オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その8)2023年5月14日


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世界には音楽が満ちている:

音楽を聴けるという幸せをこのところ実感している。昼はやや大きな音量で、夜は控えめながら心地良い寝落ちへと、、、そこそこオーディオを堪能できていると云って良いのかもしれない。

オーディオに開眼以来慣れ親しんだアナログディスクは既に断捨離してしまい再生環境は無い。CDトランスポートも活躍の機会が全くという程無い。かってはせっせとCDリッピング作業をして構築に取り組んできたライブラリ音源であるが、これもたまに思い出したように聴く程度になっている。この観点でみると、アナログディスクでスタートした自分のオーディオであるが、CDからファイル音源へと緩やかに変遷(カセットテープやMDという途中経過もあったが)してきたものが一気にストリーミングへと様変わりしてしまっている。

思う。PCオーディオにも随分と入れ込んできた。ある意味で究極を目指してきたはずのPCオーディオによるライブラリ音源の再生もすっかり出番が減ってしまっているという現状はいったい何故なのだろう、と。ネットワークストリーマ―で楽しむストリーミング音源、それが左様に主役となってきたことには明確な理由があるはず。そもそもオーディオ的に「音に拘る」という観点からすれば、現状のネットワークストリーマー(Bluesound Nodeという廉価なもの)は若干の工夫や手当をしていたとしても、盤石ではない。常にもっと良い再生環境があるはず、それを手に入れなければ、という想いは変わらずに残っている。

それでも、日々音楽を聴くという、この日常の中で現在のネットワークストリーマ―機器の電源が落ちていることはない。もちろんお気に入りの曲など特定の音源を比較的頻度高く聴くこともあるのだが、それ以上に「どんな音楽が聴けるか」というワクワク感と云うか、期待感があって、未知の音源を選択することが多い。あまり聴いたことのない曲や指揮者やオケ。もちろんすべての音楽に納得、という訳ではないにしても、この新しい出会いはとても楽しい。聴き流すのではなく能動的に音楽を聴きにいく、と云えばいいのだろうか。そして気に入った曲に巡り会えれば、どんどんお気に入りのプレイリストに追加していく。ここにはライブラリ音源構築と同じような収集の満足感もまたある。

そう、世界には音楽が満ちているのだ。ストリーミングで聴ける音源はあまりに膨大過ぎてとても全部を聴くことは能わないけれど。だが、確実に感動をもたらしてくれる曲や演奏があって、現実的にはそれほど多くはない割合なのだが、これを掘り起こしていくという「出会いの楽しさ」がある。ここには音源の物理的な入手という手間は不要なのだ。サブスク料金以上の負担も必要ない。

サーバーPCに置かれているライブラリ音源の多くも自分にとってはお気に入りの音楽であって、言うなれば慣れ親しみつつ何十年も掛けて少しづつ構築して来たもの。それ故に大切な音源であることは間違いないのだが、一方で何度も何度も聴いてきたものなので、新鮮味は少ない(たまに聴いてほっとするような音源ももちろんあるのだが)。

冷静に考えれば、ストリーミングという魔界に落ち込み、そこに捉われてしまっているという状態でもあろうか。だが、自分にとってオーディオとは何だろうと、今一度考え直してみれば行き着くところは「音楽を聴くための道具」という解になる。あれこれと弄る(暇つぶし的な?)趣味でもあるし、自己実現(自慢的な?)のようなところもある。このようなオーディオに係わる(多分に自己発露的な?)日記などを書いていると、時にそれがもっと大それたもののようにも思えるし、音を語る哲学的な(単なる考え過ぎの?)思索になってきたりもする。

結果として自分のオーディオを言葉にしようとすると「オレのオーディオ、スゲーんだぞ」的な表現(決してそんなことはないにも係わらず)になってしまうような一抹の危惧もあるのだが、それは厳に戒めねばならないことだし、そもそも自分のオーディオの価値判断は自分の中にしか存在しない。他と比較して右、左というものではないし、語るべきは音楽の感動の度合いであって、機器の量や質ではない。ましてやかけた労力とか対価の大きさでもない。如何にすれば、音楽がすっと心の中に飛び込んできて、その世界に自分の魂を飛翔させることができるのか、それが本来の命題だと思う。

演奏や演奏家の質を語ることも自分にとっては本意ではない(し経験値的にもそれをする能力がない)。好きな音楽と成り得るかどうか、聴いて心地良いか、もちろんこれだけが価値判断の全てではないけれど、結局は己の感性の枠でしか捉えることはできない。一方で、音楽はまた、音によって構築されているが故に、音自体もこの感性の対象になる。従って、耳に福という感じでは無い音は自分にとって「幸せの音」にはならない。だからオーディオ的にも成長がなければ、この耳福の音は得られないと思う。大きな対応であっても小さな施策であっても積み重ねがこの成長には繋がっていく。

自分のオーディオの来し方を思えば、どうやってこの幸せの音に近づけるか、どうやったらそれが出せるのか、ということの臥薪嘗胆、悪戦苦闘であったようにも思う。もちろん、現状それが出来ている訳でもないし、まだまだ足りないところは多々ある。それでも少しづつではあるがかってよりは納得の音と思える比率は上がっても来ているようにも感じるけれど、寝落ちしつつある状態で音楽を聴きながら、次に何をすれば良いか、何を積み上げていけば良いのか、その方策を練っている自分を停めることはできない。多分それが「オーディオの神髄」なんだろうか、とも考えてみる(而して、これは永遠の無いものねだりと同義なんだろうと自分では思っているのだが)。

世界は音楽に満ち溢れている。そのすべてを堪能することはとてもできないにしても、欲張ってできるだけ沢山聴きたいのだ。それも自分の納得というレベルに留まらず、それを遥かに超えるような「イイ音」で。単純に云えばそういうことなんだろうな~と。ちょっと開き直り過ぎのような気もしないではないが、これがこの先の自分のオーディオの道の指針となっていくんだろうか。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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