オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その10)2021年9月14日


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行きつ戻りつ:

ミッドローとしてSB AcousticsのCarbon Textremeユニットにチャレンジ開始したのが昨年の10月でおよそ11ヶ月ほど経過した。この間あれこれと設定を試しつつ楽しんできて、このところは「ほぼこれで」という所に落ち着いている。ミッドハイのAccutonのセラミックドームと組み合わせた4way構成は現代的かつ普遍的な音と云っても良いかと思うがどんなジャンルの音源でも不得意ということころがない。ミッドロー、ミッドハイ、ハイの3つのユニットを近接したインラインで配置できていることの効果もあるのかもしれないが音の広がりやサウンドステージの再現も(自分的には)まぁまぁ合格点か。

さて、若干涼しくなってきたこととも相まって、しばらく放置気味であったもう一つのミッドローユニット(FPS)について、接続を変更するだけで対応できるように工夫してみた。従来はSB Acousiticsのミッドローを一旦どけて、そこにFPSを配置するという手間が必要であったため、面倒くささも手伝って(年寄りになると面倒なことはしたくなくなる?)聴く機会が案外と減ってしまうことにもなっていた。FPSは形状も含めて特異なユニットではあるが、ミッドローのユニットとして使った場合、その音の飛び、浸透力など鮮度感の表現にも秀でた優れものである。従ってミッドハイはホーンとの組み合わせがベストなのだが、それでいて音色は濃すぎずさらっとした感触もあってもっと活躍させたい。

ミッドローのスピーカーケーブルの結線変更だけで、このFPSが使えるようにする、というのは理想からは若干遠くなってしまうユニット配置となるが、それでもここは利便性優先でもいいかも、、、と考えてやってみた。

左側がユニットを再配置する従来の置き方。右が省力化?を目指したもの:
SB Acoustics MW16TX FPS

一番の課題は床との距離で、床面からの望ましくない反射による音の悪影響が出ることなのだが、これはやってみて測定や聴感で判断するしかあるまい。なお、この配置にして、上段のユニットの位置と面合わせをするためにはFPSのエンクロージャの後部を細工をしてスピーカースタンドの支柱と干渉しないようにする必要がある。まぁこれはFPSの場合はエンクロージャといっても(後面開放なので)ボックス構造とはなっていないので、一部をカットするという若干の加工で対応できた。また、FPSのエンクロージャが余分な振動をしないように、底部から上方に向かってボルトで押し上げるという構造を採用してみた。(今後更にこの構造をがっちりしたものに変更したい)

(2021年9月18日追記)足元を若干強化してみた:
FPS(追記終わり)

さて、細工を完了してみると、何とも不敵な面構えとなる。それぞれのエンクロージャーが黒の艶消しなので、案外とそのままでサランネットを付けないほうが見た目の迫力?には良いかもしれぬ。(FPSの見た目はそれでも無粋であることには変わりはないが)

このスタイルで聴く、FPSとホーンの組み合わせの4wayであるが、鮮度感(反応の速さやトランジェント)はやはり上を行くかも、と思わせられる。それでいて静寂感に劣るということもない。もちろん現代的な観点で云えば、ブロードな指向性は劣ると思うのだが音楽や音の実体感の演出は得意である。それ故に音源とのマッチングという普遍性の課題は残るかもしれないが、ゾクゾクっと来るような音楽の再現がここにはある。

気になっていた床との距離による弊害であるが、幸いにも顕著には感じない。安全サイドとしてはユニット前方の床に何らかの吸音(or拡散?)をするようなものを置いておいた方が良いかもしれないが。

この二つの構成、どちらが好き、というよりはどちらも好きという考え方が正解なのかもしれないな、と思う。それぞれを聴き比べればもちろん違いはある。そしてこのどちらも未だ理想を具現化したベストのものとは云い切れないのだが、共に音楽を聴く愉悦が感じられる。ユニットをとっかえひっかえしながら音楽を聴く、というスタイルはあまり好ましいものとは思っていないのだが、切磋琢磨させてそれぞれの長所を見出し更に次の設定に生かそう、というアプロ―チはやはり大切かも。

オーディオも行きつ戻りつゴールにはなかなか辿り着けないことを実感するのだが、その過程を楽しむということもまた大事なことなんだろうと思う。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年6月23日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

200
200

800
800

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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