Beijing, China(3-7, June, 2005)

3日目(6月5日)
 朝6時半起床。10階建て近くの高さの建物の上をオナガ2羽が遊んでいる。7時からバイキング方式の中華朝食。7時半に董さんとホテルを出発。バスで北京動物園へ。中国特産種のジャイアントパンダやレッサーパンダ、キンシコウのほか、トキやキジ類を初めとする鳥類を見物する。水禽園は池の中にカモやツル、サギ、カモメ類などが放し飼いとなっているのだが、空を飛んでいるものもあり、どこまでが野生なのか不明。ほぼ確実な野鳥はゴイサギ、コサギ、ツバメ、スズメ、カササギ、オナガ、ハシブトガラス。それからムクドリ大の黒くて翼に白斑のある不明鳥。北京市内はオナガカササギが多い。特にオナガの市街地への進出が著しい。日本ではもっと緑の多い住宅地に棲む鳥ではないかと思うが、エンジュポプラの街路樹の効果なのだろうか。どちらもカラスを懸命に追い払っていた。樹木については董さんに図鑑を見せてもらいながら教わる。
 動物園からバスで北海公園の北の前海へ。胡同(フートン)といわれる昔の町並みを少し見てから地安門外大街の餃子屋で昼食。海香肉糸、豆腐とピータン、澱粉の麺、水餃子3種(豚、韮と卵、豚と長葱)。
 昼食後、北海公園へ入る。ここは人造湖で、かつては頤和園と水系が繋がっていたそうだが、現在は別水系とのこと。まずは古典庭園である静心斎建築物太湖石の石組み、池にかかる橋などを見る。雨が降り始める。北海の湖岸に出てイスラム建築の白塔を眺めてから、東側を鳥の声も聞きつつ南下。カッコウが2声ずつのカコカコという声で鳴く(翌日に植物園で判明)。アカゲラの声(景山公園で判明)もする。北海公園と景山公園の間の低層住宅地には樹木も生えている。三次元の景観生態学について考える材料となりそうだ。
 次いで景山公園へ。ここは北海を掘った時の土で造った"玄武"に相当する築山。樹齢100年以上のヒノキ白松も結構ある。ただし、これらの乾いた土地に生える樹種の下を芝生にして潅水しているので、生育が悪いようだ。100年以上の老樹はBで始まる番号の青いプレートが付いている。300年以上の老樹はAで始まる番号の赤いプレート。築山の頂上の万春亭まで登る。途中、アカゲラの姿を確認。万春亭からは紫禁城がよく見下ろせる。北側の鼓楼方面北海方面も望める。築山の北側に降りる途中、Red-billed Blue Magpie(サンジャク)という美しいカササギの仲間を間近で2羽見る。景山公園の東側出口付近で盆景を少し見学。
 景山公園を出てからタクシーに少し乗って皇城根遺跡公園の北側の始点へ。明の時代の城壁遺跡であるが、住宅地の下から遺跡が出てきて、北京市は丁度緑地を増やす必要があったことから南北2.8kmの帯状緑地にしたとのこと。花壇や噴水等もあっていわゆる都市公園だが、ポプラの高木だけでなく、様々な高さの樹木からなっており、鳥類にとってのエコロジカル・コリドーとしての機能は多少果たせそう。  バスに乗って天壇公園へ。ここは世界遺産。途中に屋上緑化地があった。北京市は今月、屋上緑化を推進する計画を発表したようだ。天壇公園にはヒノキ2種の老樹、白松の老樹が多いが、新たに植栽したこれら三種の構成比がかつてとは異なっているそうだ。鳥はオナガ、カササギ、アマツバメ、ツバメ、スズメ、ドバト、アカゲラのドラミング、カッコウの声、など。回音壁園丘壇を廻った頃には本格的な雨に。長廊でしばらく雨宿りするも止まないので、天壇公園を出て紅橋市場をのぞくが何も買わない。
 夕食は天壇公園の近くで夏の北京名物ジャージャー麺。バスで王府井に戻り、書店をのぞいて植物図鑑を物色するも適当なものが無く何も買わない。雨の中、王府井の歩行者専用道路を北上してホテルに戻る。


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