オーディオ日記 第59章 ただ音楽のために(その2)2025年3月22日


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Streaming Processorの研究(その2)

Auralic Aries S1が注文から僅か数日で北京から届いた。早速セットアップして嬉々としてAmazon Musicを中心に聴いている。

Amazon Music音源(24/96)再生中のLightning DS(専用リモコンソフト):
Auralic Aries S1

実はオーダーを入れた後、AuralicのCEO兼デザイナーである Xuanqian Wang さんより使用環境の確認のためのメールをいただいた。メール内容からの推測となるが日本国内にはこのAries S1のユーザーはまだ居ないようで、ネットワークや使用条件に関してのアドバイスも含まれていた。海外から多少の機器調達の経験はあるが、このような丁寧なメールをいただいたのは初めてのことである。

事前にいろいろとリサーチをした上での導入であったので、環境面での齟齬はなかったし、実際に手元に届いてからのセットアップに躓いたということもない。もちろんネットワークストリーマー機器の設定の詳細やUPnPサーバーに関する知識(それに若干の英語?)等々に慣れているに越したことはないが難しいことはない。

本機導入の狙いはUSB DDC兼リクロッカーであるMUTEC MC-3+USBとマスタークロックを使わず、そのままデジタル出力をデジチャンに入れるという機器構成の断捨離推進なのだが、これに関して率直な感想は以下の二点。

1.同軸S/PDIF出力を直接デジチャンにいれることで全く問題ないレベルの実力であった。
2.また、改めてMUTEC MC-3+USBの優秀さ(介在させる効果)も確認できた。(注記)

音の背景が静かでS/Nの良さを感じさせる点は好印象。細身、軟弱な感じも無く、高域方向の音の芯が明確で低域の厚みもしっかり。従ってこの塩梅ならば導入目的は一応は果たせるかな? という感じである。

各機能との関連で要確認事項であったサンプリングレート制御、サンプリングレートスィッチングレイテンシー、パラメトリックイコライザも取り急ぎ確認したが、イコライザは左右独立ではなくモノ仕様であったので、当方としては不合格点。サンプリングレート制御に関しては、「フィルターオプション」というものがあって、これによって音が変化する。最初はデフォルトのままで聴いていることに気が付かず、これも駄目だな~と思ってしまったが、「Precise」という設定が忠実度が一番高いと思われこれならば実用上問題なし。サンプリングレートを変えずに16bitを24bitに変えてくれるというような仕組みもある。S/PDIF出力の使用が前提であるため最低限DSDtoPCMはやってもらわないと困るのだ。なお、デジタルイン、デジタルアウトの経路のテストは現状未実施。

コントロールソフトであるLightning DSの詳細な操作性については更に確認していく必要があるが、現在までのところ想定の範囲で、概ね合格点と云って良いだろうと思う。ただし、痒いところに手が届くというレベルの完璧さは、多少の期待はあるのだけれどやはりそこには至ってはいない。反応速度に関しては、画面操作はUPnPタイプのコントロールソフトなので「一瞬の溜め」というものがある。使えないというレベルではないが、当方的には超サックサクで動いてくれないと合格にはできないな~という感じだが、これは無いものねだりの範疇かも。

Amazon Musicに係わるプレイリスト廻りが当方にとってかなりの重要事項なのであるが、面白いことにアカウントの認証を行った後に、自分のMy Music情報(作成してあるAmazon Music Playlistを含む)を一気に取り込んでAuralic独自のプレイリストとしても登録してくれる。これは面白いし、かなり有用な仕掛けだと思う。(まだそれほど詳細までは確認テストを実施できてはいないが)

読み込まれたAmazon Musicプレイリスト:(プレイボタン付きで即再生開始、MAX100個)
Auralic Aries S1

オールアルミ筐体で外観や造りは良くできている部類に入ると思うが、高級機という程ではないのでそれなり。まぁEversol DMP-A6などと同等レベルである。端子類もそこそこ高品位なものを使っている。ただ、筐体の形状は特異で幅20cm、奥行39cmと縦長のスタイルなので好みは分れるかもしれない。サイズ的にはEversolo DMP-A6と並べた画像を以下に掲載するが一回り大きい程度で、存在感があるほどのサイズではない。

(左)Eversolo DMP-A6 (右)Auralic Aries S1:
Auralic Aries S1

(注記)Bluesound Nodeは素の状態でのデジタル出力であればそれほど評価できるものではないが、電源の変更と併せてMUTEC MC-3+USBを経由させることでやはり「音が化けている」んだな~改めて実感した次第。Auralic Aries S1もFEMTOクラスのクロックを搭載しているので、単体でも充分と思わせられるレベルの音なのだが、印象としてはNode+MUTEC MC3+USBを遥かに凌駕している、というほどではない。まだAuralic Aries S1とMUTEC MC-3+USBの組み合わせは試していないが、この構成が一番良くなってしまうと、せっかく構成をシンプルにしたいがための施策が後戻りしてしまうことになる、、、