宅内配線に悩む(その3):
オーディオに係わる原動力のかなりの部分はドーパミンの放出と強い関係があると思っている。良き音を聴いた時の感動は現実的にはドーパミン(脳内麻薬という云い方もある)によるものであり、それ故に一度でもこのドーパミンによって一定レベル以上の感動(つまりは快楽)を味わってしまうと、最早今までの音ではとても満足できなくなり万難を排してでも更なる良い音を求めようと足掻いてしまう。
オーディオの音には、謂わば賃金と同じような性格があって強い下方硬直性を持つと云っても差し支えないだろう。一度高みに登るとそこから落ちたところに留まることはできなくなる。おそらくは自宅試聴という罠もここにあるんだろうと思うのだが、そう判っていてもいつも罠に掛かってしまう、、、
さて、今般実験した宅内配線まで光ファイバーに置き換えてシンプル化を図ってみようという試みは、まさにこのドーパミンの活発なる分泌を引き起こしたようで、実験後に従来の構成に戻しても最早心ここにあらずの状態。どうすれば恒久的な配線とできるのか、その手段方法についてぐるぐると考え続けてしまうことになった。だが、配線工事に絡んで天井あるいは壁に穴を空ける必要もありそのための工具も必要になるかも、などこれだという方法論、解決策には自分自身では至らなかった。
ぼ~っと考えているところに家内より納戸から物を出して欲しいと頼まれた。何気なく納戸を空けてみて驚いた。何と納戸(幸いにも終端ハブが置いてある部屋の)の中の壁面に点検口があるではないか! 既に10年以上住んでいるにも係わらず、その存在は意識の中には全く無かった。何とも、、、
で、用事もそこそこに点検口を空けて懐中電灯を突っ込む。一直線ではないものの、ルーターが設置されているバスルーム天井裏からこの懐中電灯の光が認識できる。つまり、工夫すれば配線可能と思われる。これを狂喜乱舞と呼ばずに何と呼ぶのだ。早速通線のための10メールほどのやや太い針金を調達しにDIYショップへ急ぐ。少々難儀はしたが、バスルーム天井裏からこの納戸の点検口まで針金を通すことに成功。これができれば光ファイバーの配線はできたも同然。
将来的なケーブルの交換も考慮して、光ファイバー以外にも新たな通線用の紐も仕込んでおく。これで万全。納戸の点検口は天井ではなく壁面なのでこの点検口の隙間からケーブルを出して一旦天井まで立ち上げ、テープで天井に貼り付ける。さらに納戸の扉の脇まで這わせ、そこから垂直に床まで壁に沿って降ろす。床面と扉は僅かな隙間があるので(ファイバーはメタルLANケーブルに比せばとても細いので助かる)そこから部屋に引き出せばそれでOK。無事終端ハブとの接続が完了、通信状態も問題なし、、、脱力するほどにほっとする、やれやれ~。
納戸内の点検口から引き出す:(まさかこんな形で実現できるとは)
ふっと思いついた妄想プランであったが、やはり実験を含めてチャレンジして良かったと思う。もちろんここでの音の根拠について理路整然と語ることはできないが、構成や結線をシンプルにすることのメリットはあったと信じて良いだろう。一方で、かなりの長さのある宅内配線を「オーディオ用LANケーブル」へと変更した場合に比すれば光ファイバーのコストは驚くほど安いことは紛れもない事実。今回の結果について半信半疑なところも多少ながら残ってはいるし、ハブによる音の差自体まだきちんと掴めていない、、、
けれど、気持ちは早この先の妄想へと飛んでいってしまい、ルータとの接続ならびにネットワークストリーマ、NAS見合いのサーバーPCとの接続用と考えて、終端ハブは少なくとも三個のSFPポートを持つ機種が欲しいな~と思ってしまう。現状我が家にはSFPポートを持つストリーマは無いのだが、発展的に考えればどうもこのようになっていくのではないかと想像できる。
ただし、ちょっと検索した限りだが(大袈裟となってしまう業務用を除いては)三個のSFPポートを持つハブは
QNAP
のものくらいしか見当たらなかった。まぁ、それでもあるにはあるので安心材料だろう(オーディオ用ハブと銘打ったものはSFPポート2個のものが多く、価格的にOut of Rangeの
製品
では4つというものあるようだ)。
後はこのシンプルな経路をベースして、どのように個々の機材を煮詰めて行けば良いか、そこがポイントとなろう。だが少々気になる点もある。光をベースとしたLANは高速化がどんどん進み、現状は10G(SFP+)は当たり前。だが、オーディオ的には1G(SFP)に抑えたい。SFP自体の発熱も高速化に伴い激しくなることもあって、オーバースペックは避けたいところ。だが、1G用のSFPモジュールは現状既にメジャーではなくなってきている(その分廉価という恩恵もあるが)ので、ここは早めに予備も含めて1G用のモジュールを確保しておいた方が賢明だろうか。
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