オーディオ日記 第57章 道の向こうへ(その5)2024年 2月 1日


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進化するEversolo DMP-A6:

ファームウェアが V1.2.50 へと更新され、今までベータ版であった有用な機能が正式のサポートとなった。当方にとって大変ありがたいのは以下の三点である。

1.Hybrid Queue
ストリーミング音源とローカル音源をミックスしての再生が可能。この機能は当方には必須と云って良い程のもの。
2.Sample Rate Switch Latency
次に再生する曲のサンプルレートが異なる場合、最大3秒までディレイさせることができる。デジタル出力をMUTEC MC-3+USB経由でデジチャンに入れているので、新しいレートに切り替わってロックし直すには少々時間が掛かってしまうため、時に頭切れが発生していたこともあるのでこれは非常にありがたい機能。
3.Equalizer(Parametric & Graphic)
ネットワークストリーマ機器単体としてイコライザ機能を持つ機種はあまりないと思う。本機の特徴はいくつかのイコライザパターンを作っておくことが可能で、それを出力毎に個別に設定できる点。例えばアナログ出力のみに適用、あるいはデジタル出力でもUSB出力にのみ適用する、など。単に機能のオン、オフではなくてこのようなスタイルはちょっと画期的かと思う。

他にも細々と ブラッシュアップ されており、音も幾分洗練されたかのような印象がある。当方は使用していないのだがApple Musicへの対応も細かい修正が施されている由。

Eversolo DMP-A6:USB出力をMUTEC MC-3+USBに入れてParametric Equalizer機能のチェック
Eversolo DMP A-6

さて、今回はこのParmetric Equqlizer機能が実際使えるものかどうか、じっくりとテストしてみた。先の日記にてデジチャンの機能を駆使して周波数バランスの微調整を行ったことを記載したが、やはり「完璧」とまでは云えないので遊びも兼ねてEQ機能にも手を伸ばしてみたというところ。基本の基としてEQ機能のオンで音質劣化してしまっては話にならないので、まずはこの点に注力して試聴、確認を行った。

厳密に云えば、若干の劣化はあるのかもしれないが、聴いてみてほぼ検知できるものではなくこれなら使えそう。別途機器を追加、というような環境であれば、接続(含むケーブル)やサンプルレートに係わる課題(192Kの非サポートなど)が起こってしまう可能性があるので、その部分の心配が要らないというのはかなりの安心感がある。そのような観点からは、ネットワークストリーマ内のDSP処理のみで完結した補正を行いデジタル出力してくれることにアドバンテージがあるなぁ~と思う。

Eversolo DMP-A6のParmetric Equalizerは、EQ機能を通してもデジタル出力がサンプルレートダウンされない点(44.1~192Kまでちゃんとサポート)は特筆に値するし、またS/PDIF出力、USB出力にて異なる設定を行うこともできる(もちろんアナログ出力の場合も個別にできる)のは強み。Parametric Equalizerのオプションは、Peak、Notch、Low Shelf、High Shelf、Band Pass Filterなどから選択でき、当然であるが周波数、Qの設定も任意かつ自在であるので、実用上の要件はほとんど満たしている。

Equalizer機能の設定用画面:(借用画像)
Eversolo EQ Setting

さて、Parametric Equalizerの設定にて今回狙った調整はリスニングポイントでの測定結果に基づく次の二点。
1.100~200Hz付近の部屋の影響と思われるレスポンスの落ち込みの補正(デジチャンだけでは補正しきれていない)
2.12KHz以上のリスポジまでの距離によるなだらかなレスポンス低下の補正(更なるエアー感を希求)

補正レベルは1.2dB~1.8dB程度で極微量に留める。それでも聴感上の効果は認められるかどうかなのだが、実のところ自分でも意外な程の好結果。デジチャンの設定だけではちょっと隔靴掻痒のあった点が細かく補正できるのでこれは妙に納得感がある。

ちょっといい気になって、中高域ユニットの受持ち帯域部分をそれぞれリスポジで聴きながらタブレット端末で設定を弄り、聴感優先でBliesma M74B用、SONY SUP-T11用と異なるEQパターンを作ってみたのだが、それぞれのユニットの特徴を活かすような微調整が可能なので、これもバッチリ嵌る。いや、驚いた!

Eversolo DMP-A6は決して高価なネットワークストリーマではないのだが、元々の多機能さに加えてここまで出来てしまうし、音的にも遜色ないので自分としての評価は「爆上がり」である。メイン環境ではiPADからのリモコン操作で、サブ環境ではカラーディスプレーパネルを直接操作しての使い勝手は元々結構良いと思うので、メイン、サブの二台体制にするため、もう一台欲しくなってしまった、、、


                 SONY SUP-T11用4way構成の-6dB/oct設定値(2024年1月25日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
SONY
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 108.0 (+18.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.8 +0.7 -7.0* +4.7
*Analog Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.8 86.2 86.0 84.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz 56

315
315

1000
1000

5600
6300

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct 6-18 6-12 6-12 6-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -19.0 +20.0 -47.0 +20.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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