オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その20)2023年8月17日


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反省点:

いろいろと調整、設定作業をしていると、それと気付かない設定ミスを犯してしまっていることがある。うっかりとしたものであっても原因が判るまで「音が悪くなってしまった」とあれこれ悩んでしまう。デジチャンの設定のみならず、ケーブリングも案外と複雑なのでどうしてもミスが起こりえるのだが、特にスピーカー周りはアンプとダイレクト接続なので何らかの間違いがあれば高域系のユニットは飛ばしてしまう危険性もある。

4wayマルチアンプ構成 でさらに変則的な使い方をしていることもあって確認は欠かせない。マルチチャネルアッテネータにも4wayの各チャネル毎のレベル調整機能があり、これとデジチャンの出力レベルの合成にて最終的なレベルバランスをとっている。また、擬似的モノアンプ構成ということで、2台のパワーアンプにて片チャンネルの高域、中高域、中低域、低域を担当させているので結線にも細心の注意が必要となる。

自分でもやりすぎ感があるほどなのだが、良い音を求め続けた過程でこのようにならざるを得なかった、、、だがこの年齢にもなってみると、これを今後間違いなく維持できるのか、ちょっと自信がない。現に、今回の新ユニットの設定に関連して僅かな設定ミスに気付かず数日音が「おかしい、おかしい~」と悩み続けてしまった。

健康なままでもだんだんと注意力や記憶力も衰えてくるので、よほどしっかりとメモしたり、確認をしたりしないといけない状況になりつつあるのだろうか。逆に云えば、現状が一般的な観点から考えてパッと見て判らないほどに奇怪すぎる構成とも云える。従って、当方の息子達であってもこの構成をメンテするのは(オーディオ知識はそれほどないので)多分無理だろうと思う。

今後のことを考えれば「システムのシンプル化」を図るべき時期に来ているのかもしれない。だが、デジチャンベースのこの4way構成を捨て切れるのか、と自分に問えば、それは今はまだ出来ない、、、だが間違いなくそう遠くない先には決断を迫られるだろう。

残りの時間は短い。しかし、気を取り直して今できることに邁進しなければ。新しい構成で希求しているのは、完璧な「弦の再生」である。この実現のためにはとにかく(高域の)音の純度を上げなければならないと考えてきた。高域の捉え方はオーディオファイル皆それぞれ異なるものかもしれないが、当方の考えている高域とは概ね1KHz以上である(1KHzのサインウェーブでも人間の感覚としてはかなり高い音)。

そしてここで云う高域は、か細い音ではない。厚みや実体感のある芯の通った音で、打ち鳴らすようなパルス性の音も現実のように再現できなればならない。情緒的な高域である必要は無く、また聴き易さを求めるような丸まった音では全く駄目なのである。優れた反応速度とリニア―な瞬発力、低歪さが重要で、感覚的に表現するならば音がピンピンと立っているもの。曰く凛とした音と云っても良いかもしれない。これにより音の繊細さや質感まで漏らすことなく十全に表現できてこそ、自然な弦本来の美しさ(そして峻烈さ)も再現できるようになると考えている。弦の音は近接的な録音、演奏であっても風の様にただ頬を撫でる如く優しく通り過ぎて行って欲しいのだ。これが実現できるものならば、、、そう思いひとつひとつ階段を登ってきた。

しかし、自分自身の構成ではもちろんのこと、今まで聴いてきた多くのシステムでも自分なりに合格点と思うものは稀有で極めて難易度が高い。低域も難しいし、ここで求めるような高域の再生はもっと難しいのかもしれないけれど、これをどうブラッシュアップさせ理想に近づけていくのか。ユニットの導入で多少とも拓けてくる世界はあるだろうと期待しているけれど、それ故に混迷も深まって、更に混沌とした構成や設定に落ち込む危険性もまた予見される。

そして、弦の再生は間違いなく音源の質にも依存し左右される。少なくとも雑味のあるような音源では理想的な弦の音を聴くことは難しい。そのような音源の再生に随分と四苦八苦もしてきたが、そうすると知らず知らず音を丸める方向に調整してしまい、結局元の木阿弥となる。今は無理なものは無理として考えるようにもなってきたし、デジタル録音(技術)とストリーミングの恩恵なのかもしれないが自然で且つ優秀な音源を居ながらにして選別できるというのは何ともありがたいこと。新ユニットの設定調整ではかなりの部分をバイオリンソロあるいはそれに近い内容の音源を吟味堪能しているのだが、求めているものに見合う音源が沢山あるのはやはり幸せである。

このような再生ができるシステム環境や設定が整っていけば、理想の弦の再生も可能となるだろう。そしてそれに華として音楽の煌めきが加わってくれれば天上天国の世界である。だが、それは今の構成で本当に可能なのか? どこまで近づいているのか? いつ到達できるのか? 何が足りないのか? そう考え始めてしまうとこれはまた思考の出口が無くなってしまう。遥かに遠いと思うのならば、ベリリウムのミッドローユニットが欲しいなどと御託を並べずにさっさとPersona Bを購入して、あわせてシステムの断捨離、簡素化を図ってしまえば良いじゃないか、、、そういう心の囁きも聞こえる。だが、それで心満足して死ねるのか? 多分、「否」だ。


                 4way構成の設定値(2023年8月17日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.0 +0.3/-1.0 +3.0 +3.5
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.0 85.8/84.5 85.0 83.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

250
250

900
1000

4000
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 +22.5 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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