖かい。それでも厚着の現地人も多い。
T大のH教授も見かける。
ノスリ、カササギ似の鳥(Grey Treepie)、イエガラス、ドバトを見かける。
14時にようやく空港発。
サクラが狂い咲きしていた。
野良牛やニワトリ、犬がうろうろ。
雑然とした街並み。
14時半 Mountain ホテル着。
チェックイン後両替。
部屋の衛生はあまりよくない。
Sさんの携帯に電話し、夕方の予定を話す。
16時過ぎ、歩いて SCB 会場の Yak&Yeti ホテルへ向かう。
露天商も多い。
イエガラス、イエスズメ、尾の長い中型の鳥(Rose-ringed Parakeet)を見かける。
少し迷うが Yak&Yeti ホテルに到着。
元王宮だけあって立派な建物。
ヒヨドリのような声の鳥(Red-vented bulbul)が木立の中をうろうろ。
大会登録を済ませる。ホテル残金もカード払い。H教授にも挨拶。
ポスター会場は設営中のため、まだ貼れず。
ホテルのロビーをうろうろしているうちに17時過ぎとなり、Sさん、Aさん、M教授夫妻と落ち合う。
ホテル内のロシア料理店 Chimney で夕食。
ボルシチとチキンとライス。かなり高い。先生にもだいぶ負担してもらって2000ルピー。
でも食事代が高くなるのは酒飲みのせいだ!
夕食後、SさんとAさんとタメル地区のフジゲストハウスまで歩く。
一時停電していた。
フジゲストハウスで現地情報や NGO の仕事内容などを聞く。
21時ごろ2人も一緒に Mountain ホテルまで歩いて帰る。
ネパール人野鳥写真家の Shakya さん(Sさん、Aさん協力先のNGO所属)からホテルに電話があったようだ。
ロビーのパソコンからヤフーメールに接続。日本語は読めるが書けない。相変わらずKさんの鳥フル情報が多数。。。
部屋に戻って少しうとうと。
23時半頃から眠いのを押してデジカメ写真取り込みや日誌書き。
24:40就寝。
11月17日 晴れ
夜中に悪寒。
6:30に一度起きるが頭痛もするので二度寝。
8時に起き出す。
朝食は食欲もないので一番安いトーストのみのコンチネンタル式を。
8:30にShakyaさんに電話をするが出ない。
8:40ホテル発で9時前に学会会場の Yak&Yeti ホテルへ。
オープ二ングセレモ二ーが少し遅れて開始する。
頭痛と胃のむかつきでまともに講演を聴けず。
この学会は、というかアジア地区だけかもしれないけれども、ゾウ・サイ・トラ・ヒョウといった大型哺乳類の保全関係の研究がやたらと多い。
その割りにはジャイアントパンダやオランウータンの話を聞かなかった。「放生」の問題についての発表もあった。植物関係はごくわずか。
体調不良のため、昼食抜き。
昼にポスターを貼る。
午後にOP大N先生らも到着。
体調不良のため、しばらく窓辺で風にあたって過ごす。
タ方、M教授夫妻、HP大のI先生、OP大のHさん(OB)、Mさん(M1)、Sさん(M1)と王宮近くの韓国料理店 Seoul A-ri-ring でタ食。
やはり食欲がなく、ほんの少ししか食べられず。
20時前に同じホテルのI先生とホテルに戻る。I先生とまともに会話したのは6年ぶりか。
ホテルから Shakya さんに電話。
体調不良とつたない英語でうまく伝えられない。
明日21時にホテルに来てもらって作戦会議をすることに。
20:45に就寝。
11月18日 晴れ
6時半過ぎに起床。
7時過ぎに朝食。
8時過ぎにホテルを出て会場へ向かう。
8時半過ぎからツルのセッションを聞く。
午前の後半はコミュニティ・フォレスト関係のセッションを聞く。
昼食は少し食べることができた。
午後はランドスケープ・エコロジーのセッション。
午後の後半は環境教育の話。
このような話題の発表があるところが生態学会などとは異なるところ。
夕方に軽食つきのポスターセッション。
大して食べていないので、王宮前の通りのレストランに繰り出す。
M教授夫妻、Sさん、T大H教授、HP大I先生、OP大関係はN先生、Hさん、Mさん、Sさん、Tt大のIさん(PD)が参加。
表の看板にピザなどが書いてあったのでイタリアンと思って入ったのだが、コンチネンタル、中華、インド、ネパール料理といった多国籍料理屋だった。
21時に Shakya さんと約束していたので、ホテルに電話してレストランに来てもらうように伝えてもらう。
Shakya さんと明日の午前中にカトマンズ市内を案内してもらう場所を相談。
H教授も交えてネパールの鳥談義を3人で盛り上がり、トリキチと指弾される。
(右写真:トリキチ3人組。肖像権の関係でH教授は半分のみ。。。というのは嘘。森本緑様御提供)
明後日も Shakya さんにH教授と共に近くの国立公園に連れて行ってもらうことになる。
H教授からは「エヴェレスト・フライトよりもこちらの方が断然楽しい」と誘っていただく。
I先生が実は根っからのバードウオッチャーではないことが発覚。。。
食事はモモ(蒸餃子のようなもの)を少し食べたくらいで、ほとんど口にしなかった。。。
23時ごろホテルに戻る。
0:40就寝。
11月19日 晴れ
