オーディオ日記 第54章 今は空も飛べるはず(その2)2022年7月26日


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ぼ~っと生きてる暇はない:

ちょっと青臭い人生論になってしまうが、このところ「この先」を考えることが多い。今迄と同様に活動できるというメーターの残時間はおそらく確実に減少を続けているだろう。先にぎっくり腰を初めて経験してひと時であるが歩行困難にも近い状況になったし、その後も完全に回復したとは云いきれない。家内も昨年頚椎性神経根症というものになって数ヶ月以上も首や肩の痛みに悩まされた。現在はそれほど深刻ということではないのだが、自分でも意外なことに改めてこのようなことをあれこれと考えてしまう。

リタイア後は自由な時間も相当あるし、経済的にもまぁあまり心配はいらないだろう、という状態にどっぷりと甘えて無為に時間を浪費していることは否定できない事実。だが、一般論的に体力も行動力(=精神力)も伴っていると云われる黄金の60代も程なく終わりを迎えることとなり、いよいよ黄昏の70代となる。確かに視力や気力、そしてかなり重要なこととして筋力の低下は最早否みようがない。

ここしばらくはコロナ禍を言い訳に外出も減り、確かに安穏として音楽に身を委ねていることは至福である。だが、のんびりし過ぎた日々を送り続ければ体力、気力が自分でも気がつかないうちに削がれていく。そうでなくてもこれに年齢というより過酷な流れが加わってしまうのだ。

思い返せば、オーディオを含めていろいろな趣味、遊びに精を出してきた。セーリング、スキューバダイビング、シュノーケリングなどのマリンスポーツ、キャンプにスキーなどのアウトドア、そして登山。ほとんどは家族、あるいは夫婦で楽しんできた。これにラジコンを含めた飛行機系を加えれば正に海、山、空である。もちろん、多くのカテゴリに首を突っ込んで来たので本当に意味で「極めた」と云えるレベルに達したものは殆ど無い。

一番頑張ったのは多分セーリング競技だと思うが、これとて全日本選手権というレベルのレースでは何度も挑戦したが三位が最高で優勝には後二歩届かなかった。登山も100名山制覇とはならず70座弱に留まっている。残っているのは比較的アプローチし難い南アルプスや西日本の山々なのでこの先全座登頂とはもうならないだろう。それでも北アルプス系の山々には魅了されて何度も通った、、、

先の北海道旅行では旭岳、黒岳、樽前山とかなり登りやすい山々にチャレンジしたが夫婦共々体力、脚力の衰えを改めて痛感せざるを得なかった。この先、一日の行程が10時間を越え、更に数日に渡る縦走が必要となるような山に向かうのは最早無謀となってしまうだろう。キャンプも大好きなので夏の北海道は真にキャンパー天国でもある。しかし、ぽつりと家内曰く「やっぱりホテルの方が楽~」と。それは確かに、、、

インカレ470級で3レース連続トップフィニッシュを果たした栄光の?スキッパーも今や孫たちにとってはヨットに乗せてくれるだたの船頭さんでしかない。家族でのスキーはリフトを降りたら直ちにノンストップで競争のようにリフト乗り場を目指す。一日券の元を取るばかりではなく、その2倍は滑らないといけない、というのが我が家の暗黙のルールでもあった。思い返せばいろいろなことが鮮やかに甦っては来るのだが、過ぎ去ったことは単に思い出であって、それにしがみついても詮の無いことである。

家族に関しては、今のところ無事に「命のリレー」は繋いだと云えるだろう。二男一女で孫が6人。長女は看護士。二人の息子の嫁も共に看護士。次男は脳外科医なので、この先老夫婦に何かあった場合でも余り不安は無い。また既に夫婦共々、それぞれの両親を無事に見送ることができた。

日本全国をほぼ周り終えてもなお旅することは当然として、まだまだセーリングは続けたい。無理の無い登山はしたい。空も飛びたい。そう、ぼ~っと生きてる暇など無いのだ。多少の年齢であれ何であれ自らに言い訳して生きてはいけないのだ。

オーディオは理想と思える音の再生を追求したい、それも同じ。しかしある意味、ここで述べてきたような全てのことにおいてテープを切れるゴールなど無い。ゴールは唯一つ。自らの命の旅の終わりである。それが人生のゴール。

終わりはきっとどこかにあるのだがそれは見えず、けれど今この瞬間はずっと継続する時間の中を生きている。もちろんオーディオにもっと精を出して、時間も費用も掛けて、、、という欲は捨て切れない。

だが激しく燃やすべき熱意の対象はオーディオ機器そのもなのか? 自らそう問えば、答えは明確に「否」である。モーツアルトを極上の音で聴きたい。ここは何ら変わってもいない。だが、それはオーディオシステムなのか、演奏や音源なのか、、、今のシステムで世界中のありとあらゆる(と云えるほど)の演奏(=音源)を好きな時に好きなように聴けるのだ。オーディオ、それ自体はおそらく音楽と出会うための「音源探しの旅」でもあると思う。自分の好みにマッチしていて、尚且つ録音も良くて、自分のシステムでも充分にその良さを感じさせてくれる演奏、音源を探していくことが何より重要なんじゃないか、と。おそらくそのような演奏は深い感動をもたらしてくれるだろう、今の自分のオーディオの構成や限られた再生能力であっても。

サーバーPCに蓄えられた耳タコに近い音源の微妙な再生の是非を論じて何度も比較試聴し、その差異に一喜一憂することが自分オーディオなんだろうか、と反省するところも沢山ある。そしてそんなことが本当に「幸せの時間」を過ごしていることになるのか?

長年オーディオをやってきて今更ながら思うことは、オーディオは「無いものねだり」の趣味ような気もしてしまう。決して手にすることの出来ない理想の音を求めて、散財も時間も厭わずに。もちろん良い音楽を聴く至福は、それに応え得るオーディオシステムの裏打ちが無ければならないのだが。長年斯様なブログを書き綴っては来たけれど、今想いは揺れている。

「Boys, be ambitious like this old man!」:原文は略されることが多いが、本当はlike this old manなのだ。これ重要!
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                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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