オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その17)2023年8月9日


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猛暑のせいというばかりではなく、家に籠っていつもよりずっと長い時間音楽を聴き続けている。新しいユニットの割には案外と早く概ねの設定値が決まってきたのでいろいろなジャンルの音楽を聴き込んでいると云えばよいだろうか。だがBliesma M74Bの素顔はまだまだ掴めてはいない。

あれこれと音楽を聴きながらインプレッションをメモした紙は結構な枚数になってきたのだが、それでもうまく言葉でこの音を表すことができていない。能率が97dBとドーム型ユニットとしては相当高いこともあり、印象的にはホーンドライバーであるSONY SUP-T11(110dB)に近いような瞬発力を持っていることも関係するのだろうか、音が凛と立っている印象である。

音の力感、繊細さ、透明度、バランス、奥行き、広がり、明瞭度、密度感、、、ありきたりのオーディオ単語や形容詞で型に嵌めて語ることがうまくできないのだ。空間そのものを描くようなイメージもあって音は飛び散る。弱音時に高音部が埋没してしまうようなこともない。音量をそこそこ上げても優しく音楽は破綻しない。

木管楽器の音は柔らかに空間に浮かび、弦はしなやかでありながらきりっとしている。一方で打ち込み系であればドンパチと鳴り、録音良さげ系では人工美とも思われるエコー感をより顕在化する。そして何より金管の咆哮は期待に違わない。

音の表情は聴く音楽(あるいは音源の出来?)によって都度変わる。楽器そのものの気配を際立たせつつ風の様に音楽が吹き抜けて行くような感じであって、ユニットを云々することができずもどかしい。敢えて云えば多彩(変幻自在、千変万化)な音なのか。おそらくは物理特性の優秀さに基づくものと思われるが、音の純度が高く付帯感のようなものはほとんど感じず、音の芯が明確。高域、中高域のユニットの反応速度が振動板素材を同一にすることによって揃ってきたことの恩恵なのかも知れず、そのようなことなのかな~と何となく理解できてきてはいるのだが、、、

この程度の語彙力では受けた印象すら伝わらないだろうと思うし、結局は音楽や音を言葉で語らんとすることの愚かさもあろう。ただ、改めて感じたのは中高域のユニット(帯域として800~4000Hz辺り)の音楽の印象に対する影響力。「表現力」という観点では現時点でも既存の二つの中高域用のユニットを超えてしまっているのかも、と思う。ほどなく(現時点では聴き慣れたSUP-T11の端正さに僅かに軍配)このユニットはメインの構成になるだろうとの予感はおそらく間違っていないだろうし、設定や使いこなしの熟成によって更に大きな期待も。このところちょっと課題としてきた音楽の華麗さという観点では半歩は近づけただろうか。

国内での導入事例はまだ見つけられていないし、海外情報もまだまだ少ないユニットである。4wayの構成であれば推奨したいユニットでもあるのだが、600Hz辺りから使えるので、20~25㎝級のウーファーX2とすれば3way構成でもいけるかもしれない。ユニット購入というスタイルのオーディオ的アプローチをしている方は現状は少数派だろうと思うけれど、ここにはオーディオの限りない楽しみの一つがある。


                 4way構成の設定値(2023年8月9日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 +3.0 +6.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 85.0 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

250
250

800
900

4000
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 +22.5 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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