Royal Concertgebouw Live!:
オーディオシステムにとって一番ハードルが高いのはオーケストラの再生だろうと考えている。多様な楽器の音色や質感の表現、静寂から爆発に至るダイナミックレンジの大きさ、そして何より忘我の境地へといざなってくれる音楽の魅力の提示がそれが例え「オーディオシステムからの再生」であっても十全に感じ取れることが重要なポイントである。
このためのオーディオシステムは求められるパフォーマンスを具現化する能力がきちんと備わっていなければならず、当然ではあろうけれどこれをシステムとして構築するハードルは存外に高いと思う。また音源の難しさも交響曲や管弦楽曲の再生には付き纏う。個々の楽器の音が精緻に捉えられており、かつホールの響きもまた自然であることが望まれる。弦の比重が一番高いと思うが、加えて重々しい低音から軽やかなピッコロ、澄み渡るトライアングル、、、これらが凝縮して「録音」の中に生気を保ったまま閉じ込められていなければならない。録音上の作為的なところがあまり無く録られたライブ音源にはその感が強く、とても素敵なものが多い。演奏終了後の拍手もその演奏の熱量を端的に表しているようでここも一つの聴きどころだろうと考えて興味深く耳を傾けることにしている。
オーケストラの技量の評価や指揮者による表現の違いを論ずることは浅学にしてほとんどできないのだが、何十年も前からコンセルトヘボウは一番好きなオケであった。特に根拠は無いのだがこれはおそらくは感性によるものなんだろう、、、
(注記)若い頃から随分と聴いてきたベルナルド・ハイティンクがエリー・アメリングと共演した1967年録音のマーラー交響曲第4番の影響が大きいんだと思う。なお、興味深い紹介記事が
こちら
にあったのでご参考まで。
近年はどのオーケストラもそうであると思うがライブ配信等にも力を入れているようで、コンセルトヘボウの場合は大変嬉しいことにライブ音源がストリーミングにて非常に沢山聴けるように今はなっていて本当にありがたいのだ。
Amazon Musicの「Royal Concertgebouw」検索結果:(文字だけのカバーの多くがライブ録音)
ちょっとやそっとでは聴き切れないほどの豊富さ:
自分のオーディオシステムの熟成度合いがオーケストラの演奏を聴くことによってある程度評価できるんじゃないか、とも考えていることは先に
記した
。もちろん完全なる納得や理想には至っていないとも思うが、ここにあるような素晴らしい音楽を日々堪能できていることはとても幸せなこと。オーディオに求めてきた至福がここにある。
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