オーディオ日記 第53章 超えてきた壁越えられぬ壁(その10)2022年3月8日


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Amazon vs Tidal, Qobuz:

現状はBluesound Nodeという極廉価な機器にてストリーミングを楽しんでいるのだが、いろいろと思うところがある。ひとつはそれぞれのストリーミングサービスによって音の差異があるのか? という点。そしてもうひとつはこのBluesound NodeにおけるBluOS Controllerのインターフェース部分。

ストリーミングサービス自体の音質を云々できるものなのか、我が家の環境で試してみた。今のところ日本での正式サービスならびに料金の観点などからAmazonをメインとしているのだが、その他の代表例としてQobuzとTidalがあげられると思う。国内楽曲のカバレージには差はあると思うのだがこの点はどのジャンルを良く聴くのかによって評価は異なってくるだろう。クラシック系がメインならQobuzも遜色は無い。

音の差異については、ネットワークストリーマの力量と後段のオーディオシステムの関与度が高いと思われるし、TidalにはMQAというアドバンテージもあるのである程度の条件を揃えておくことは望ましいんだろうなと思うが、取り敢えずCD品質音源と24bit/96KHz音源についてそれぞれ比較した。結論から先に云ってしまえば、我が家の環境と当方の駄耳では有意差を捉えることは出来ず(MQA音源とノーマル音源との比較は敢えてしていない)。なお、これはあくまでも我が家の再生環境の前提である。

やはり駄耳なのか我が家のオーディオシステムの性能限界か、、、それとも元々の音源が異なるものではない限り、ストリーミングの仕掛け(サービス提供者のサーバーや我が家に届くまでのネットワーク)そのものでは検知できるほどの差がないと云えるのか。音源を保有するレコード会社などがどのように各社に音源を提供しているのか知る術は無いが、明らかに音質に差を付けた音源を提供しているとは考え難いこともある。

同一の音源を提供していると仮定すれば、差があるとすることは本来的には論理的ではないだろう。もちろん、この辺りは推測の範囲を出ないのであるが、オーディオ的な選択というよりは音源に関わる観点ならびに自らのストリーミング再生環境との関係からいずれかのサービスを選べば良いんだろうなと思う。(逆に云えばサービス提供者にとっての差別化要素は何になるのだろう。料金? 音源数?)

国内での正式対応の有無や料金もポイントだし、また案外と重要なのは日本語対応(特に検索において日本語が使用できるかどうか)であろう。TidalもQobuzも日本でのサービス提供の動きもあるようだが開始時期などを含めて現状定かにはなっていない。また日本語検索対応はAmazonのみ可能(注記:Apple Musicはここでの比較対象としていないが可能)。

なお、Roonとの組み合わせもでも比較したいのだが、Amazonが未対応なので如何ともし難い。別件となるが、Roonは本当にAmazon対応してくれるのだろうか、、、期待が先行しつつも見通しは暗そうなのが気になる。

二つ目の観点は、BluOS Controllerをベースとしたインターフェースの違いである。選曲などの操作で出来る、出来ないというような差はない。レスポンス速度も各サービスによって顕著に差があるとは云えない(厳密な計測はしていない)。だが、Amazon対応ではユーザーインターフェースとして明らかに劣る点がある。以下にAmazon、Tidal、Qobuzの順で画像を掲載する。なお画像編集の都合上、Windows PC上のBluOS Controllerを使用したものであるが、基本はiPAD等のタブレット系でも同じ。

Amazon Music HD:
Amazon Gamen

Tidal:
Tidal Gamen

Qobuz:
Qobuz Gamen

上記の画像はいずれも、まずはジャンルでクラシックを選んでお薦めのアルバムが表示された状態である。Amazonの場合はアルバムカバーアートが小さくて「視覚情報」として全く訴えてこないのだ。iPAD等のリモコン操作が当たり前という状態では文字情報よりも画像情報の方が興味を引かせるという点では明らかに優位である。Amazon Musicも自前のAmazon Music Appでは当然ながらこんな小さなアルバムカバーアートにはなっていない。

BluOS Controller上でもTidalやQobuzについては大き目なカバーアートの表示が可能なので、Amazonの提供するAPIの制約なのか、とも思える。だが、ここはどちらであろうともより洗練されたインターフェースとすべき。少なくとも小さすぎるアルバムカバーアートには存在意義すらない(まぁ、無いよりはまし)と思う。これは視力の衰えた老人の世迷言では決して無いと思うのだが、、、

浅学にしてSilent Angel M1TにおけるVitOS Orbiterのユーザーインターフェースは未だ検証していないので、この点がどうなのか定かではなく、ネット情報などを探してみた限りでは何となく改善されているような? 今後ここは確認したい。(注記:一方でVitOS Orbiterは自前のライブラリ音源に対してはフォルダー検索しかできないようにも見える)

PCオーディオを含めて長らくあれこれトライしてきた経験からは「音質」のみならず「安定性」と「操作性」を含めた三つの観点が重要だと考えている。昨今のネットワークストリーマは音質も安定性も充分評価できる。PCオーディオも所謂有料ソフトウエア前提であれば安定性が心許ない、ということは現状殆ど無い。

またストリーミングによる音源(音質)そのものにさして差がないとなれば、(音源量と料金を除く)差別化要素は「操作性」となる。もちろんここは好き、嫌いという好みの範疇も大きいと思うのだが、Roonはインターフェースに関してはかなりのアドバンテージがあると考えている。

この先、ストリーミングサービス自体が世界レベルでどのように変遷していくのか(寡占化が進むのか)非常に興味のあるところ。またそれに絡んでネットワークストリーマという範疇の機器やPCオーディオがどのような展開を見せるのか、表裏一体の関係性もあるので目が離せない。

廉価なサブスク料金で膨大な音源を極楽の操作性で堪能できること、これが重要な視点となると思うのだが、果てさて今後の展開は如何に。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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