オーディオ日記 第59章 ただ音楽のために(その23)2025年8月20日


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模索し続ける(その2)

ストリーミングを楽しむために宅内配線など最上流とも云える箇所のブラッシュアップに一応の目処をつけて、今度は一転下流となるパワーアンプ周りの見直しを行ってきた。内容は4台のパワーアンプ用の電源ケーブルと電源タップをまとめてリプレース、2台のパワーアンプを新規導入した、というものになる。

ちょっと矢継ぎ早の更新なので、音への影響も懸念していたのだが、現状特段のデグレードは無い模様で多少ほっとしてもいる。今後少しづつ熟成を進めていけば僅かでも前進となるだろうか、、、

これらの変更部分がそろそろ環境に馴染みある程度はこなれてきた段階と思うので、改めて測定、微調整を行っておくこととした。感覚的には大きなズレは無いものと思うけれど、自分の感覚程宛にならないものは無いとも自覚している。パワーアンプを交換しているので微妙な出力レベルの差が生じてしまっているかもしれないし、またタイムアライメントも為念確認しておいたほうが良いだろうと考えた。

パワーアンプのリプレース等によってアライメントが微妙にずれるという問題意識は特には無かったけれど今回それなりに厳密に測定してみた。最終的には敢えて微調整を行う必要は無い、と思われる結果であったけれど、測定結果そのものは測定の都度僅かであるが差が生じるという経験則もあるのでこれで正しいのか未だ定かではないところは残っている。また、測定結果に過度に依存してはいけないと思うのだが、4wayともなると当方のような駄耳では接続ミス等を行っていても気が付かない、という(お馬鹿な)ことも起こり得るのでその担保も兼ねている。

本日の測定の結果は以下の通り。

(左)Wavelet Spectrogramによるタイムアライメント、(右)Short Sign Sweepによる周波数レスポンス
Time Alignment Frequency Response

タイムアライメント、周波数レスポンス(含む出力レベル)、いずれについても特段のズレは無かったので少し安堵もしているが、精緻な設定の差異による音の違いなど元々知覚、把握できていないとの自覚もあるので、測定の結果がそこそこだとそれだけで精神的にも納得してしまうところがある、と自己分析している。いずれにしても、このような測定によって音そのものの良し悪しを語ることはできないと肝に銘じておく必要があろう。

なお、パワーアンプの交換作業中にちょっと気になったのがスピーカーケーブルの末端処理。アンプとの接続はYラグなどを介さず直接繋げている(スピーカー側はバナナプラグ)のだが、かなりの年数使ってきているため、アンプのスピーカーターミナルに挟み込む部分のケーブルの状態ならびにハンダで固めた部分など少々痛みが進んできている。アンプの交換作業と音出しを優先したので、一旦ここは放置して作業を進めたのだが、ある程度音が落ち着いてくるとやはりこのままでは宜しくないな~と。

スピーカーケーブルはもう10年どころではなく使ってきているモニターPC(現在のInakustik)のCobra 4S、6S(既にメーカーページは無いので、参考情報は ここに )というシルバーコーティングされた極細OFCのケーブルなのだが、同社ではこの後継となるような「極細線」のケーブルは無い(極細でなければシルバーコーティングされたものはある)。この極細線のしなやかさ、ケーブル自体の柔らかさがとても使い易く気に入っており、音もそこそこ良いと思う。

なお、ケーブル自体はアルミ箔のテープを全体に巻き、更にアセテートテープで固めてある。見栄えはともかくあまり損傷している訳では無いし、OFCの線材そのものもシルバーコーティングされているのでそれほど経年劣化してはいないだろうと推測する。

既に販売終了してから大分経つものなので今はもう中古品でニーズに合う長さや状態の良い物は稀有(たまにヤフオクで見かける)で同じケーブルを手当てすることは望み薄。そういうこともあって、ずるずる使ってきている(茹で蛙状態ともいう)。また、極細の撚り線にシルバーコーティングされたスピーカーケーブルは探してみても切り売りが前提であるため候補はあまり多くない(4way用として4ペアーが必要となるため調達コスト的にはある程度リーズナブルのものという条件も重要となってくる)。

で、已む無く当面は現状のスピーカーケーブルを継続使用する前提で、スピーカーターミナルの接合部分のみをメンテナンス(延命とも云う?)しておこうかと。傷んだ部分はエイヤで切り落とし、新たな線材部分を剥き出しにして銀ハンダ( Oyaide SS-47 )でばらけ防止と固めを行っておく。これだけの作業なのだが、気になってもいた部分なので気分的にはちょっと安堵する。まぁ、音がどうのこうの、というレベルの話ではないが、、、案外と気に入っているケーブルなので懸念事項は減らしておくべきだろう。

どうせならここも新たなスピーカーケーブルの導入? ということを考えねばと思うのだが、これならいけるかなというケーブル候補は、 Van Den Hul The Magnum Hybrid (483本の撚り線、シルバーコーティング、国内価格11,430円/m)辺りだろうか。単価的にはそれほど高価なケーブルとは云えないが、接続距離を3mとすると左右x4wayでトータルは8倍の24mが必要となるので、、、まぁまぁ以上のコストともなる。これはちょっと思案のしどころかと思うが、当面は延命策でしのごうかと。