オーディオ日記 第53章 超えてきた壁越えられぬ壁(その3)2022年1月20日


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ネットラジオもFLACで:

(2022年6月11日追記)
CD Qualityで聴けるインターネットラジオ局について ここに 一覧表があったのでご参考まで。また、Radio Paradiseをflacで聴く場合のURLは こちら に。
(追記終わり)

ストリーミング音楽を気軽に良い音で楽しみたい。ネットワークストリーマーと呼ばれる類の機器を手に入れた方は皆そのような思いがあるのではないだろうか。高品質のサブスクリプションが極めてリーズナブルな料金で堪能できるのは音楽好きにとってこの上も無い幸せであることは最早疑いようもない。

人間楽をすればするほどどんどん怠け者になるようで、ネットラジオを選局するだけで同様に高品質の音楽を聴きたくなる。MQA Radio Paradiseという局が当方にとってその代表格なのだが、この局は残念なことにクラシック音楽のチャンネルはない。あれこれ探せば256K~320K程度のビットレートのクラシック音楽の局ならば現状世界中に山のようにある。

だが、せっかくなら「ロスレス」の音源で聴きたくなるのは人情というよりも当然の帰結の欲求であろう。MQA対応で送り出してくれるクラシック専門のラジオ局はまだどこにも無いようだ。さすれば、せめてFLACフォーマットで送り出してくれているところはないだろうか、、、そういう思いに至る。

で、いろいろとネット上を探し回った結果、次の二局がクラッシック音楽をFLACで送り出してくれていた。これは結構ありがたい。

1. Rondo Classic  (北欧はフィンランドの局)
2.Naim Classical (Naim Audioが主催する ラジオ局
(もっと探せば他にもあるのかもしれないが現状はやっとこの二局を掴めたのみ。もし他の局をご存知の方がいらっしゃったら、是非そのURLを教えていただきたく)
(2022年1月21日追記)早速二つのラジオ局をudosanさんよりご教授いただいた。深謝。(追記終わり)

サブスクしている密林音楽にもプレイリストやステーションというお仕着せで音楽を流してくれる機能もあるので、良い音で聴きたい場合は従来はそちらを利用してきた。また、何回か紹介してきた「Your Classical」というネットラジオ局は比較的好みの局を流してくれるので自分としては愛用なのだが残念なことにロッシー音源。サブシステムで聴く場合はまぁ我慢はできるのだが、、、

ホントに人間はワガママ、贅沢だと思うのだが、やはりメインシステムでそれなりの音量で楽しもうとすると、どうしても最低限CD品質、ロスレスであって欲しいと考えてしまうのだ。(とは云っても所詮は器の問題ではあるが)

なお、ネットラジオは垂れ流し故にあまり好みとは云えない曲が流れている時も当然あるので(あるいは録音が今ひとつの音源も)、その場合はつい他局を選択したくもなる。このため少なくとも4~5局程度は確保できていれば更に?幸せになれるんじゃないだろうか。

(参考1)
Rondo ClassicのStreaming URL:
http://rondo.iradio.fi:8000/klasupro.flac

Naim ClassicalのStreaming URL:
http://mscp3.live-streams.nl:8250/class-flac.flac

(以下の二つを追記した)
https://www.mujrozhlas.cz/zive/d-dur
http://amp.cesnet.cz:8000/cro-d-dur.flac

http://www.sectorradio.com/nota/
http://sectorradio.com/nota-flac

(参考2)
Bluesound Node(あるいはNode 2i)をお使いの方は、上記のURLをカスタムチャンネルとして登録する必要がある。手順は以下の通り。

1.「Tunein」から「お気に入り」を選択し、そこで「カスタムステーションを登録」というステップで、上記の各ラジオ局のURLを記述(あるいはコピペ)し、適当な名前をつけて保存しておけば良い。

2.登録したラジオ局は「お気に入り」から「ステーション」にて一覧表示されて来るので、そこから選択すれば再生が開始される。

(雑記)「オーディオの壁」の向こうには

越えられぬオーディオの壁についてつらつら思う。その続きである。

一番の問題は「何か課題」であり、「何が解決策」となるのか把握できていないことだと思う。やみくもに機器を取替えてもそれは何の解決にも至らないと今は感じている。設定をいくら弄っても、僅かの自己満足の向上はあるのだが、それは根本的なところへはリーチできていないと感じてしまう。

今ここにあるのは生演奏とは異なる別の音の世界である。そこには越えられない絶対的な差があるようにも思う。元々が人工的な音の塊のような音楽であれば、心理的なギャップはとても小さく感じられて、オーディオ的と思える音源ならば自分のオーディオもこれでいいんじゃないか、と妥協できることはままある。所謂優良録音ならば尚その音を安心して浴びられる。だが、オーケストラがホールの音響と渾然一体となって鳴らなければならないような音楽には心が「違う!」と叫ぶ。

