音源サーバーで遊ぶ:
ストリーミングを聴く時間が多くなるに連れて、音源サーバー(一般呼称はNAS)の比重というか重要度がやや低下してきたかな~と実感する。実際問題としてCDのリッピングは(当然ながらCDの購入も)ここ何年も行っていないので、ローカルの音源ライブラリーにあるアルバム数はほとんど増えていない。同様にダウンロード音源の購入も既に止めているので基本としては現状維持の状態である。しかしながら、長年のコレクションでもあるし大切な音源であることに変わりは無い。
我が家の音源はArch LinuxベースのPCサーバーにメインとなるライブラリが置いてあり、UPnP(minim sever)とSMB(sambaによるWindowsファイル共有)の二つの仕組を稼動させている。この二つのサーバーとしての機能があれば、ネットワークストリーマやPCオーディオからの音源アクセスに対応できる仕掛けとなる。なお、サーバーとしてはこの他にもArch Linuxベースのサブサーバー、ラズパイサーバー、Eversolo DMP-A6(内臓NVMeの音源)、Auralic Aries S1のLightning DS Serverと環境だけはテンコ盛りに存在している。
一方で、主力のArch Linux PCサーバーはもう何年もCPUやマザーボードなどの基本パーツは変わっていない。若干のブラッシュアップとしてSFP対応を行ったり、NVMe (M.2 SSD)に換装させたくらいであろうか。このサーバーPCの使用年数を考えるとそろそろ何か考えておかねばいかんかな~とも考えてみるのだが、あまり良いアイデアが浮かばない。
ファンレス仕様のサーバーPC:(製作してからもう大分経った)
現状の使用状況などを考えるとNVMeを満載した専用高速NASなどはやはりオーバースペックとなるし、何より昨今は種々の要因により(特にNVMeは)感覚的には倍くらいに高騰してしまっている現実もあるので、ストレージ自体はありものを使うこととして新規の購入をせずに構成の見直しが出来ぬものか考えて見た。
ひとつ、これは使えるのではないか、と思われるのはAuralic Aries S1のLightning DS Server。ポイントは、本体をスリープモードにしても、サーバー機能は稼動させておくことができるという案外イケてる機能を持っていること。もうひとつは、UPnPとSMBの両方のサーバー機能を同時にアクティブにできること。ネットワークストリーマでストレージを持ち、このUPnPとSMBの両方の機能をサポートしているケースは無いんじゃないかと思う。例としてEversolo DMP-A6(8、10を含む)に内蔵しているNVMeはSMBをサポートしているがUPnPの機能は無い。また自身でストレージを持たないストリーマ(Bluesond NodeやWiim)の方が多いと思う。
ただし、機器構成を考える上での欠点となるのは、Auralic Aries S1/Lightning DS Serverではこのストレージを内蔵することはできず、USB3.0の外付けとなってしまうこと。致命的なものではないのだが、スマートさには欠ける。これに目をつぶれば、基本的にはこれ一台で必要なサーバーとしての機能はカバーできてしまえるのだ。導入当初に実験した限りでは、USB3.0接続でSSDをぶら下げても気になるような音質劣化は無かったのであるが、やはりUSB3.0は消費電力も大きいこともあって本体への影響も皆無とは云えないことから、本運用は止めといた方がいいだろうと考えてきた。
機能的には先に述べたように、UPnPとSMBをカバーしており、何より本体をネットワークストリーマとしてはスリープモードにしてしまっても「サーバー機能」は生きている状態にできること。即ち、今回の見直しとしては「他のサーバーは不要」としてしまえる点は大きいと思う。従いこれを定常的な運用に供するためには、USB3.0の消費電力の課題をミニマイズできれば良いんじゃないだろうか、と改めてアプローチしてみた。
USB3.0のストレージを外付けする場合、何らかのケースを必要とする訳だが、NVMe、ならびにSATAのSSDケースで電源供給を行えるタイプのものは見つけられなかった(一般論的にはその必要性が薄いこともある)。可能性が残るのは電源供給するタイプのUSB3.0ハブを介在させる方法であるが、USBハブの機能はそもそも不要なので却って余分な機器を挟むことになってしまうのでどうしたものかな~と。
で、あれこれ考えている時に、ふっと思いついたのは、USB3.0用HDDケースの流用。当然ながらHDDケースの場合は専用の12V電源(スイッチングアダプターではあるが)が付いている。このタイプのケースに3.5インチ形状となるマウンターを介在させて、2.5インチのSATA SSDを搭載すれば良いのではないか?
2.5インチSSDを3.5インチのHDDのようにマウンターを介在させてセットする:
幸いにもこの手のマウンターは最近使わなくなったこともあって何個も余っている。この方式なら、Auralic Aries S1自体はUSB3.0接続のSSDを駆動するための電力消費はしないで済む訳だ。また現状この電源は12Vのスイッチングアダプターであるが、拘るのであればここを変更することも出来るという発展の?可能性も残される。
ただし、これだけではちょっと面白みが足りない。何か追加のお遊びのネタは無いかな~と。で、あんまり期待はできないのかもしれないが「マグネットフロート」を採用してはどうかと思いついた。所謂磁気反発を利用して機器を浮かせ振動を遮断するという仕組み。実際にオーディオボードとして販売もされている(SAP社のRelaxaがポピュラーと思う)のだが使用した経験は無い。従って、その効果の程も分かっていないので、良くなるかもという期待値も現実感としてそれほどある訳では無い。それでも、お遊びとしては面白そうだし、経験してみなければ評価もできないだろう。
ベストなのはネットワークストリーマ自体を浮かせる仕組みなんだろうけれど、ある程度の重さの機器を浮上させるためには相応の磁力とバランスの考慮も必要となるので、まずは実験(実際はお遊び)と称して、今回のこの外付けUSB3.0ケース用のマグネットフロートボードを作成してみた。若干高級なNASにおいてはストレージの防振構造等を持ったものはあるが、流石にマグネットフロートまでしているものは把握していないので多分存在してはいないだろう。であれば、やって見る価値は尚あるというもの。
使用したのはMDFボードとネオジウムマグネットでいずれもダイソーで極廉価に購入した。仕掛けはまったくシンプルなもので、ボードの四隅に磁気が反発するようにエポキシ接着剤でマグネットを貼り付ける。ガイドピンは2箇所とする。小さなネオジウムマグネットであるが、MDFボードとUSB3.0ケースを浮かせるには充分な磁力があった。(ある程度重量のある機器に適用する場合はそれなりの磁力の
ものを計算して用意する必要がある点、留意)
フローティングによる隙間は8㎜程度:(効果のほどは?)
全体としての機器構成のシンプル化と若干のオーディオ的(?)考慮の自己満足に過ぎないとは思うが、現状機能や音の観点からの課題は全く無いようにも思える(期待値を上回るようなものではないが)ので、これにてしばらく運用してみて改めて改善点の洗い出しや仕組みの評価をすることとしたい。
(注記)このような観点で改めてAuralic Aries S1の機能を紐解くと、単にネットワークストリーマの機能に留まってはおらず「デジタルプロセッサー」として面目躍如の感がある。DACレスの構成ではあるが、デジタル入力切替の対応+サンプリングレート制御、パライコ機能、そして今回のサーバー機能。その上で、音そのものも相当に評価している。しかしながら、、、(推察に過ぎないかもしれないが)トランプ関税の影響によって米国を主要な市場としていたAuralicはビジネスの継続が困難となってしまった。このため、現在の機能を維持・発展させたような次世代機の登場を期待することは最早できない。残念なことだと思う。
(左)Eversolo DMP-A6 (右)Auralic Aries S1:
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