6:30起き。
7時ごろから朝食。
今日はバイキング方式。
トースト、トマト、ウィンナー、オムレツ、オートミール、オレンジジュース、紅茶。
7:40ごろからホテルロビーのパソコンからメールチェック。
8時頃にShakyaさんが来られる。
8時5分過ぎくらいにHさんもホテルに到着し、3人でバードウオッチングに出かける。
まずは王宮西の通りを歩いて北上。
王宮を果食性オオコウモリ500羽くらいがねぐらとしていた。
サギの繁殖コロニーもここにできるのだそうだ。
Common Myna も見かける。
タクシーに乗って北上してから西に折れて Rani Bari という森(公園)へ9時ごろ到着。
ここは市民が守っている森だそうだ。
日本大使館も近いらしい。
早速賑やかな鳥の声が聞こえてくる。多くは Blue-Throated Barbet。シャイな鳥のようで声はすれどもなかなか姿が見えない。
植生はクスノキやエノキの仲間、竹などがある。大木もある
小鳥の混群が現れる。Black-Lored Tit、Great Tit、Whity-Eye、Grey-Hooded Warbler、Greenish Warbler、Grey-Headed Canery Flycatcher、Fire-Brested Flowerpecker。
上空を飛んでいくインコは Alexandrine Parakeet とのこと。
丘を上っていくとやや開けており、神社のようなものがあった。
斜面の木の枝に Common Buzzard(ノスリ)が1羽止まっている。その手前を茶色の Rufous Woodpecker がうろうろ。
ようやく Blue-Throated Barbet の姿が見えた。胴体は緑色、頭は赤色、咽が名前通り青い。鮮やかな色ではあるけれども、色使いは日本人の美的感覚とはちょっと違うか。
丘の北端の斜面林内に止まっている Merlin(コチョウゲンボウ)を Shakya さんが見つける。ここではめずらしいそうだ。
エノキの仲間の大木が丘の頂上にある(右写真)。この大木の下でOlive-Backed Pipit(ビンズイ)、Magpie Robin、Plain-Backed Thrush を見る。
丘を下って森の外に出ると民家や水田。
10時過ぎに再びタクシーに乗って Ring Road を通って最古の仏教寺院のある Swayambhunath の丘へ。
ここも市内に残されたちょっとした森で、常緑樹が主体。
ここでもいろいろな鳥を観たが、 サルやマングースも見かけた。なおマングースは自然分布。ここではサルが多くて鳥の巣内の卵を食べてしまうため、繁殖期は鳥が寄り付かないとのこと。
サクラの花にメジロかと思いきや、Green-Tailed Sunbird。
Blue-Throated Barbet の姿もよく見ることが出来た。太い嘴でドングリを食べていた。
仏塔なども少し見たが、最上のメインの寺院まで行かずに12時ごろに南側に降りて、Sさん・Aさんが常駐しているNGOオフィスへ。
お茶をもらってから、パソコン設定を少し手伝ったり。
12時半頃にオフィスを出て、Hさんがマニ車を一通り回し終わるのを待ってから、再びタクシーに乗ってホテルに戻る。
タクシーは狭くて露天商の多い路地をクラクションを鳴らしつつ進む。ちなみにカトマンズ市内で見かけるタクシーの多くは軽自動車。
Shakyaさんとはホテルで別れる。タクシー代を持ってもらってしまった。
学会会場に向かう。
途中、フィルム屋でデジカメ用の単三電池を購入。
アルカリ単3電池4本で120ルピー。
会場に着いてまずはランチ。
午後のセッション前半はテクノロジー関係。
H教授は渡り鳥の衛星追跡の話。何度か聞いた話なので、むしろハチクマの東アジア諸国歴訪の旅に対する他の聴衆の反応を楽しむ。
鳥を研究用に捕獲したら、鳥フル対策などで有用な情報となるから出来る限り血液採取せよとインドからの獣医が意見。
博物館などの標本・生物多様性データを共有するシステム GBIF の話。日本の博物館も似た取り組みあるが、世界と繋がるには英語で情報発信する必要がある。
生物の長距離散布の理論的な話など。
休憩後はファンドの宣伝の後、再びテクノロジー関係でカメラ・トラップの話など。
夕方は王宮の北の Radisson Hotel にバスで移動して懇親会。
まずまず食べれたが、あまり交流は図れず。ちょっとだけ立ち話したアメリカ人からは日本人参加者はあまり来ていないのかと言われる。日本人は十数名参加しているが、ポスター発表者の割合も高く、また質問する人も少ないので、あまり目立っていないのでは。
日本人参加者の集まったテーブルで特等席なる席で食べさせていただく。
歩いて21時半頃にホテルに戻る。
0:40就寝。
11月20日 晴れ
6:00起き。
6:30過ぎに朝食。
今日はアメリカンでトースト、目玉焼き、ソーセージ、ポテト、トマト、マンゴージュース、紅茶。
7時過ぎに洗濯を頼んでからホテルを出発。
まずは王宮横のオオコウモリの写真に再挑戦。王宮前の上空を Cattle Egret(アマサギ)が飛ぶ。