当たり前だけど絶対的な空間の大きさは異なるし、強奏における音響パワーは同じレベルには至らない。鋭いけれどホールに染み渡る音色には我がシステムにはない輝きがある。スピーカーから聴こえてくる協奏曲におけるバイオリンソロの何故か立派すぎて不思議にも思えるような嘘っぽさは当たり前だけど生演奏にはない。それが録音芸術だと云われてしまえば返す言葉は見つからないのだが、、、

イルージョン、あるいは幻想、幻影、、、結局は再生音楽は「似せたもの」であって本物ではない、と云えなくはない。だが時として本物を越えるほどの感激をもたらしてくれることだって(稀には)ある。そこにはどのような違い、差があるのか自分では茫として分かっていない。

それは聴こえてくる音自体の質の問題なのか、音圧(絶対的音量)の課題か。あるいは反射や残響などのルームアコースティクスの問題なのか。視覚的要素も加味されてしまうのか。あるいは小さないくつかのスピーカーユニットで、フルオーケストラを再現させようとすることの根本的なギャップなのか。だが、映画館のような大掛かりな仕組みでなくても、もっと近づける策はあるはずだ、とも思う。

たくさんのスピーカーにぐるっと囲まれればそれが可能なのか? 確かにそれはひとつの方向性かもと思う。だが、映画館のような人工美の「サウンド」を求めている訳ではない。例外はあっても基本的にオーケストラの楽器群は前方に配置され、残響音はともかくとして後ろで楽器が演奏される訳ではない。

我が家の部屋がホールのような大きさと理想に近い音響を持っていないことが要因のひとつであるかもしれないとは思う。それならば、それが解決策の糸口になるのだろうか? 少なくとも良い響きというものは必要不可欠な要素であることは間違いない。だが、自分の部屋をホールらしく変えるとしても、専用リスニングリーム化するとしてもホールほどのエアーボリューム、大きさを確保できる可能性はまず無い。

コンサートホールに近いリスニングルームを持っているようなオーディオファイルには浅学故に出会えていない。大きくても20~30畳というのが現実であろうか。もちろん音響的に相当考慮された石井式のオーディオルームというのも幾多経験とするところ。おそらくはそれが現実的な意味での理想の部屋だろうと思うのだが。

翻って我が家のリスニング環境はリビングオーディオなのでS/Nや天井高など音響的な課題はままある。空気容量的には広さだけは26畳程度はあるけれど壁や床の強度は足りないだろう、、、

そのような垂涎のオーディオルームで拝聴させていただいて、確かにそこでは素晴らしいオーディオの再生を経験し自分には及びもつかない、と思ってしまうことも多々ある。だが、何だろう、完璧な自然さを求めようとしてもそこには解が無いようにも感じてしまう。どんなに素敵であってもやはりオーディオの音なのだ。

左様な世迷言としか思えないようなことをつらつら考えていると、ちょっと恐ろしい真理に至る。オーディオを趣味としてこれだけ永くやってきても、結局自分自身は「オーディオの音」が好きじゃないのかもしれない、ということに。

ホールで聴く交響曲や管絃楽曲と同じものを我が家で求めること自体がナンセンスかも?とは重々判っているのだが、それを求めることがオーディオへのアプローチだとずっと思い続けてきた。だが、数十人規模の楽団員がそれぞれの楽器を一斉に鳴らす時、その音圧と響きが全身を総毛立たせる。同様なことをいくつかの小さなスピーカーユニットで再現できるのだろうか。今自分自身ではその回答をすることができない。否とすれば自分のやってきたこと自体が無意味と化すことにもなる。だから可能性は信じる。

一方で再現できる、できない、ということ以前に自然な音と人工的な音(=オーディオの音)との対比で考えた時、その差は顕著にあって、結局はそのギャップにず~っと悩んでもきた訳だ。どうしても自然な音とは異なるものがあると感じてしまう。オーディオは嫌いじゃない、でもオーディオの音は嫌いだ、なんて今更洒落にもならない、、、、

これが自分の「オーディオの壁」だとしたらおそらく越えることは困難だろう。だが、その向こうにはいったい何があるのか、越えていく方策は無いのか。こう自問し始めたら永久ループで答えなどどこにも無い。

弱気な理性は今ここにある音楽を楽しめ、と告げる。多分その妥協が一番現実的で丸く収まるのだろうけれど、それで良しとしない自分がいる。(我侭な年寄りには)困ったものだ。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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