オーディオ日記 第53章 超えてきた壁越えられぬ壁(その19)2022年5月22日


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メタルか光か、それが問題だ:

自分でもお馬鹿な実験だな~とは思いつつもあれこれやってみて僅かながら何か掴めてきたような気もする。もちろん音が劇的に良くなった、などということではないので結果についてあまり声高に云えるものではないけれど、自分なりに向上できたという実感も多少ながらはある。僅かな成果かもしれないが全く徒労に終わってはいないのでその点は少々安堵も。

フロントエンドとバックエンドの直結している経路に敢えて100Mハブを突っ込む(という普通では考えにくい)ケースについて検証を続けているのだが、これが1Gのハブならどうなるのか、合わせてテストしてみている。LAN速度が音に影響するのか、単にハブを介在させることの変化にとどまるのか、、、単なる心理的なもの以上であることの確証を得てみたいのだが、正直1Gハブではかなり微妙でもう少し時間を要すると思う。リンク速度だけを100Mに落としての試行も並行して行っている。

その次のステップとしては、やはりLANの光対応の検証をしてみたい~となる。一番てっとり早い(あれこれ選択を悩まなくても良いので)のは Ediscreation Fiber Box をこの直結ルートに挿入してみることだろうと思う。同社にはハブもあるのでどうせならその両方を組み合わせて試してみたいと考えているが、えいや~で両方導入するのはちょっとハードルが高くまずは試聴からか。

LANにおけるメタルと光の対決で光の方に相応の効果があったという話題には事欠かないし、その根拠も確かに一理ある。だが、これはデータ伝送領域であってデジタル再生の課題の本質だろうかという疑念も相変わらず捨て去れない。そこで、当面その他に出来ることはないか、と基本に立ち返ってみれば、デジタルオーディオ信号領域(我が家ではS/PDIF)にもこのメタル(同軸)、光(TOS)という選択肢がある。

現状はS/PDIFの経路は全てメタル(同軸BNC、AES/EBU)でZAOLLAのSolid Silver Lineで統一している。過去の経験値では、各機器にそれなりのノイズ対策や電源の配慮がしてあれば、同軸の方が好ましいという結論であった故。だが、同軸の場合は原則としてパルストランスが介在している(全ての機器をチェックしてみた訳ではない)。この是非も含めてこれも改めて確認してみる必要があるだろうと考えた。

そう思いを巡らせてみて、この観点でかって試したことの無いルートがあることに気がついた。それはMUTEC MC3+USBからデジチャンに至るルート。ここは導入以来何の疑いも無くメタル(AES/EBU-RCA)でしか接続したことがない。Bluesound Nodeの導入時、まだ電源系対策をしていない時にNodeからのS/PDIF出力をMUTEC MC3+USBに光で接続したことはあるのだが、電源インターフェースの換装をした後はこちらも同軸RCA-BNCに変更し、現状はUSBでの接続としている。

AoE Symphonic-MPDのバックエンド(ラズパイ4)からのS/PDIF出力も現状同軸RCA-AES/EBUである。AoE Symphonic-MPD、Bluesound NodeいずれもMUCTEC MC3+USBにてリクロックしている。そうやって考えてみると、リクロックした後(お化粧直ししたちょっと美人?)のデジタルオーディオ信号を光で送り出すことで(所謂)高周波ノイズのデジチャンへの流入を防ぐという効果はあるのかもしれない。メタルケーブルによる高周波ノイズの伝播を云々するのであれば、LAN部分よりもこのデジタルオーディオ信号経路の方が光によってこの種のノイズを遮断するという効果は大きいのではないだろうか、とも推測できる。ただし光の場合はジッターが増えるという懸念材料もある。

我が家に在るS/PDIF用の光ケーブルは Analysis Plus。これはどちらかと云えばプロ用と思われ決して高級なものではない。だが、「光アイソレーション」の効果が期待できるとすれば、まぁ実験にはなるだろう。一般論的にはS/PDIFの光(TOS)は高音質とは捉えられていないものと思う。当方の経験則もそうである。機器によっては光(TOS)の受光部はおまけ程度であまり優秀なパーツを使っていないが故とも考えられる。もちろん、MUTECもデジチャン(Accuphase)もそこで使用されている光の受光パーツの品位の程度など知る由もないのだが、いずれもそれなりのメーカーなので低品質のものが使われているということも無いだろう、と楽観論で臨むこととした。

なお、当然ながら、MUTEC MC-3+USBとデジチャン間の同軸ケーブルは一旦外して、光のみ一本の接続である。で、まずはAoE Symphonic-MPDによる自前のライブリー音源からの試聴を開始。

、、、、、、(悪くない)、、、(いや、そんなはずは無い)、、、(でも悪くない)

自問の繰り返しである。もしこれを「良し」と認めれば今まで一体何をしてきたのか、ということになる。雑味が減少するというのか、純度が上がるというのか、少なくともその方向に変化することはやはり否めない。光(TOS)なのかぁ~ え~、というのが素直な感想である。パルストランスの介在が影響しているのだろうかとも思うがそれを実証する手立てはない。

MUTEC MC-3+USBでのリクロック、およびその前段で出来る対策はある程度は実施済みなので、最後のルートを光化することによって生まれるアドバンテージなのだろうか、とも推測してみてはいるが正解かどうかは分からない。ただ、LAN部分を試すより先にこの部分の実験をしてみて良かったな~と改めて思う。

だが、これを次にどうすれば突き詰められるのだろうか? 現状は光(TOS)によるデジタル機器間の接続はおそらく多くのオーディオファイルではマイナーな位置付けであろう。ケーブルについても、Analysis Plusを上回る期待値があって試してみたい、と思うものは結構探してみたものの余り無い。

オーディオは理屈よりも音(感性)が優先することは紛れも無い真理。音が良ければ全てが無罪放免となる。ここに於いて理論もコストも必ずしも優先されない。良いと感じるなら、信ずるならば更に追い込んでみれば良いだけ。だが、デジタルオーディオ信号を光で伝送する手段、方策は他にもあるのか? 頭を捻ってみてもケーブルくらいしか試してみることが思いつかない、、、
(注記)なお、本件に関して 光ブースター 、デジタルリコンストラクターなどの情報を掲示板にていただいた。更に研究してみようと考えている。

思う。デジタルオーディオは数理の世界にて基礎となる理論が成り立っている。そしてそれを実現する各種チップはテクノロジーの塊である。感性の結果だけで評価すべきものでもないと思う。でも、どこかにまだ説明されていない明確な音へのインパクトの事実があるのか。それは製品開発者も分かっていないものなのか、敢えて隠されている部分か、あるいは製造コストとの勘案でネグレクトされているものなのか。

前提となるデジタル技術知識の無い頭で考えてみても明確となることは少ない。従って経験値、経験則に頼らざるを得ない。でも知らず知らずに固定観念、あるいは一般的な常識とされていることに、さして疑問を持つことも無く自分は縛られてもいるんだな~と思う。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年3月10日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

560
560

3150
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-18 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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