オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その19)2023年8月13日


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展開を考える:

新しいユニットを導入すると期待値もそれなり高いせいか、設定や試聴に勤しんでしまう。さりとて、この構成が落ち着きを見せるのは早くても半年先か、それとも一年以上はかかるだろうか。すべての音源に合格点を付けられるような完璧な音楽再生を強く意識することは無いのだけれど、ついついそこを目指してしまうもの。夢物語なのかもしれないが、結局そのようなパフォーマンスを期待し目指しての設定、調整作業になるので、そう簡単には終わらないことになってしまう、、、

そもそも「全き再生」をしてくれるオーディオデバイスというものは無いとも思うし、部屋(専用のオーディオルームではない)という課題はクリアーできていない。それでも今までの音楽再生を僅かでも超えて行きたいという望みを持ち続けている。このこと自体が重要なんだろうと信じつつ。

さて、今回の新ユニット(Bliesma M74B)の一般的なポイントとしては、
1.周波数レンジが広い(600~8KHz)実質は6KHz程度と思うが
2.レスポンスは概ねフラット(3KHz辺りに1~2dB程度の凹みあり、@1m測定)
3.能率(97dB)が高く、歪率もそこそこ優秀
4.音色的な個性はほぼ感じない
というところで、かなり使い易いユニットだと思う。ミッドハイ帯域をカバーするユニットは選択肢が限定的でもあるし、ベリリウム振動板を採用しているミッドハイ用ユニット(市販品)は現在他にはない。なお、74mmサイズの振動板は意外に大きく感じて視覚的な存在感はある。試した訳ではないが、シルクドーム系の高域ユニットとの組み合わせは案外と難しいかもしれないな、と感じる点はある。

さて、このユニットを我が家の4way構成において、どの周波数帯域で使用していくか、目下のところこれを定めるのが目標である。基本として考えてみれば800~4KHz程度だと思うので、当初はそれでスタートしてみたが、それではちょっと無難すぎて面白くは無いかも? で、低い方を630Hz、高い方を5KHzとして両側のクロスオーバー周波数を変えてみたりしながら試している(まぁ遊びの範疇であるのかもしれないが、デジチャンの威力はここで大いに発揮となる)。

現状掌握しきれていないながら音の印象を挙げるとすれば、クリーンで雑味が少なく、(ちょっと判りにくい表現だが)音の背景までをも描くような表現ができる。そして音の芯は強い(アルミダイヤフラムのような甘さはない、ここがシルクドーム系の高域ユニットとの組み合わせが難しいと思う理由)。今後の熟成が楽しみでもあるが果たしてこのユニット手懐けられるだろうか、まだ自信は無い。  

さて、ここからどう展開させていくか。そのビジョンを考えてみたい。こうなってくるとミッドバスにもベリリウム振動板を持つユニットが欲しくなるのは、仕方の無いことかも、、、だが、現状手に入れられるユニットはない。パラダイムのPersonaシリーズに搭載されているミッドウーファーユニットは筆頭候補でもあるが、これを手に入れてユニットを取り出すという荒業しか手段が思い付かない。

かなり昔にはなるのだが、日本のOscarというカーオーディオメーカーが Qrino BEW-16 という16cm級のユニットを販売していたこともある。生産停止してから久しいので、現在では程度の良い中古品を探すのはちょっと絶望的なのが残念。これが手に入るものならチャレンジしてみたいのだが、、、

四半世紀以上前には、YAMAHAやPIONEERなど日本のスピーカーメーカーにとってはベリリウム振動板の採用は一般的なレベルであったのだが、その技術は(どういう理由によるものか不明なのだが)あまり継承されていない。TADに搭載されているユニットの一部などに残る程度か。イヤフォンやヘッドフォンでは最近僅かに国産品もあるようだ。かってベリリウム振動板そのものを製作するための機器は日本製であったはずだが、記憶が曖昧で、いろいろと情報をネット検索してみても現時点ではもう正確なところは判らない。

海外のブランドが頼みの綱なのだが、流石に16㎝級のユニットの登場は優秀な競合品も多くコストの観点からも期待薄かもしれない、、、その機会が来るまではカーボンテキストリームのミッドロー用ユニットに頑張ってもらわねば。


                 4way構成の設定値(2023年8月9日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 +3.0 +6.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 85.0 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

250
250

800
900

4000
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 +22.5 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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