Yak&Yeti ホテルのロビーに7:50着。
今日もShakyaさんに案内して頂いてH教授と一緒にバードウオッチングへ。
8時過ぎに Yak&Yetiホテルからタクシーに乗ってカトマンズ市北東のシバプリ国立公園へ。
ちなみに今日のタクシーはセダンで快適。
有名なお寺の門前を通って、小川沿いに山を上っていく。
斜面には棚田が広がる。カトマンズの喧騒から離れた高級住宅街でもあるそうだ。新品の日本車を始めとする高級車と何度かすれ違う。
途中、小川(といっても砂防工事がだいぶ入っているし、生活廃水で汚い)を覗いてH教授お目当ての Forktail 類を探す。
Oriental Magpie Robin, White-Capped Water Redstart, Rufous-Gorgeted Flycatcher がいた。
9時前に国立公園の入り口でタクシーを待たせて公園内へ。
外国人の入場料は250ルピー。軍が公園のガードをしている。
ハシブトガラスが小屋の上で鳴いていたが日本のものとは声が少し違う。
入ってすぐの堰でH教授のお目当ての一つ Slaty-Backed Forktail を観察。
白黒がとても美しい。声もすがすがしい。セキレイのような姿と生息環境だが、ヒタキの仲間。
同じ場所で Water Redstart 類を2種。
林道を上って行く。
植生はカンバ類の二次林が多く、一部にマツ植林、奥に自然林とのこと。
Warblersがいろいろ。Scarlet Minivet の赤のオスと黄色のメスがとても鮮やか。
Barking Deer(シカ) の声。Bulbul 2種。White-Throated Fantail がしきりにディスプレー。
林縁に Maroon Oriole の姿を見ていると、上空を長い尾の Grey Treepie が鳴きながら飛んでゆく。
山の上の方には鳥が少なくなるが、小川の近くの茂みに Black-Throated Sunbird、サクラの花に White-Throated Laughing Thrush の群れ、開けた場所の上空に Black Eagle。
向かいの山にお寺が見えたところで引き返す。
カトマンズ盆地は排ガスが溜まって見通しが利かない。一度雨が降ればヒマラヤの山々も見えるそうだが、乾季なのでほとんど雨が降らない。
H教授のもうひとつのお目当てのキジ類は林道上に糞が転々とあるのを Shakya さんが見つけただけ。
出口付近で Orange-Flanked Bush Robin (ルリビタキ)のメス。
最後にもう一度堰に行ってみるが、Water Redstart 類のみで Forktail には会えず。
12時ごろ国立公園を出て、タクシーで細い別ルートを下って村里の小川へ。
ここも砂防工事が入っていたり、生活廃水で汚れた川。
すぐに Little Forktail が見られる。
こちらは尾はあまり長くない。速い流れの中を太目の足で踏ん張っていた。
上空には Changeable Hawk Eagle が旋回。
遠い水田上を飛んでいたのは Black-Backed Forktail らしい。
Long-tailed Shrike やら小鳥もいろいろ見られる。
13時にここをタクシーで出て、13時半に Yak&Yeti ホテルに戻る。
全部で30数種の鳥を観ることができた。
タクシー代は半日雇って1000ルピー。全部H教授に払ってもらってしまった。
ここで Shakya さんとはお別れ。
学会会場で昼食。
午後は眠たくなりつつ講演を聴く。
土産物を探して王宮前の通りまでぶらぶら。
本屋を覗いて、カレンダーとほ乳類の切手コレクションを購入。
18時半に Yak&Yeti ホテルに戻ってマイクロバスで Closing Banquet 会場 Bhojan Griha Restaurant へ。
ネパール料理とネパール各地の民族舞踊。2組6名が入れ替わりで各地の民族舞踊を踊るので、ややありがたみに欠ける。
少し部屋が寒かった。
21時半頃終了し、Yak&Yetiホテルまでマイクロバスで送ってもらってから歩いてホテルに戻る。
0:40就寝。
11月21日 晴れ一時くもり
5:30起き。
6時から朝食。
今日もアメリカン。トースト、目玉焼き、ソーセージ、トマト、ポテト、オレンジジュース、紅茶。
7時前にチェックアウト。
7時過ぎに王宮南西のバス乗り場へ。
7:45発でチトワンへ向かう。
川沿いに谷を下って行く。斜面には棚田が広がる。
昼食前に1回休憩、2回目の休憩が Riverside Restaurant で昼食。カレー料理。
昼食後、バスを乗り換えて更に移動。
車中ではほとんど寝ていた。
最後にジープに乗り換えてソウラハの Royal Park Hotel へ14時着。
Back Next
1st - 2nd days (Bangkok, Thai)
7th -10th day (Royal Chitwan National Park)
10th - 11th day (Kathmandu)