はじめに
PCオーディオにここ数年取り組んできて思うことであるが、PCオーディオの多様な楽しみ方のひとつは、音楽をデータベース化し、聴きたい楽曲を、それがCDであれ、ダウンロードしたファイルであれ、はたまたアナログレコードを音源とするソースであれ、気軽に、あるいは瞬時に選曲し、再生できることと思う。もう一つは膨大なライブラリーの中で眠ってしまっている音源も結構あり、なかなか取り出して聴く機会の少ない楽曲も、PCをミュージックサーバーに見立て、BGM的にランダム再生させることにより、「意図せずとも」耳にすることができ、改めて聴き惚れることがあること。このように、手をほとんど煩わすことなく、音楽を聴き続けられることは、まさに至福である。当然ながら、PCオーディオの良さを感じれば感じるほど、「良い音で聴きたい」となるが、実は「納得できる音になるまで」には結構な道程があった。昨今のオーディオ雑誌をいろいろ拝見するに、PCオーディオはいよいよ盛んな様子であるが記事の内容は比較的ハードウエア製品よりで、USB　DAC等を購入すれば、CDをリッピングし、それでPCオーディオが組み上がるかのように記載されている。確かに「音は出る」が、オーディオを趣味とする以上は、最善の音が聴きたいというもの。そのためにいろいろと試行錯誤を繰り返したところもあるので、それらを少し体系的に整理してみたいと思う。