オーディオ日記 第57章 道の向こうへ(その23)2024年 8月10日


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音を進化させたい(その3):

我が家のオーディオの音を熟成、進化させたいと足掻いては来たが、では今までと較べて一体どのように変化してくれればその目標を達したと云えるのだろうか。個々の音の表現や評価でこれを的確に語ることはやはり難しいものがあって、結局は好きな音源(=比較検証に良く使っている音源)が自分にとって「こういう風に鳴って欲しい」と思うように再生されることなのだろうかとも思う。

このところ行ってきた「進化を目指す」というお題目に対してのチャレンジ結果として、弦、オーケストラ、女性ボーカルはもうこれでいいんじゃ、、、と思わせられるくらいに素敵に再生されるようになった。この過程でのデジチャンリニューアルの貢献度はかなり大きいと思う。導入から一ヶ月以上経過したこともあって、そのパフォーマンスを遺憾なく発揮してくれるようになってきたんだと推測するが、やはりデジタル周りは機器(あるいは使用されているDACチップ等のデバイス)の音が総合的な音楽表現に絡んでくるようにも思えて、この観点からはデジチャンのクオリティアップが我が家に於いて重要な改善要素になったと改めて認識できる。

なお、今までの調整はベリ三兄弟を対象として行ってきたがここまでの音が出せるなら、、、と欲を出してSONY SUP-T11の構成でも柳の下の泥鰌を狙ってみたくなる。そこでまずはミッドハイだけをBliesma M74BからSONY SUP-T11に変更して設定、微調整と試聴を繰り返してみた。

四つのユニットのうちひとつだけの変更だし周波数バランスとしては大きな差がある訳ではないのだが、それでも表現は微妙に変わる。やはりSONY SUP-T11(含むSUP-L11)というユニットはボーカルの再生が秀逸だという評価は自分でも不動である。Bliesma M74Bは比すればHi-Fi調であり、ここには指向特性の差もあると思うけれど空間表現や透明度、高域感に優れている。一方、SONY SUP-T11は人の声の存在感とその微妙な魅力を感じさせてくれる。「血の通った」と評価することが適切かどうか判らないが、そのようにも感じさせてくれる質感であって女性ボーカルを聴く安心感、安定感は比類がない。

SONY SUP-L11 & SUP-T11 :今でも輝きを失うことはない宝物
My Sony System My Sony System

既にSONYのユニット達とは20年を超える付き合いでその酸いも甘いも知り尽くしたつもりにはなっていたが、ここでの新たな設定で聴く女性ボーカルには本当に心がほぐれる、溶ける。率直に云えばこのような音を今迄出せてはいなかった、、、ということなんだろう。低域の左右の僅かなレスポンスの差異(部屋の影響)をパラメトリックイコライザで調整していることもあって、音の定位、声の芯の出方も自分としては納得の域。極めて反応の良いユニット達なのでデジチャンによる質感の向上についても敏感に反映してくれている。

4way構成に於けるユニットの違いによる音を対比的に語ればこのようになるが、オーディオ的な意味での優劣は付け難い。どちらの構成においても「純」な音が聴ける、楽しめる、ということなんだろうと思う(雑味が少ないとも云えるかも)。もうそれだけで良いのかな~と。

何度も言及してきたように自己満足の世界なので、現時点での設定がベストとは云い切れないし、明日になればまた微調整をしたくなってしまうかもしれない。けれど、嬉々として音楽に没頭できること、それがそもそもの願いだし、そこに少しでも近づけたのであればこんな幸せはない。半世紀を越えてやってきたオーディオ、幾度かの転居に伴うシステムの変遷を経て来て、今この齢となってこのように感じられることを感謝せねばならない。

旧宅でのシステム構成(左)と転居後の初期構成(右):
Old My System Old System

旧宅でのサブ、JM Lab(現Focal)Vegaも素敵なスピーカーだった:
JM Lab Vega


          DF-75 SONY SUP-T11構成の設定値(Memory2) / 2024年8月10日
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- SONY
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
SONY
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-75の
出力設定
dB +0.8 +1.2 -7.3* +3.9
*Analog Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.8 86.7 87.7 83.9
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz
300
300

680
700

3400
6300

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-12 6-flat
DF-75 DELAY
設定
cm -19.0 +22.0 -49.0 +20.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-75 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-75デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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