オーディオ日記 第57章 道の向こうへ(その13)2024年 5月 2日


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密林をもっと良い音で:

社会人一年目にAltec 416-8A、802-8Dを導入したことが自分の「オーディオ人生」の第一ステップとすれば、それから既に50年が経とうとしている。長かったのか、短かったのか自分が感じる時間の尺度は時に変化するので、その長短を一言で表現することはできない。けれど、オーディオの音の成長という観点でみればやはり随分と時間が掛かってしまったようにも思える。

それでもこのところ、何とか安心して多彩な音源を楽しめるようにはなってきたと実感する。もちろん決して理想の実現には至っていないし、極上の音と自信を持つことはできないけれど、、、ベリ三兄弟においても、 FPS 2030 (中低域)とSONY SUP-T11(中高域)の構成の場合でも音楽の表現が何とか形になったのではないかと考えている。

どちらの構成でも低域はSONY SUP-L11、高域は Scanspeak D2908/714000 と同じなのだが、中低域、中高域のユニットが異なることによる音のニュアンスの違いはある。周波数レスポンス的にはあまり差は無いのであるが、ユニットの形状の違いによるものなんだろうと思う。ベリ三兄弟はコーンとドーム型の組み合わせなので形状としては一般的だが突き抜け感や広がりに秀でている。他方はFPSの平面振動板とSUP-T11のホーンというちょっと変則的なもの。指向性という観点で見ればベリ三兄弟に比して狭いと云えるだろう。

だが、逆に振動板面積が大きいことや音を前に飛ばす、という点には長けているので、音の充実度、安定感に関してはアドバンテージもある。大きめの音量でオーケストラを再生させる場合などは身体で受け止める音圧が快くもあるのだ。

ふたつの構成においてこのような音を楽しめるようになってきたことは無上の喜びでもあるが、さてもこうなると人間の欲には際限が無くて更なる向上を目指せ、となる。これはもうオーディオファイルの宿命、不可避なものなんだろう、、、

スピーカー周りの(新しい遮断特性の採用による)設定、調整が両方の構成に於いてやっとひと段落したことでもあるので、懸案でもある送り出しの最上流、我が家においてはネットワークストリーマーであるが、そのブラッシュアップを何とか出来ぬものか考えてみた。ストリーミング(特に密林音楽)をもっと良い音で聴きたいのだ、、、

ストリーミング(密林音楽、Qobuz、ネットラジオ)、自分のライブラリを一元化した操作で音源の所在を区別すること無く楽しめる、という点で我が家では現在のところBluesound Nodeに軍配が上がっており、Eversolo DMP-A6はプレイリストの自由度において少々ビハインドしている。PCオーディオであるAoE II Symphonic-MPDは密林音楽の再生ができないという致命的な課題が、、、

と、思っているところにビッグな情報である。このAoE II Symphonic-MPD環境に「gmediarender」というパッケージを導入することによって、密林音楽の再生が可能である、と。このgmediarenderはその名の通り、メディアレンダラーとしてAoE II SMPDを機能させるというもの。これにfidata Music app(メディアコントローラ)、Soundgenic Plus(メディアサーバー)を組み合わせることによって、密林音楽の再生ができる由。Soundgenic Plus(またはfidata AS2)が密林音楽再生をサポートしたことは判っていたが、このような仕掛けによってAoE II SMPDの構成をUPnP環境の出力デバイス(メディアレンダラー)として使えるようになるという次第。

正直夢物語のようにも思えたのだが、実際に実践している方も居られる。で、まずはAoE II SMPD環境にこの「gmediarender」を導入すべく奮闘(実際にはSympnonic-MPDのフォーラムメンバーにおんぶに抱っこ状態だったが)してみた。導入ならびに音出しまでは完了したのだが、運用安定性という観点では残念ながら及第点とはならなかった。いろいろと意地悪テストをしてみると音が出なくなってしまったりと安定性が磐石ではないのだ。これはフリーソフトなのでやむを得ぬ点とは思うが、音楽を聴く段となってのストレス要因となるのはちょっと困ってしまう。しばしあれこれとトライしてみたが我が家の環境では納得レベルまでには改善できなかったので、当面本運用は棚上げと相成ってしまった。真に残念。

結局、我が家の密林音楽再生の主役は相変わらずBluesound Nodeとならざるを得ないが、音、機能と操作性、そして安定性という観点でこれを超えるもの(Auralicという強力な候補はある)を導入したいが実現していない。仕方ないのでやや消極的なアクションなのだがNodeを少しでもブラッシュアップすることを考えてみた。

密林音楽の再生環境や操作性については多少文句もあって自分の中では是非論があるのだが、音源の充足度という観点からは(Qobuzの国内サービスもどこかに飛んでしまっている状況なので)他に乗り換える選択肢は未だ無い。そう考えると、「藁にもすがる想いで」出来る施策はやってみたいもの。

先に、Node用の電源環境において、 FX-AUDIO Petit Tank (Limited Edition) というバルクキャパシタを使ってみたところ、いい感じであったので、同様の手法でもう少しコンデンサ容量を増やしたものとすれば、何がしかの改善が可能かも、と。元々Nodeは電源系にFidelity Audioの I/Fキット を導入しており、ここでのコンデンサ容量は18,000μFある。追加分となるPetit Tankは2,640μFと15%程度のアップにしかならないので充分とは云えないような気がしていた。

というところに、FX-Audio Petit Tankとほぼ同等の構成、サイズでありながら、10,000μF容量のものがヤフオク出品されている(しかもお安い)ではないか!? これでは飛んで火に入る虫にならざるを得ない。で、早速ポチって繋ぎ変えてみた。

ヤフオク出品の10,000μF(上)、FX-Audio Petit Tank(下):
Capacitor Condensor

結論的には、顕著とは云えないまでも、音の(特に低いほうの)充実感、安定感が出てくる感じで、全体としても音が落ち着いてきた。正確に聴き分けられているというほどの自信はないのだが、僅かでも良いと感じられればそれでも採用、という結論となった。ささやかな幸せ、というレベルだろうか、、、

密林音楽再生に関して「これだっ!」というとどめの機器があれば速攻乗り換えたいと思うし、Auralicの国内での販売を切望するのだが、こればかりは如何ともし難い、、、だが、可能性は全くのゼロではない。 fidata AS2 による密林再生である。操作性(特にプレイリスト廻り)や横断的なストリーミング対応の是非など把握できていない事項も多いのでじっくりと研究してみたいと思っている。


                 Blisma M74B用4way構成の設定値(2024年4月16日)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- SONY
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
Bliesma
M74B
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.2 +0.7 +3.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.7 82.7 83.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz
315
315

800
800

2800
6300

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-6 6-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -19.0 +22.0 +20.0 +19.5 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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