オーディオ日記 第56章 音楽三昧の日々(その4)2023年9月29日


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ベリリウム市場に異変?:

ちょっとうっかりしていたのだが、Scanspeakのベリリウムユニットに関する ニュース (アラート情報)を見落としていた。何でも振動板に加工するためのベリリウム箔の供給が突然ストップとなってしまった由。これにより同社のベリリウムツィータの出荷が大きく影響を受けるとのこと。 米国MATERION社 がベリリウム箔の供給会社であることはParadigm社の 紹介映像 にもあるが、Scanspeakもここから調達していることがこのニュースで紹介されている。ベリリウムは世界規模での生産量は2021年度資料で300トン未満(8~9割を米国が占める)と案外と少ない。Paradigm社はベリリウムユニットを搭載したスピーカーシステムが主要な製品ラインアップであるので、今後は何らかの影響を受けるのだろうか。

米国ではMagico社や Perlisten社 のスピーカーシステムがベリリウムユニットを搭載しているので、需給バランスが何らかの要因で取れなくなったということなのかもしれない。あるいは、ベリリウムはレアメタルとしてその鉱石の採掘について特に中国の動きが活発となっている現状があるので、米中間の政治的な駆け引きの遠因もあるのか?と邪推もしてしまう、、、

(注記)ベリリウム自体はハイテク素材として非常に優秀であるため多方面(原発などでも)で結構な需要があり、その価格高騰や資源の奪い合いが問題となっている面あり。また、 鉱石精製技術 も高度なものが必要となる。

BliesmaやSB Acousticsのサイトではそのようなアナウンスは現時点ではないが、M74Bユニットを購入した Solen(カナダ) では既に「Out of Stock」となっている(Summer SaleのDiscountに釣られて買っておいて良かった!)。ツィータユニットについて現時点では在庫はあるようだが、いずれにしても今後ベリリウムユニットの価格の上昇、あるいは入手難という事態は避けられないかもしれない。

Focal社のベリリウムツィータは真空蒸着法によって「自社生産」しているとのことなので( 出典 )影響はないのかも? と思うけれど、TADの場合はどのように振動板を製造しているのだろうか。ベリリウム箔の調達を海外(Materion社など)に依存しているとしたらやはり影響を被るだろうと推測される。 

このような不穏な動きの情勢下では(僅かな期待は持っているのだが)新たにベリリウム振動板を持つミッドウーファーを開発、製造するユニットメーカーなど現れることはないだろう。そうやって改めて考えてみると、何とか現時点でベリ三兄弟を揃えることができたのは稀な幸運であったのだろうか、、、

ベリ三兄弟、上:Scanspeak D2908 中:Bliesma M74B 下:(Experimental) BeW-16
(Experimental) BEW-16 Bliesma M74B 02


                 4way構成の設定値(2023年9月18日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.0 +0.7 +2.4 +4.3
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.0 86.2 84.4 84.3
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

250
250

1250
1250

3150
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 +22.5 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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