GentooPlayer & Diretta:
Diretta Target PCのソフトウエアライセンス入手方法が分かっていなかったのだが、幸いにも掲示板にてご教授いただいた、深謝。あわせてGentooPlayerの紹介もいただいたので、ここはちょっとGentooPlayer + Diretta Host Driverを試してみなければ、、、と思い立った。先日はWindows上のJRMCとの組み合わせで密林音楽の再生で遊んでみたが、やはりLinux環境でもDirettaを使った音を聴いてみたい。Linux版のDiretta Host Driverをスクラッチで準備するのはちょっとハードルが高いのだが、GentooPlayerならWEB UIからの機能選択のみでDiretta Driverが使えるので格段に容易。
ただ、この
GentooPlayer
は只者では無いほど選択可能なオーディオ関連機能が満載である。その分、ある程度はLinuxの知識や使用したい機能の設定スキルなど必要かもしれない。もちろん、ほぼWEB UIで機能選択や設定ができるので、Linuxコマンドを叩くことはあまり無いが。インストール自体はダウンロードして起動ディスク(あるいはUSBメモリ等)に書き込むだけなのでこれも簡単。Trial Keyをリクエストすればあまり間を置かずにメールでTrial Keyを送って来てくれる。
どのような環境に設えようかと考えてみて、音の比較の観点から一番シンプルなMPDを使うこととした。これであれば、Symphonic-MPDとガチンコで対決?できる(ただし、Symphonic-MPDの場合はバックエンドからのS/PDIF出力、GentooPlayer+MPDは Diretta Target PCからのUSB出力)。謂わば、AoE vs Direttaである。ユーザーも多いし、評判の高いDirettaなのでLinux環境でどんな音になるのかちょっとドキドキする。
Diretta HostをActivateする:(パラメータはWindowsと項目が異なっている)
MPDの設定でDiretta Targetを選択:(試用版にてTarget PCからMUTEC MC-3+USBへ出力)
GentooPlayer(USB)、AoE Symphonic-MPD(S/PDIF)、いずれもMUTEC MC-3+USB経由とし、ここで入力切替を行って比較する。MUTEC MC-3+USBではマスタークロックを使ってリクロックを行わせるいつもの構成である。
さて、GentooPlayer Linux版のDirettaの音であるが、低域にゴリっとした感じがある。だが高域感が失われることも無く全体の押し出しもバッチリ。これはなかなか良いと思う。一方のAoE Symphonic-MPDは聴き慣れた音であるが、やはり女性ボーカルなどナイーブでしっとりとしている。その分音の力感は幾分おとなしく感じるかも。この辺りになると音源との相性も含めて好みの問題になるかな~と単純に優劣で語ることはできない。
同じ音源を何回も切り替えながら聴いていて、ふと思ったのは、、、これはUSBとS/PDIFというデジタルフォーマットの違いも含まれているのではないかと。だが、現状はどちらも出力を選択することは不可なので、元々の違いなのか、経路(USBとS/PDIF)の差なのか判別することはできないのだ。また、AoE(Audio over Ethernet)とDirettaという伝送方式の差異もあるはずなのだが、これがどう影響しているのか、皆目判断もできない。
しばし悶々として聴いていて、そうだBluesound Nodeならどちらの出力も出来るじゃん、、、Bluesound Node自体も当初はS/PDIFのみで、その後USB出力ができるようになった経緯がある。このNodeの時もS/PDIFとUSBでは微妙な差があることが認識されて、しばし迷っていたのだ。
で、AoE Symphonic-MPD、NodeのS/PDIF出力、GentooPlayer+Diretta、NodeのUSB出力というグルーピングをして改めて比較試聴してみることとした。当然なのかもしれないが、S/PDIFのグループとUSBのグループに音の傾向に共通項があるのだ。これはもしかしたら、中継点となっているMUTEC MC-3+USBの入力系統による音の違いに帰結するのかも?との思いが若干ながら強まった。Node単体でもS/PDIF、USBには差があるのだが、これがNode自体に起因しているのか、MUTEC MC-3+USB側の差なのか、完全には判別できてはいないのだ。
これはちょっと困った、、、だが、考えてみればそこまで厳密にああだ、こうだ、といっても詮ないような気もしてくる。要は気持ち良く音楽に浸れれば良いのだ。どちらもが遜色のない音だし、音楽の内容、音源の質によってもそれぞれの評価の軸は変わるだろうと思う点もある。
もちろんDirettaのパラメータ設定などほぼ素人レベルなのでその分のギャップはあるかもしれない。ただ、今回の構成によってLinuxベースでDirettaの経験ができたことは大きい。もともとDiretta Target PC自体もLinuxなので、Diretta DriverのLinuxへの組み込みももっと広範囲かつ簡単にできるようになればいいなと強く思う。
また、GentooPlayerであれば、RoonとDiretta Hostを組み合わせた環境にもできるので、その観点(当方の様なWindows嫌い)からの選択もありだと思う。当方もRoonが密林音楽をサポートしてくれれば悩まずにその環境一択となる可能性もあるのだが、何とかならぬものか、、、あるいはQobuzの国内サービス開始に伴って、密林、林檎に対抗し得る国内音源の品揃えとなってくれれば、それで決着かも。あれこれと迷っていることもそれなりには楽しいのだが、やっぱりシンプルな機器構成が一番楽だよな~とも思う。PCオーディオも卒業して、ネットワークストリーマ一台で全て完結! 音も満足、サブスクも一つでOKということになってくれれば、、、
4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
SB Acoustics MW16TX |
Sony SUP-T11 |
Scan Speak D2908 |
- |
能率 能率(90dB基準相対差) |
dB |
97.0 (+7.0) |
87.5 (-2.5) |
110.0 (+20.0) |
93.0 (+3.0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.0 |
+1.0 |
-9.0 |
+4.0 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-9.0 |
-2.0 |
-3.0 |
-0.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0 |
0 |
-12.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.0 |
86.5 |
86.0 |
85.0 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
~ 140 |
140 ~ 710 |
710 ~ 4000 |
4000 ~ |
High Pass ~ Low Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-48 |
48-24 |
24-flat |
|
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-8.0 |
+19.5 |
-37.0 |
+25.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|